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黄昏のエロゲ感想

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残念な姉との幸福論 感想(簡易版)

作品概要・評価点(ネタバレ無)

[作品概要]
りびどーそふと処女作 処女作とは、思えない挑戦的な内容で発売当初は盛り上がったとかいないとか…
タイトル通りの姉ゲーで、コメディ寄り プレイ時間短めの作品となっています。

2020年1月3日現在の時点で、DMMにて500円セールをやっているので、気になった方はDL版の購入がオススメ!

[評価点]
シナリオ:B
キャラ:A
ビジュアル:A+
世界観:B+
演出:B
音楽:B
オススメ度:B-

総合点 73点


感想・考察

[感想]

近親相姦について割と突っ込んだシナリオだったなぁ〜といった印象を受けました。基本的にキャラゲーにおける近親相姦シナリオって 血縁や禁忌に触れることがあまり無いんですが、本作は、がっつりメインで語られています。
なんなら寧々ルートに関しては、近親間のタブーが原因でBADENDになってるわけですしね… そんな事情からネットでの評判は賛否両論あるらしいですが、自分的には結構楽しめましたね〜

まぁ評価点高めな理由にはプレイ順番もあるかも… 寧々(BAD)→鈴音(GOOD)じゃなくて逆でやってたら叩いてた可能性もあったかもしれませんw
総合的には良作に2〜3歩届かない佳作といったところですかね〜



[考察]

●本作のテーマ
本作は大きく分けて 「家族」「大人と子供」「禁忌」の3テーマで構成されている作品です。
それぞれ寧々ルートでは禁忌、大人と子供 鈴音ルートでは家族、大人と子供を主題に扱っていました。大人と子供に関しては、両方のルートで扱っているので特にライター的にも特に重要視していた部分なんですかね?
まずは各テーマごとにシナリオを交えて考察していきたいと思います。









●近親相姦の禁忌
寧々ルートではこの点について非常によく語られていました。他ゲーでは近親相姦カミングアウトしても割とすんなり受け入れられていますが、本作では、オヤジに反対され 自宅放火 逃避行 逮捕 姉自殺のコンボでBADENDへと一直線でした。 正直 鈴音ルートで語れるオヤジの過去を知った後だと姉との恋愛で世間の風当たりは尋常じゃないという意見も分からなくても無く、結局 近親相姦は創作物の中だからこそのものなんだというライターの思いが伝わってきたテーマでした。

まぁ だからこそ寧々ルートであれだけ近親相姦ダメ絶対を表現したのに、鈴音ルートではオヤジがアッサリ許可したのが違和感なんですが…










●家族について
これは鈴音ルートで語られていました。寧々ルートの禁忌に比べ こちらはかなり粗雑というか甘っちょろい表現が多かったように感じます。 祖父改心の部分とか…
なので自分的には、もしかしたらライターは寧々と鈴音の対比を描きたかったのかなとか考えたりしました。
甘い考えで、家の前で暴れるだったが、家族を信じたから問題が全て解決した鈴音と 子供なりに努力を尽くしたけど弟しか信じなかったせいで、全てを失った寧々
一般的には、家族を守り自分そ犠牲にする姉の方が、家族を焼き殺す姉よりも好感度高いですし、幸せになるべきといった意見が大半でしょうし、薄っぺらい家族愛をテーマにシナリオを書くことで寧々に対する因果応報を表現したかったのかな?と考えてしまいました。
正直これぐらい裏を読みたくなるぐらい、禁忌に比べ家族のテーマ描写は微妙でした…










●大人と子供について
子供は夢を見るもので、大人は夢を諦めるもの、本作では、このように語られています。 つまり、夢を諦めた時点で子供は大人へと変わるわけです。
子供には夢を叶える力など無く、力を手に入れた頃には、諦める大人へと変わってしまっている、つまりは夢など簡単には叶わない 所詮はガキのたわごとというわけです。

ですが、寧々 鈴音の2人はそれぞれのルートにて願いを叶えています。 寧々の願いは弟くんと一緒にいること、鈴音の願いは再度家族が一緒になることです。
なぜ簡単には叶えられない子供の夢を2人は叶える事が出来たのか、それは子供のままでいたからです。
言ってしまえば当たり前ですが、子供のままでいたから子供の夢を叶えられたのです。つまりこのテーマにおける本質とは、夢を叶えたかったら諦める大人にならずに、子供のままでいろよと つまりはそういうわけだと私は感じました。

補足として 寧々ルートは主人公と一緒にいられなかっただろ!という意見もあると思う方もいるかもしれませんが、手紙の呪い 主人公に対する彼女作るの 死んだ自分だけを思い続けろ等の思いの枷であれ以降主人公の心に寧々は残り続けたでしょうし結果的に願いは叶ったものして自分は扱いました。











●寧々と鈴音
家族のテーマ考察でも少し触れましたが本作では両姉の待遇がまるで真逆です。
かたやご都合ハッピー かたや自殺BADなのでその違いは一目瞭然です。
何故ライターはこのような真似をしたのか、それは幸福について描きたかったのだと思いした。
タイトルにあるとうり、これは姉との幸福についてを描いた作品です。つまりは鈴音は勿論の事 寧々にとっても自殺ENDは幸せであったというわけです。
自らが自殺する事で絶対に解かれる事ない枷を弟にかし、死ぬまで一生心の中にに残り続ける、鈴音ルートのような普通の終わりでは、ここまで強烈に主人公を縛り付けることは出来なかったでしょう。だからこそあのENDは寧々にとっての幸福論だというわけです。
現に他の方の感想で触れられているのも寧々ルートが多いですし、記憶に残り続けるといった意味ではこれ以上ない程に良いシナリオだと思います。

エロゲ批評空間にてパッケージ絵で2人の表情の違いについて書かれた感想がありました。

プレイ後に相反する2人の顔を見て何を思うかは、人によって違うと思いますが 私は、両人とも自分の選んだ道に後悔は無い、これが私の最大の幸福だ…
そんな思いが伝わってくる表情に見えました。





総評
[総評]
全体的には、あまり評価が高くなるような作品では、ありませんでした。 地雷という評価も適正かもしれません。
ですが、この明らかにウケる人を絞ったシナリオは、プレイした人の心に残ります。人には勧めづらい作品ですが、個人的には十分楽しめました。

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