黄昏のエロゲ感想/a>

黄昏のエロゲ感想

エロゲ感想ブログ たまにオススメ書いたりする。

アインシュタインより愛を込めて 感想

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作品概要・評価点(ネタバレ無)

[作品概要]


[評価点]
シナリオ:B-
キャラ:A
ビジュアル:S+
世界観:A
演出:B+
音楽:B+
オススメ度:A

総合点 80点



考察

ストーリー構成について
メインヒロイン枠である有村ロミ以外の3人を攻略後、ロミルートのロックが解除 そして最後にグランドルートとオーソドックスな構成でした。
個別ルートは序盤中盤ボーイミーツガールで仲良くなって行く過程とイチャラブを踏まえつつ各ヒロインの悩みを解決
終盤で伏線ばら撒きの流れが一貫しています。

分かりやすく終盤の展開も謎を残しつつも個別ストーリーとしての結論は理解しやすいものになっているので置いてけぼりを食らうこともありません。全体的にコンパクトにまとまっている事もあり、そう言った意味では凄くやりやすい作品かもです。









個別ルート毎の感想
基本的には終盤のSF関係の感想と考察を書いていきます。


・佳純ルート
主人公が手術を受けることを選択しで記憶障害により幼児退行してしまうルート

ぶっちゃけクジラの鍵を手術で取り除く事が出来たのか不明だが、組織が警戒度を最低レベルへ下げる描写があるので鍵自体は主人公の中に残ってる説が有力ですかね。
鍵を使う知能を無くして危険度を下げよう的な計画 ロミの心情から手術はもっと上手くできたらしいので、クジラの内部調査もついでに行って幼児退行したらOK的な... 主人公が一番可哀想なルート





・忍ルート
クジラへのハッキング集団と戦うことを選んだルート
最終的に忍の元へ主人公が帰ることになったのは、シグマの言う20年の期限が過ぎ戦う理由が無くなったからだと推測出来ます。
特に捻りは無いけど割とハッピー寄りな
エンドです。





・唯々菜ルート
唯々菜自身が彗星病を患っていることもあり割と序盤からSFバリバリで他では濁されていたクジラの鍵関係に踏み込んでいました。
主人公の選択は忍ルートと同じでハッキング集団と戦うエンド(恐らく選んだというより強制的にっぽいが…)でしたがそれをヒロインが助けだす部分で物語終了

感のいい人ならこの次点でメシアの正体に察せそうですね〜 語尾関係とか
ちなみに自分は全く分かんなかったですw





・ロミ&グランドルート
今までの答え合わせルートですが何分描写がボカされすぎてイマイチ&最終盤の巫女登場からの展開が駆け足すぎな印象

伏線というか、あの時の事はこうだったよみたいな答え合わせ自体はかなりしっかりして投げっぱなしなものは少ないが全体的にふわふわしてる印象
考察しようにも設定がちゃんとして無いからどうしようもないです。
例をあげるなら巫女の正体は?→天才的なAI ハイ!終了!ですからね… 何かAIに対する他の伏線があるなら兎も角 ぽっと出の何かとしか言えない…

最後の親父のシーンなんかその最たる例で、目の見えない幼少期主人公を救った謎の人物が実は親父だった! そして再度主人公のピンチに登場!
この流れ自体はテンション上がりますが、そもそもの幼少期救ったエピソードの登場が最後の最後ですからね…序盤からちょいちょい出してくれればいいのに感です。


雰囲気の良い近未来的なファンタジー話と思って読んだ方がよっぽど楽しめたと思います。 結構OPとかあらすじでガチガチのSFと思ってたので反動がでかかったw




●良かった点
ここまで割と酷評してしまったのでここからは良かった点を書いて行きたいと思います。


・キャラクター
文句無しに可愛いです。
キャラデザだけでは無く性格的にも嫌味なキャラやイラつくキャラがいなくてストレスフリーでプレイできます。(ヒロイン限定)
主人公がギャグもシリアスもこなせる万能舞台メーカーなのも良い。



・作品全体の雰囲気
特にOPまでの一見クール嫌味系だと思ってた主人公がどんどんギャグ要員になっていき仲間を集め出す場面なんて最高に一風変わった青春って感じで最高です。
綺麗と可愛いの中間のキャラデザも一役買っており無理にSFに持って行くよりも彗星病の正体を絡めつつのコメディあり王道学園もののが読んでみたかったかも…




・ラストのオチ
オチまでの道中は兎も角としてアインシュタインin親父が登場するシーンは本当に高評価できます。
最大のピンチに死さえ超越した親父が出てきて、AIでも理解できない死を操り、天才AI<天才人類を見せつけてからのラストのタイトル回収
欲を言えば、もう少し演出面を強化してくれたらここだけで100点つけても良いくらいw








総評
[総評]
ボリュームや説明が足りない部分はいかんせん不評だがそれ以外はかなり出来が良い作品だと思います。
ただまぁ絶対的に合わない!って人が出てくるのも、まぁ分からなくはないかなって感じ。 主人公&ヒロインに魅力を感じなかったらほんと苦痛かもしれない…

個人的には親父登場と全体の雰囲気だけでお釣りがくるので大満足のいく結果でした。

Favorite福袋2020 開封記事

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●はじめに

今回は2020年9月17日に発売開始されたFavorite新作グッズの中にあった福袋の開封&紹介記事です。
反響次第では次の可能性もあるらしいので参考までに読んでみてください!


では早速紹介していきます。





1つ目!

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商品名
FAVORITE 15thANNIVERSARY SPECIAL LIVE ペンライトポーチ

通販価格
3000円(税込)


ペンライトポーチですね〜 基本的にこういうのって販売された記念のライブ会場で使うからこそ意味があるって気もしますね…

ライブとか全く行かないインドアエロゲーマーの自分的には結構ハズレ枠かな
デザイン的にも飾っておくのに向いてない感じですしね。















2つ目!
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商品名
SDキャラ サーモボトル

通販価格
4000円(税込)


サーモボトルなんて商品名ですが、要は水筒???

割と実用性はありそうな感じ デザインもまぁコレなら持ち歩いてもギリセーフかな。

結構嬉しいですね〜
まぁ最初開けた時銀色だったんでタンブラーと勘違いしてぬか喜びしましたが…
w















3つ目!
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商品名
EGG2018記念 真紅SD Tシャツ

イベント価格
4000円(税込)


SD真紅ちゃんがでっかく描かれたTシャツ 調べた感じ通販では売らなかったらしいのでレアと言えばレアなのかな?

正直こういう服系は外には着ていけないので部屋着にしようかな。















4つ目!
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商品名
さくら、もゆ。 スマートフォンケースB

通販価格
4500円(税込)


スマホケースは結構あり
あんまりドカンとキャラが描いてあると使うのためらうけど、コレぐらいならアリなのかなぁ… 迷いどころですw



外使い用なら圧倒的にこのAタイプのデザインのがいいけど、可愛さは圧倒的にBだから 個人的にはBのが嬉しかったです。

















5つ目!
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商品名
さくら、もゆ。 はるいろランチプレート

通販価格
2800円(税込)


ランチプレートなのでプラスチック製
実用性の高い 家で使うグッズは良いですねー かなり可愛いくてデザインも良いので飾るのも良さそう…

因みに今回の中では地味に一番値段が安い商品 2800円が一番最安値グッズって結構ヤバイですねw
















ラスト!
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商品名
アストラエアの白き永遠』抱き枕カバー 螢 りんね

通販価格
12500円(税込)


今回の福袋の目玉である抱き枕カバーはりんねちゃんでした!

1枚は持ってて2枚目予備で欲しかったからありといえばアリ 一応狙ってたのは、真紅ウェディングvetか蓮、通常メアのライクトロン版あたり
りんねちゃんは次点で欲しい枠だったので十分当たりですね!

ファボの抱き枕カバーって星メモとそれ以外で結構価格落差があるけど今回の福袋に星メモキャラのカバーって入ってるんですかね???
入っているならそれがハズレ枠かも…
流石にいろセカ アス永 もゆのカバーだけなのかな…??









●まとめ

単純に通販サイトでの売値で判断しても

3000+4000+4000+4500+2800+12500=30800円
なので1万円で3万円分のグッズが当たるなら悪くないんじゃないでしょうか。

特に今回の自分みたく抱き枕カバー+αが目的ならかなりオススメです。
オークション価格で判断しても、りんねちゃんのカバーは大体8000〜10000ぐらいが相場なので普通にカバーだけ買うより全然おトクです。

勿論なんのキャラか選べないという欠点もあるのでファボキャラのカバーをあまり持ってない人のが良いかもしれません。
今回の自分はピンポイントで持ってたカバーだったのでびっくりでしたw(通常真紅、通常メア、スク水メア、クロぐらいしか手元にないです。)


評判次第では第2弾もやるかも…的な事を放送で言ってましたし、5分で完売していたので次がある可能性は高いのかな?
よかったら買ってみてください。 開封は楽しいですよ!

さくらの雲*スカァレットの恋 感想

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一部アメグレのネタバレがあります。


作品概要・評価点(ネタバレ無)

[作品概要]


[評価点]
シナリオ:S
キャラ:A
ビジュアル:S
世界観:A
演出:B
音楽:B+
オススメ度:A

総合点 82点



考察

叙述トリックについて
さくらの雲スカァレットの恋(以下さくレット)では起承転結の転にあたる部分、所謂どんでん返しシーンがいくつかあるのですが、その中の1つに叙述トリックというものが使われています。
エロゲという媒体上、読み手側が情報を知り得るにはテキストからが大部分となります。その為 他作品でも叙述トリックは多用されていますが、さくレットではメタ的な視点から騙す手法がとられておりとても関心させられました。

「メタ的視点からの手法とは何か? 」
答えは単純でプレイヤーが2020年現在をリアルタイムで生きている事を前提としたトリックの事です。キャラが第三の壁を破って実際に現実に干渉してくるわけでは無いのであくまでメタ(的)要素でしかありませんがコレは騙されました。

ストーリーに則り説明するならば、主人公である司は100年の時を遡り1920年に来たわけですが、作品全体を通して未来の世界についての描写はあまりなく不透明な状態が続きます。
しかし読んでいてそれ対し違和を感じることなく進められます。それはなぜか?
読み手側が勝手に司のいた時代=自分が今実際に生きている時代と同じと解釈してしまうからです。その決めつけを利用し令和2年を戦争の真っ只中である桜雲2年にする事で叙述トリックとして利用したのです。
一応は未来が現実の令和2年とは異なる事や司が軍人である事の伏線(スカイツリー→スカイタワーやHシーンでも手袋をしている点など)もありますが、まぁ気付かず読み飛ばしていたり、変だと思っても重要視しなかったりするような細かい描写なので、引っかかる人はそこそこいると思います。

実際自分も司が未来について何か隠している事は察せましたが、それはあくまで司個人に対する事象であり世界観そのものに影響する事だとは思っていなかったので驚かされました。
ライターの思惑通り 完全に令和2年を司のいた未来だと思いこんでましたw





●重要な伏線について
本作における重要な伏線は



「主人公の義手及び正体」
殆どのCGで素手が写らないことや(Hシーン含め)ナリゴンに対する格闘技を仕掛けようとする描写など分かりやすく示されていたと思います。

また加藤との初対面時での肝の据わりようなどは自分も不可解なものを感じて以下のようにツイートしています。

勿論ツイートした当時は主人公がごく普通の学生だと思っていたわけですが、軍人設定であればある程度冷静な判断が出来るのも納得です。



「2020年の世界」
本作のトリック部分の要ですが、義手関係の伏線ありきというか…
主人公軍人設定→2020年は戦争時代と繋がってくるので、シンプルに2020年に関しての伏線は少なかったように思えます。
まぁコレに関しては第三次世界大戦としてひとまとまりにした感じですかね〜



「メリッサの異能」
こちらは、加藤=異能力者のミスリードを狙った設定なので中盤まで分かりやすい伏線は少なめでした。
とはいえ、メリッサルートに入って透視能力者の逸話が登場し、おまけにその正体が分からないとくれば物語序盤にアララギの「帝都には少なくとも一人本物の能力者がいる」発言から メリッサ=本物の能力者を推測出来る方も多そうです。
因みに自分は件のアララギの発言を完全に忘れていたので全く察することができませんでしたw



「加藤と万斉の関係性」
他の設定に比べてぽっと出というか、トムさんの特徴である後々思い起こすと分かりやすいと伏線といった描写が少なかったように感じます。
敢えて挙げるとすればリーメイに対し万斉が言った「ハセクラじゃなくて志倉だよ」発言ぐらいですかね…
アメグレでも某キャラ2人の関係性に関しては伏線が少なかったので、元々その手の人間関係の描写を仕込むのが苦手なんですかね…



「その他大筋に関係性が低い伏線」
上記の大きな伏線以外にも細かいものがいくつもあり、それらも割と回収されていました。
一例を挙げるなら遠子の目に見える物だけが真実とは限らない発言に所長が反応していたところなんかですね。
コレは所長ルートにて一年前に遠子が依頼した探偵=所長の師匠だと判明する伏線です。 しかしながらハッキリ言って大筋とは関係ないので描写する必要もあまり無いですが、このような細々とした部分にも気配りがされているのは良いですね。





●伏線周りを総合的に見て
叙述トリックの意表の付き具合はアメグレを超えていると言えます。単純にアメグレ後の作品でみんなが見破ってやろうとプレイする上でのこの仕組みは凄いです…
ですが総合的に見ると、どうしてもアメグレより一歩劣ると感じてしまいます。

これはさくレットという作品に大筋となる目的が読み手側に示されていない事が原因であると思いました。
アメグレのようなアポカリプスを止めるという目的が本作には無いのです。
一応地震を止める、未来へ帰るなどはありますが、ループするたびに主人公は記憶を失うのでその意思も感じづらいです。(未来へ帰る事は根幹となる部分に関わってくるので描写が少ないのはしょうがないが…)

その為最期の大どんでん返しシーンも盛り上がりづらい訳です。
アメグレのように段々と謎が解けていき主人公たちの目的達成間際になった最高潮のシーンでの叙述トリックの答え合わせこれは燃えます。
しかしさくレットは何を主軸にして作品を読めば良いのか一本筋の通ったものが無いので肝心の解決編も驚き度多くとも盛り上がり度は少ない訳です。

肝心の伏線回収やトリックは最高クオリティなので一定以上の面白さが確立されているだけに残念です。
個人的には、この主人公一派の目的意識さえしっかりすればアメグレを超えるシナリオになった可能性もありえたと思います。





総評
[総評]
●伏線周りを総合的に見てでは割と酷評しましたが、全てを含めて評価するなら十分名作と言えます。2020年の中でもトップクラスに面白い作品ですし、気になった人は絶対にやるべきだと思います。
もっともこの記事読む人はプレイ済みばかりなので意味ないと思いますが…w

ハミダシクリエイティブ 感想

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作品概要・評価点(ネタバレ無)

[作品概要]


[評価点]
シナリオ:B
キャラ:A
ビジュアル:S
世界観:B
演出:B
音楽:A
オススメ度:A

総合点 77点



作品概要・評価点詳細(ネタバレ有)












[作品概要]
まどそふと5作目(ファンディスク等覗く)でメーカーの中でも評判の良かったワガハイの原画さんとライターさんがコンビを組んだ作品です。
そのためヒロインがハイスペック、生徒会がメイン、主人公がオタ気質など設定等も似通っています。
個人的にはここまで同じような設定だと、どうしても比較されてしまうのであまり好まないのですが、ネットでの評判的には上々のようです。



[評価点詳細]

・キャラ:A
可愛いキャラが多い反面一部人によっては不快感を示しても仕方がないキャラがいるのも事実です。
もう少し性格をマイルドにしても良かった感…


・ビジュアル:S
ワガハイ時代に比べて彩度が低くなっており個人的には劣化したかな〜って感想ですが、それでも尚 ハイクオリティな部分です。キャラゲーの命ともいえる原画ですのでここが良いだけで既に作品としての評価が一段上がりますw


・音楽:B+
正直BGMに関してはほっとんど印象に残って無いので、主にOPとEDのみの評価です。EDがキャラごとに用意されてたのは良かったですが、ひよりEDのみキャラソンだったので他のヒロインも中の人が歌ってくれたらもっと嬉しかったかな




感想

[感想]
今回はキャラゲーなので、シナリオについての小難しい考察は抜きにしてが全体的な感想を書いていきます。

まず思ったのが単発作品として見た場合は問題無いですが、ワガハイと比べた場合に出てくるいくつかの粗が気になりした。その際たる例が主人公のネガティヴさや詩桜さんのツンデレレベルなどです。この部分はハッキリ言って不快に思う人も一定数いると思いますし、なによりワガハイの主人公やアーシェと比べてしまうと、より一層浮き彫りになってきます。
他作品と比較するな!といった意見もあると思いますが、明らかにワガハイを意識して作られてる以上それは無理な相談でしょう… 他にも細かい点ですと、歴史ネタがやたら頻出したりFD出すぞ感が透けて見えたりと気になる点がチラホラ見受けらました。


しょっぱな批判でしたが、勿論良い点もあります。一番本作で優れているのは、やはりキャラのかわいさです。この点にかけては前作に引けをとらないばかりか瞬間最大風速に関しては超えているまであります。キャラゲーとして一番メインになると言ってもいいキャラが可愛いのは素晴らしいです。
あと地味にシナリオも面白かったです。(特に常磐ルート) 少しシリアスが多いかな〜って思う点も無いことも無いですが、まぁ個人的には許容範囲内の良いスパイスになっていたので気になはならなかったです。

まとめるとワガハイには、及ばないけど他メーカーの作品と比べたら十分良作っって感じですかねー ちょっと期待し過ぎでした…


総評
[総評]
満足度でいえばかなり高かったです。立ち絵鑑賞にしっかりと裸立ち絵があったのもポイント高い(ここが出来ていないメーカーも結構あるので…)
可愛いと思えるキャラがいるなら間違いなくやって損の無い作品です。

サナララR 感想

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作品概要・評価点(ネタバレ無)

[作品概要]


[評価点]
シナリオ:A-
キャラ:A
ビジュアル:B+
世界観:S
演出:B
音楽:B+
オススメ度:S+

総合点 81点



作品概要・評価点詳細(ネタバレ有)












[作品概要]
有名メーカーねこねこソフト作のゲームで、所謂ねこねこっぽさが前面に出された内容となっています。そのためねこ初心者の人には、メーカー全体の方向性を知るのにかなりオススメの作品だと言えます。
シナリオ構成は全7つから成るショートストーリー形式で各章をクリアする毎におまけストーリーが追加されていくスタイルです。 こういったSS形式だとテンポよくサクサクと進むのでそういった意味では初心者向けとも言えるかもしれません。



[評価点詳細]

・シナリオ:B+
やや爆発力には欠けるが優しくジーンと心に響くタイプのシナリオが多く 個人的には、1、4、7章がお気に入りで特に4章はタイトル回収の章と言うこともあり力が入っているように感じました。


・世界観:S
非常に評価できるポイント
設定としては、かなりファンタジーです。しかしながら作中のストーリーでは現実的な描写が多く、普通の世界にほんの少しの特異なスパイス要素が加わった印象で非日常に飲まれる事無く落ち着いた世界観に仕上がっていました。


・オススメ度:S+
かなーりオススメできます。
同メーカーので例えるなら番人受けしやすい120円の春ですかねー
ねこねこ作品に手を出したい!って人がいたらまず最初に勧めてよい作品だと思います。




考察・気になった点

[考察]


●1〜4章までを通してのテーマ
先ずは無印版サナララのエピソードである1〜4章のテーマについて書いていきたいと思います。

この4つの話のテーマはズバリ「諦めた夢」です。
1章では「自己記録3秒」の壁を破るのを、2章では「パティシエ」、3章では 「陸上選手」4章では「絵描き」
このように各章に登場したヒロインor主人公は物語開始時点や終了時点で諦めた
夢を持っています。
そして面白いのは、この夢に対する描写ですが、叶う叶わないでは無く、「「叶えるための努力」」といった部分が強調されいる点です。
結局作中の描写範囲内では夢を叶えた人物はいませんし、2章ヒロインあゆみに至っては夢を諦めるシーンがクライマックスになっています。(あゆみ以外は割と叶いそうな雰囲気ではあるが…)
ですので、サナララというストーリーにて夢が叶うという結果はそれほど重要では無く、むしろ過程に重点を置いて夢ないし諦めた夢を表現しているのだと考えました。



●5〜7章までを通してのテーマ
続いて5〜7章のテーマです。これらの章は無印版からのリメイク作 サナララRから追加されたシナリオの為1〜4章とは少し違った解釈の違ったテーマのエピソードがあったのでそれについて触れていきたいと思います。

解釈の違うエピソードとはズバリ5、6章についてです。この2つの話は上で説明した、結果よりも過程を重要視して諦めた夢を表現するといったテーマから少しズレた話であると感じました。
その理由はシンプルでこれらの話は作中の描写で既に夢が叶ってしまっている事が明白な点です。5章では恋、6章では、生きたいという夢がそれぞれ叶ってしまっています。

これに関して自分は最初 追加ストーリーは無印版とは違う角度から「飽きらめた夢」を表現したかったのかな…と思いました。しかしながらサナララRのトリを務める7章では、主人公&ヒロインの夢は叶いそうではあっても明確な描写を避けたENDとなっていました。
なにより作中にて無限ナビが終わると記憶が無くなるとしてもひかるがやっている激苦コーヒーの練習は無意味では無いという描写があることからも明らかに夢を叶える為の努力にこそ意味があることを表現したかった事が分かります。

結果的に意図的にせよなんにせよ全体で見ると5、6章のみ「夢」への解釈が違い、浮いているといった印象を抱いてしまいました。内容自体は非常に感動出来たので、できれば全部揃えて欲しかったな感がどうしても出てしまいました…





[気になった点]
やはり5、6章とそれ以外のテーマ解釈の不一致ですかね〜 複数ライターであるが故の弊害だとは思いますが…
それ以外は完成度の高い作品ですし、この解釈不一致も細かいことを考えない人なら全然気にならない程度の事だと思うので、最初に勧めるべきねこ作品という考えは変わらないですかね〜


総評
[総評]
大満足のいく出来栄えでした。
演出もねこらしさフル回転で個人的に大好きなねこのプロローグが章末ごとに楽しめるが凄い良かったです。
SS形式でオススメを聞かれたら優先的に勧めるゲームである事は間違いありませんw やっぱりねこねこソフトは最高です!

ドキドキ文芸部 感想

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作品概要・評価点(ネタバレ無)

[作品概要]


[評価点]
シナリオ:A+
キャラ:B-
ビジュアル:B+
世界観:B
演出:S+
音楽:B
オススメ度:A

総合点 80点



作品概要・評価点詳細(ネタバレ有)












[作品概要]
海外で制作されたギャルゲー
1番特筆すべき点は、物語中盤から一気に方向性がガラリと変わる部分です。所謂上げて落とす手法が使われておりごく普通のギャルゲーだと思ってプレイした人ほどショックが大きい作品です。
もっともリリース開始直後に話題になった上これだけ期間が経った後 ホラーであることを意識せずやる人もいないと思いますが…
個人的な感想としては、非常に面白かったのでボリュームアップ版なんかをやってみたいかな〜とか思ったりします。



[評価点詳細]

・シナリオ:A+
良くも悪くもパンチが効いたシナリオです。人によって合う合わないはあれど最初から覚悟して始める事さえできれば大半の人は楽しめる内容だと思います。
特にホラー面に関してはかなりの高水準を叩き出していると言えます。

・演出:S+
本作でもっとも評価できるポイント
自分が深夜にやった事も作用しているとは思いますが、それを加味したとしても、かなりレベルが高いです。
緩急を意識してプレイヤー側が油断した時を見計らったかのようなタイミングでの演出は目を見張るものがありました。


考察・気になった点

[考察]


●ドキドキ文芸部という世界
本作におけるドキドキ文芸部とは主人公(プレイヤー)に恋するようにプログラムされた3人のヒロイン+モニカからなるゲームの世界として描かれています。
その為、どれだけ頑張ったとしてもモニカは主人公と結ばれない訳ですし、ヒロイン達はは物語が進むに連れて主人公と惹かれ合います。
これが本作における絶対的な条件として終盤まで関係してきます。





●モニカについて
上で説明した世界の絶対条件を壊そうとしたのが他でも無いサブキャラのモニカです。
モニカは現実世界(プレイヤーの操作するPC)のスクリプトを弄る事によりキャラの性格を変える、キャラそのもの存在を消す、進行しているストーリーの全容を把握するなどなどドキドキ文芸部の世界における神のような力を持っています。
ではなぜモニカは世界を壊そうとしたのでしょうか?答えは単純で、プレイヤーと自分以外はプログラムされた人形でしか無いと気づき更に自分がサブキャラで唯一自分と同じ確立された自己を持っているプレイヤーと結ばれる事が無いと知ったからです。


ここで文芸部部長の力について触れておきます。

◎文芸部部長の力について
大雑把に言ってしまうと、「ドキドキ文芸部」というゲームのスクリプトを弄る事が出来る能力です。自我の芽生えはこの力に付属する現象だと考えられます。

つまり作中の出来事(サヨリの消滅、キャラの過剰な性格変化、バグ、ユリの自殺等々)はモニカの力では無く、文芸部部長の力によるものだと言えます。
この事はモニカ消失後 サヨリが部長になった世界線での描写(サヨリスクリプトを弄り主人公と二人だけになろうとした場面)から推測する事が出来ます。





●ヒロイン達の自我について
これまでの考察で述べてきた事象はモニカ及びサヨリが自我を持ったため起きたものです。

ここで本当に文芸部部長は自我を持っていたのかという疑問が浮かびます。
要は「文芸部部長になった者は自我が芽生えたかのように振る舞いスクリプトを変更出来る能力を手にする」とプログラムされていたのではないか?といったものです。

私はこの疑問に対し、むしろ登場キャラ全員自我を持っていると考えました。これはモニカ終盤の行動から推測出来ます。例えば暴走したサヨリを消しゲームデータを全て破壊した場面
この時のモニカは文芸部部長の権利をサヨリに譲っているため、もしも部長=自我が芽生えた行動をするという条件に当てはまらずサヨリの決めたスクリプト(主人公とサヨリ二人だけの世界を実現させる)に沿い、たとえ部長の力の残滓を使いゲーム全てを消す事ができたとしてもそれを行使しない筈です。しかし作中ではそれに抗い全てデリートしてしまいました。
ここで私は部長の力=自我を芽生えさせるないし、芽生えたように行動させるものではなく、部長の力=自我を自覚させるものだと考えます。つまるところモニカ サヨリ ユリ ナツキ全員気づいていないだけで自我を持っているのです。

モニカが最後に自分自身を犠牲にしてまで全てを消したのは、部長の力を失ってなお自我を持つ自分の状況から全員自我を持っていると推し量り、無理矢理にでも綺麗な文芸部のまま終わらせようとしたのだと思います。(人形だと思っていた他ヒロインに自我があると知り 今までのドキドキ文芸部世界での生活から友情を感じ、ヒロインとプレイヤーのためを思い、これ以上プレイヤーにヒロイン同士の醜い争いを見せないため)




●EDを歌っている人物
順当にいけばモニカでしょうね。
ピアノを最近始めた設定もあったので最後に弾き語りをプレイヤーに披露したといった所でしょう。
ただ英語なのが残念なところ… そもそもが海外作品なのでしょうがないと言えばしょうがないですが…



[気になった点]
尺の関係でカットされたであろうヒロイン達のトラウマ(鬱、リスカ、虐待等)部分の掘り下げが欲しかったな感
結局このトラウマ周りは匂わせるだけで特になんも無かったわけですしね… 出来ればもう3時間分ぐらいボリュームアップしてモニカがスクリプトをいじる以前の正規ルートを楽しめたら面白いかなと思いました。
3人クリア後モニカに自我が生まれ、サヨリ自殺の流れとか良さそう。


総評
[総評]
少なくとも商業モノだとあまり発売できない冒険設定なので新鮮味があり非常に面白かったです。今までやってなかったのがもったいなかった…
このサークルから新作が出たら絶対にプレイしたいと思うぐらいには良い作品でした!

ATRI 感想

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作品概要・評価点(ネタバレ無)

[作品概要]
フロントウィングと枕が組んで制作された本作品
有名メーカー2つだけあってBGM、グラフィック、システム面などなど ロープラながらフルプラに負けないレベルの完成度を誇っていました。
衰退した近未来の優しい世界観が特徴で非18禁であるため初心者向けであると言えます。


[評価点]
シナリオ:A-
キャラ:A
ビジュアル:S+
世界観:A
演出:B
音楽:B
オススメ度:A

総合点 85点



作品概要・評価点詳細(ネタバレ有)












[評価点詳細]
一部特記すべきと思った評価項目の詳細を書いています。


・シナリオ:A-
AIの自我をベースに人間としての生き方や過去と未来、感情の移り変わりなどのテーマで描かれたストーリー
シリアスなシーンはありますが基本的にネガティブな描写は極力少なめに抑えられており気軽にプレイしやすくなっていました。


・ビジュアル:S+
最も特筆すべきポイントかと思います。
キャラデザは可愛いよりですが塗りは美麗系で、この2つがうまくマッチしたデザインです。
立ち絵と一枚絵のクオリティの差も少なく非18禁なのが悔やまれます…(裸立ち絵とか見てみたかった)


・演出:B
このタイプの作品は過度な演出がお約束みたいな印象でしたが ATRIはそんな事なく水の描写(潜水時や雨など)以外はかなりシンプルな出来でした。
個人的にはアトリが感情を自覚するシーンなどで粋な演出が入ったら良かったかなーとか思ったり思わなかったり…



考察・気になった点

[考察]

●本作のテーマについて
ATRIでは、AIの感情と生きる時間の2つがメインテーマとして語られています。そこで、まずはこれらについて書いて行きたいと思います。


・AIの感情について
この手のジャンルでは最早欠かせないAIに自我はあるのか?といったテーマです。 作中では分かりやすい指標として喜怒哀楽を感じるか?自分で考えて行動する事ができるか?などがありました。

結論から言ってしまうとアトリには自我がありました。まぁここで結局感情の無いロボットでした!みたいな展開になったら大顰蹙でしょうしそりゃそうかといった感じですかね…
喜怒哀楽に関しては、以下のような描写から感じ取る事が出来ます。


喜→主人公との恋が成就した時

怒→主人公や主人公母が傷つけられた時の暴力事件

哀→マスターを失った時

楽→寿命が近づき学校での生活が楽しいと気づいた瞬間


また自分で考えて行動できるかに関しても本編のさまざまな部分での命令違反や意図的な嘘などの部分から分かります。


本編中盤にて主人公がアトリのログを見て全てが経験からの予測行動 プログラムされたものと知り 自我があるかどうかを疑う場面があります。
これに対し自我が無いのにある振りをするロボットの振りだと露見させる事により感情の芽生えを表現(時系列的には作品開始時から自我はあったが読み手への分かりやすい転換部分としての表現)したのは面白かったが、この振りの理由が本人すら感情を自覚せずロボットらしさ発揮するための行動だった点が少しうーんと思いました…
例えば主人公を守るために無意識的にに感情が無い振りをしてたなどの方が展開的には好きだったりします。



・時間について
もう1つのテーマは時間、ここで書く時間とは大きく分けて3つ 「過去」「今」「未来」に関してです。


過去:個を形成するもの、乗り越えるべき壁

今:過去の意味と未来の結果を決める場面

未来:希望、進むべき道


それぞれ、このようなメッセージが込められており作中では基本的に過去<未来<今の順番で素晴らしいものであると描かれていたように感じました。
確かに崩落事故の後遺症やAI暴走事件などの過去は忘れる、乗り越えるべき 「今」この瞬間がずっと続けばいいなどがその最たる例です。
とは言え決して過去を蔑ろにしているわけでは無く、過去があるからこそ生まれたアトリのログは主人公がアトリの感情に気づく所ややトゥルーでの電子世界などで重要なファクターとなっています。

要は、嫌な過去や辛い過去は忘れてもいいが、その他の「過去」は「今」の為に必要なものであり「未来」へ歩むきっかけである。このような事をライターは伝えたかったのだと考えます。




●アトリの願いと幸せとは?
アトリにとっての願いは幼き頃の夢である世界を救う努力する主人公と同じ時間を過ごすことなのだと感じました。
故にその夢を放棄したアトリとその周辺のみを救おうとした主人公を嫌いと称したのでしょう。 つまりアトリにとって主人公が自分と一緒にいる事より世界を救うことの方が重要である事が分かります。 世界=アトリを含むとするなら、より救う者が多い方を選ぶのは当然です。
しかしながら未来を歩むべき主人公にタイムリミットが迫っているアトリは同じように進むことは出来ません。
つまりアトリは主人公とともに歩み幸せを感じる「今」より、自分がいない「未来」を救ってほしいという願いを託したのです。アトリは幸福より主人公と自分の願いを優先度が高いと言えます。


しかしながら物語としてアトリが死に 主人公が未来に向かって歩むENDでは少し後味が悪いです。
そのため最後の1日である「今」を切り取り保存し、主人公が未来を救い終えてから電脳空間で気の済むまで二人で過ごす事でアトリの幸せである2人並んで未来への歩みを進める「今」を擬似的に再現したのでしょう。
このような手法をとりアトリ復活などの御都合主義に走らず幼き主人公の願いを叶え、アトリ目線で見てもハッピーエンドにしたのは流石であると思います。
副題のMy Dear Moment
直訳すると「私の親愛なる瞬間」的にも電脳空間で最後の1日を引き延ばし今この瞬間を永遠に過ごすのは理にかなってENDです。










[気になった点]
やはり非18禁なのと所々の展開が優しすぎるのが気になりました。
特に序盤アトリ→中盤の自我無しアトリの流れに対し、自我無しアトリ→自我自覚アトリへの転換が違和感を感じました。感情を自覚しつつも何処かぎこちなさが残るような喋り方を期待したのですが、即明るいアトリに戻ったのが優しいすぎるなぁ…と思ってしまいます。

非18禁に関してはまぁしょうがない事なので特に触れませんw


総評
[総評]
分かりやすくテーマが示されており理解しやすいシンプルなシナリオ
美麗なグラフィックに使いやすいUIと減点ポイントが少なく優等生的な本作品
中盤見せた不穏な雰囲気がアッサリと分散したのは残念ですが、その点も初心者向けでストレスフリーと考えればむしろ高評価ポイント
最後もテンプレに走らず変わり種で締めくくった所もおもしろいです。
総合的に見たらかなりの良作であると言えます。

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