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黄昏のエロゲ感想

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ドキドキ文芸部 感想

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作品概要・評価点(ネタバレ無)

[作品概要]


[評価点]
シナリオ:A+
キャラ:B-
ビジュアル:B+
世界観:B
演出:S+
音楽:B
オススメ度:A

総合点 80点



作品概要・評価点詳細(ネタバレ有)












[作品概要]
海外で制作されたギャルゲー
1番特筆すべき点は、物語中盤から一気に方向性がガラリと変わる部分です。所謂上げて落とす手法が使われておりごく普通のギャルゲーだと思ってプレイした人ほどショックが大きい作品です。
もっともリリース開始直後に話題になった上これだけ期間が経った後 ホラーであることを意識せずやる人もいないと思いますが…
個人的な感想としては、非常に面白かったのでボリュームアップ版なんかをやってみたいかな〜とか思ったりします。



[評価点詳細]

・シナリオ:A+
良くも悪くもパンチが効いたシナリオです。人によって合う合わないはあれど最初から覚悟して始める事さえできれば大半の人は楽しめる内容だと思います。
特にホラー面に関してはかなりの高水準を叩き出していると言えます。

・演出:S+
本作でもっとも評価できるポイント
自分が深夜にやった事も作用しているとは思いますが、それを加味したとしても、かなりレベルが高いです。
緩急を意識してプレイヤー側が油断した時を見計らったかのようなタイミングでの演出は目を見張るものがありました。


考察・気になった点

[考察]


●ドキドキ文芸部という世界
本作におけるドキドキ文芸部とは主人公(プレイヤー)に恋するようにプログラムされた3人のヒロイン+モニカからなるゲームの世界として描かれています。
その為、どれだけ頑張ったとしてもモニカは主人公と結ばれない訳ですし、ヒロイン達はは物語が進むに連れて主人公と惹かれ合います。
これが本作における絶対的な条件として終盤まで関係してきます。





●モニカについて
上で説明した世界の絶対条件を壊そうとしたのが他でも無いサブキャラのモニカです。
モニカは現実世界(プレイヤーの操作するPC)のスクリプトを弄る事によりキャラの性格を変える、キャラそのもの存在を消す、進行しているストーリーの全容を把握するなどなどドキドキ文芸部の世界における神のような力を持っています。
ではなぜモニカは世界を壊そうとしたのでしょうか?答えは単純で、プレイヤーと自分以外はプログラムされた人形でしか無いと気づき更に自分がサブキャラで唯一自分と同じ確立された自己を持っているプレイヤーと結ばれる事が無いと知ったからです。


ここで文芸部部長の力について触れておきます。

◎文芸部部長の力について
大雑把に言ってしまうと、「ドキドキ文芸部」というゲームのスクリプトを弄る事が出来る能力です。自我の芽生えはこの力に付属する現象だと考えられます。

つまり作中の出来事(サヨリの消滅、キャラの過剰な性格変化、バグ、ユリの自殺等々)はモニカの力では無く、文芸部部長の力によるものだと言えます。
この事はモニカ消失後 サヨリが部長になった世界線での描写(サヨリスクリプトを弄り主人公と二人だけになろうとした場面)から推測する事が出来ます。





●ヒロイン達の自我について
これまでの考察で述べてきた事象はモニカ及びサヨリが自我を持ったため起きたものです。

ここで本当に文芸部部長は自我を持っていたのかという疑問が浮かびます。
要は「文芸部部長になった者は自我が芽生えたかのように振る舞いスクリプトを変更出来る能力を手にする」とプログラムされていたのではないか?といったものです。

私はこの疑問に対し、むしろ登場キャラ全員自我を持っていると考えました。これはモニカ終盤の行動から推測出来ます。例えば暴走したサヨリを消しゲームデータを全て破壊した場面
この時のモニカは文芸部部長の権利をサヨリに譲っているため、もしも部長=自我が芽生えた行動をするという条件に当てはまらずサヨリの決めたスクリプト(主人公とサヨリ二人だけの世界を実現させる)に沿い、たとえ部長の力の残滓を使いゲーム全てを消す事ができたとしてもそれを行使しない筈です。しかし作中ではそれに抗い全てデリートしてしまいました。
ここで私は部長の力=自我を芽生えさせるないし、芽生えたように行動させるものではなく、部長の力=自我を自覚させるものだと考えます。つまるところモニカ サヨリ ユリ ナツキ全員気づいていないだけで自我を持っているのです。

モニカが最後に自分自身を犠牲にしてまで全てを消したのは、部長の力を失ってなお自我を持つ自分の状況から全員自我を持っていると推し量り、無理矢理にでも綺麗な文芸部のまま終わらせようとしたのだと思います。(人形だと思っていた他ヒロインに自我があると知り 今までのドキドキ文芸部世界での生活から友情を感じ、ヒロインとプレイヤーのためを思い、これ以上プレイヤーにヒロイン同士の醜い争いを見せないため)




●EDを歌っている人物
順当にいけばモニカでしょうね。
ピアノを最近始めた設定もあったので最後に弾き語りをプレイヤーに披露したといった所でしょう。
ただ英語なのが残念なところ… そもそもが海外作品なのでしょうがないと言えばしょうがないですが…



[気になった点]
尺の関係でカットされたであろうヒロイン達のトラウマ(鬱、リスカ、虐待等)部分の掘り下げが欲しかったな感
結局このトラウマ周りは匂わせるだけで特になんも無かったわけですしね… 出来ればもう3時間分ぐらいボリュームアップしてモニカがスクリプトをいじる以前の正規ルートを楽しめたら面白いかなと思いました。
3人クリア後モニカに自我が生まれ、サヨリ自殺の流れとか良さそう。


総評
[総評]
少なくとも商業モノだとあまり発売できない冒険設定なので新鮮味があり非常に面白かったです。今までやってなかったのがもったいなかった…
このサークルから新作が出たら絶対にプレイしたいと思うぐらいには良い作品でした!

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