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スカーレット 感想

作品概要・評価点(ネタバレ無)

[作品概要]
日常に焦点を当てたシナリオが目立つねこねこソフトの中で非日常をテーマに描かれた比較的珍しいと思われる本作品

設定もハードボイルド系の映画にあってもおかしくないようなもので、退屈に感じるシーンの少ないエンタメ性の高いストーリーです。 それ故にねこ作品の中でも知名度が特に高く人気のあるタイトルと言えるでしょう。


[評価点]
シナリオ:A+
キャラ:A
ビジュアル:B+
世界観:A
演出:B
音楽:B
オススメ度:A

総合点 79点



作品概要・評価点詳細(ネタバレ有)












[評価点詳細]
一部特記すべきと思った評価項目の詳細を書いています。


・シナリオ:A+
当たり前の大切さといった人によっては助長に感じがちのテーマを取っ付き易く描いた良シナリオ
日常の対となる非日常を避けるべき障害では無く 表面上はアニメや漫画のような若者が憧れる世界としていたのは非常に高評価ポイントです。


・キャラ:A
やや短めの割に人数が多いので掘り下げが足りないキャラもややいますが、それを考慮しても十分魅力的です。
ちなみに自分のお気に入りはナセルとしずかでしかね〜


・オススメ度:A
思い立ったように始めても、腰を据えて始めても楽しめる作品なのでかなりオススメできます。



考察・気になった点

[考察]

●スカーレットにおける非日常
主軸となるテーマは「当たり前の日常のありがたみ」です。同メーカーのラムネなどでは、事故という非日常を用いて日常を壊し、当たり前を失う事でありがたみを表現していました。 この手法は後々の作品にも使われています。

一方でスカーレットに関しては少し違い非日常を「憧れや退屈しない世界」として描かれています。事実主人公である明人は自ら非日常の世界へと進んでいます。 この序盤での出来事が本作における重要なポイントとして最終盤まで深く関係していきます。





●スカーレットにおける日常
非日常が一般人による憧れの存在ならば「日常」は、しずか・九郎といった高級諜報員やエレナ・イリカといった重病人などの人達が求める幸せとして描かれています。
この事は3、4章にて重点的に描写されていました。





●日常と非日常の対比
上で説明した通りスカーレット内では「日常と非日常」を片や憧れ 片や得られぬ幸せへの渇望と設定しています。
これをシンプルに考えるならば非日常を求める者は今ある幸せを理解せずに一時の感情で平和を捨てるという事になります。
しかしながら、主人公である明人も最後にはしずかと共に捨てたはずの日常を選択しています。つまりライターにとって結局日常の幸せとは、それを失って初めて分かる幸せだと言いたいのだと思います。これは初めに触れたラムネと結局は同じ結論であると言えます。


この結論でいくと非日常の世界に身を置き続ける事にした九郎は幸せを知らぬままになってしまいます。

果たしてそうでしょうか?
自身も作中にて発言しているように九郎は生まれながらの諜報員で、ある程度成長してから別当家に入ったしずかや一般人の憧れから弟子入りした明人とは全く別物です。
つまり九郎にとっては非日常こそが日常であり本人が気づいていないだけで既に当たり前の幸せに身を置いているのだと私は考えました。




●しずかとイリカの違い
メインテーマとは少しズレますが、3章にてクローン問題についても書かれていました。 クローンで生まれた子供に人権はあるのか、オリジナルのコピーでしか無いのかといった点です。

率直に言うと、この問題は否定されています。レオンがしずかの臓器を使えなかった事からも明らかです。
何よりキャラの時点からエレナ イリカペアとしずかは大きく差別かされてデザインされています。(二人に比べて強気な性格、凹凸の少ないひんぬー体系、ショートカットなどなど)

よってライターはしずかをイリカとは全く別の人間だと捉えていると考えられます。






[気になった点]
物語序盤 主人公が学校へと復帰した際、しずかと同じ金髪の少女に声をかけています。 わざわざ立ち絵を出してまでの演出だったのでのちに関係してくると思いきや、なんの伏線回収も無かったので少し気になりました。 なんだったんですかね?



総評
[総評]
全体的に少し短めで諜報員パート掘り下げに甘い部分があること以外は高水準に仕上がった作品です。
ねこ作品の中でもかなりとっつき易い方だとは思うので、初心者にもオススメできます。
ただ個人的にはもう少し、テキストに片岡ともさんらしさを出しても良かったかな〜っといった感じです。エンタメ性を高めるためにあの独特の雰囲気を犠牲にしているように感じました。
無人島パートでは所々らしさが見受けられたのでこの場面をもう少し長くしてくれたら大満足のいく出来栄えであったと言い切れたと思います。好みドストライクにはあと一歩及ばずといったところ 残念…

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