缶詰少女ノ終末世界感想

作品概要・評価点(ネタバレ無)

 

[作品概要]

アペイリア以降安定しているがイマイチ、パッとしないシルプラの作品

タイトル通り終末がテーマ

 

はるくるで有名な渡辺僚一氏がシナリオ担当しているので、世界観やテキストの癖が強く内容も若干哲学的要素もあったのでプレイする側にあまり優しくない印象を受けました。

 

[評価点]

シナリオ:B+

キャラ:A−

ビジュアル:S

世界観:B

演出:B

音楽:C

オススメ度:C+

 

総合点 73点

 

 

 

作品概要・評価点詳細(ネタバレ有)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[作品概要]

終末がテーマではあるが、終末「後」では無く終末「前」が主軸である事に注意が必要です。作品名だけで、終末後の世界を生き延びる所謂ポストアポカリプス的な作品だと思ってプレイすると肩透かしを食らってしまうやもしれません。

おまけにシナリオ面では、多重人格や並行世界、量子力学的要素など一部難解な部分もあり場面転換も多用されるので考察以前の大まかな話の流れを理解するのにも少々苦労します。

以上の事から作品の完成度が高い割に酷評が見受けられるのも、期待していたテーマで無く理解出来ないシナリオだったのが大きな原因では無いかと予想します。

 

 

 

 

[評価点詳細]

 

・シナリオ:B+

 

竜生九子と呼ばれる現象のうち、殺人を好む「ヤズ」のみ人間は制御出来ていた。

ヤズである「ツバキ」の暗殺をやりやすくするため制御者である「ふるべの会」はツバキの肉体に主人公の人格を誕生させる。

ツバキは自分のもう一つの人格である主人公を愛してしまう。

ツバキはふるべの会を消し自分の人格をも消す事で愛する主人公を自由にさせるために奮闘する。

 

以上が大まかなシナリオの流れ

詳しいシナリオは考察で書こうと思います。

 

 

・キャラ:A−

非常に魅力的なキャラが多く、個別が無いに等しい本作でも十分印象に残っています。

ただしキャラ付けの為に何度も描写されていた(一部伏線)八乙女さんの高身長ネタや辻花のキレ芸などをクドく感じる人もいるかもしれません。

 

 

・ビジュアル:S

クオリティが高く得意分野の塗りでシルプラの本領が十二分に発揮されています。萌え系の原画が端麗な塗りと合わさる事で可愛いとエロのいいとこ取り状態となっていました。

自分は前々からシルプラの塗りは、デフォルメされた絵柄よりも、ななリンあけ怪などのリアル寄り絵柄が合うと考えていましたが、その考えを改めるべきであると感じました。

 

 

・世界観:B

この部分はあまり印象に残りませんでした。設定が世界改変でコロコロ変わるので安定感がありませんし、改変前もごく普通の学園モノです。

 

 

・演出:B

特に変わった演出は無かったように思います。あえて言うなら最後のアルパカぐらいか…

 

 

・音楽:C

これは少し残念でした。元々シルプラは音楽関係には力を入れていないですが、毎作品2〜3つは良いと思えるBGMがありました。しかし本作では印象に残ったものが一つも無く終盤の盛り上がり部分でものっぺりとしたBGMでガッカリしました。

 

 

・オススメ度:C+

難解で少し重いシナリオ

絵柄は可愛いがキャラ目的に買うには、恋愛要素が薄い個別

終末モノでありながら終末後の描写はほぼ皆無

 

上記の事からライターのファン以外は、あまり勧める事が出来ない作品です。

 

 

 

考察・気になった点

 

[考察]

本作でライターが最も伝えたかったのは、「立ち止まっていては、成長が無い」 終末 竜生九子 世界改変は全ておまけであり更沙と主人公の対比これこそ真のメインテーマであると考えました。

ショウズの影響で世界を「閉じる」終末での死を願い、「閉じこめた」食べ物である缶詰を好み、自身の中にツバキを「閉じ込め」最終盤で自身のアパートに主人公と共に「閉じこもった」更沙    

それに対して大陸を「進行」する台風の日に生まれ、藪を切り開き「進む」事を好み、自身の中に「遠きを望む」チフンを宿し、最終盤で閉じこもる更沙を連れ出し外へと「進んだ」主人公

エピローグで缶詰と共に世界を練り歩き更沙を連れ出した台風として宇宙への「進行」を仄めかした主人公これは自分の世界に「閉じこもって」ばかりでは何もなし得ないというメッセージであると思います。また、好んでいた缶詰も終末後の世界で「生きる」為のものであり終末での「死」を望んでいた、更沙の思いの矛盾をついた、自分に正直になれといった思いも込められていると考えました。

 

[気になった点]

八乙女さんの不自然に多い高身長描写(みょーんみょーんと左右に揺れる、メトロノームのように長い体を揺らし、長い手足を伸ばしてなど)が伏線では無かった所    辻花の大声キレ芸や更沙の存在感が薄いこと烏森さんの愛が重いことなど作中でのあからさまなキャラ付けは竜生九子ないし、それに準ずる伏線でしたが八乙女さんの高身長は特に何も無かったのが消化不足感でした。

 

 

総評

[総評]

進行上どうしても展開がブツ切りになりライターの癖や設定で人を選ぶ作品に仕上がってしまった本作……とは言え一度大筋を理解してしまえば細かい伏線も分かりやすいので一言で説明するならば「難解に見えるだけの作品」がピッタリだと思います。

自分はどちらかと言えば合わないタイプだったようなので、点数は70前半と低めです。 正直プレッパーズ部のみんなが核にせよ太陽フレアにせよ滅びた世界で生き延びるポストアポカリプス作品が読みたかったです…

思っていたものと違っただけで作品の出来自体は良作以下凡作以上なのでプレイしてみてもいいかもしれません。(個人的にはあまりオススメはしませんが…)