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さくらの雲 スカァレットの恋 感想

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一部アメグレのネタバレがあります。


作品概要・評価点(ネタバレ無)

[作品概要]


[評価点]
シナリオ:S
キャラ:A
ビジュアル:S
世界観:A
演出:B
音楽:B+
オススメ度:A

総合点 82点



考察

叙述トリックについて
さくらの雲スカァレットの恋(以下さくレット)では起承転結の転にあたる部分、所謂どんでん返しシーンがいくつかあるのですが、その中の1つに叙述トリックというものが使われています。
エロゲという媒体上、読み手側が情報を知り得るにはテキストからが大部分となります。その為 他作品でも叙述トリックは多用されていますが、さくレットではメタ的な視点から騙す手法がとられておりとても関心させられました。

「メタ的視点からの手法とは何か? 」
答えは単純でプレイヤーが2020年現在をリアルタイムで生きている事を前提としたトリックの事です。キャラが第三の壁を破って実際に現実に干渉してくるわけでは無いのであくまでメタ(的)要素でしかありませんがコレは騙されました。

ストーリーに則り説明するならば、主人公である司は100年の時を遡り1920年に来たわけですが、作品全体を通して未来の世界についての描写はあまりなく不透明な状態が続きます。
しかし読んでいてそれ対し違和を感じることなく進められます。それはなぜか?
読み手側が勝手に司のいた時代=自分が今実際に生きている時代と同じと解釈してしまうからです。その決めつけを利用し令和2年を戦争の真っ只中である桜雲2年にする事で叙述トリックとして利用したのです。
一応は未来が現実の令和2年とは異なる事や司が軍人である事の伏線(スカイツリー→スカイタワーやHシーンでも手袋をしている点など)もありますが、まぁ気付かず読み飛ばしていたり、変だと思っても重要視しなかったりするような細かい描写なので、引っかかる人はそこそこいると思います。

実際自分も司が未来について何か隠している事は察せましたが、それはあくまで司個人に対する事象であり世界観そのものに影響する事だとは思っていなかったので驚かされました。
ライターの思惑通り 完全に令和2年を司のいた未来だと思いこんでましたw





●重要な伏線について
本作における重要な伏線は



「主人公の義手及び正体」
殆どのCGで素手が写らないことや(Hシーン含め)ナリゴンに対する格闘技を仕掛けようとする描写など分かりやすく示されていたと思います。

また加藤との初対面時での肝の据わりようなどは自分も不可解なものを感じて以下のようにツイートしています。

勿論ツイートした当時は主人公がごく普通の学生だと思っていたわけですが、軍人設定であればある程度冷静な判断が出来るのも納得です。



「2020年の世界」
本作のトリック部分の要ですが、義手関係の伏線ありきというか…
主人公軍人設定→2020年は戦争時代と繋がってくるので、シンプルに2020年に関しての伏線は少なかったように思えます。
まぁコレに関しては第三次世界大戦としてひとまとまりにした感じですかね〜



「メリッサの異能」
こちらは、加藤=異能力者のミスリードを狙った設定なので中盤まで分かりやすい伏線は少なめでした。
とはいえ、メリッサルートに入って透視能力者の逸話が登場し、おまけにその正体が分からないとくれば物語序盤にアララギの「帝都には少なくとも一人本物の能力者がいる」発言から メリッサ=本物の能力者を推測出来る方も多そうです。
因みに自分は件のアララギの発言を完全に忘れていたので全く察することができませんでしたw



「加藤と万斉の関係性」
他の設定に比べてぽっと出というか、トムさんの特徴である後々思い起こすと分かりやすいと伏線といった描写が少なかったように感じます。
敢えて挙げるとすればリーメイに対し万斉が言った「ハセクラじゃなくて志倉だよ」発言ぐらいですかね…
アメグレでも某キャラ2人の関係性に関しては伏線が少なかったので、元々その手の人間関係の描写を仕込むのが苦手なんですかね…



「その他大筋に関係性が低い伏線」
上記の大きな伏線以外にも細かいものがいくつもあり、それらも割と回収されていました。
一例を挙げるなら遠子の目に見える物だけが真実とは限らない発言に所長が反応していたところなんかですね。
コレは所長ルートにて一年前に遠子が依頼した探偵=所長の師匠だと判明する伏線です。 しかしながらハッキリ言って大筋とは関係ないので描写する必要もあまり無いですが、このような細々とした部分にも気配りがされているのは良いですね。





●伏線周りを総合的に見て
叙述トリックの意表の付き具合はアメグレを超えていると言えます。単純にアメグレ後の作品でみんなが見破ってやろうとプレイする上でのこの仕組みは凄いです…
ですが総合的に見ると、どうしてもアメグレより一歩劣ると感じてしまいます。

これはさくレットという作品に大筋となる目的が読み手側に示されていない事が原因であると思いました。
アメグレのようなアポカリプスを止めるという目的が本作には無いのです。
一応地震を止める、未来へ帰るなどはありますが、ループするたびに主人公は記憶を失うのでその意思も感じづらいです。(未来へ帰る事は根幹となる部分に関わってくるので描写が少ないのはしょうがないが…)

その為最期の大どんでん返しシーンも盛り上がりづらい訳です。
アメグレのように段々と謎が解けていき主人公たちの目的達成間際になった最高潮のシーンでの叙述トリックの答え合わせこれは燃えます。
しかしさくレットは何を主軸にして作品を読めば良いのか一本筋の通ったものが無いので肝心の解決編も驚き度多くとも盛り上がり度は少ない訳です。

肝心の伏線回収やトリックは最高クオリティなので一定以上の面白さが確立されているだけに残念です。
個人的には、この主人公一派の目的意識さえしっかりすればアメグレを超えるシナリオになった可能性もありえたと思います。





総評
[総評]
●伏線周りを総合的に見てでは割と酷評しましたが、全てを含めて評価するなら十分名作と言えます。2020年の中でもトップクラスに面白い作品ですし、気になった人は絶対にやるべきだと思います。
もっともこの記事読む人はプレイ済みばかりなので意味ないと思いますが…w

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