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黄昏のエロゲ感想

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仄暗き時の果てより 感想

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作品概要・評価点(ネタバレ無)

[作品概要]
ここ数年で復活したムーンストーンのシリアスもの ライターはお馴染みの呉氏です。
所謂 勝負してるシナリオでラストのトゥルーENDまで進めてもおおっぴらにハッピーENDとは言えない終わり方でした。 基本的にシリアスと言えど、最後の最後には綺麗に締めるシナリオが多い呉氏としては珍しいかもですね。明日出逢った少女ですら、それなりにスッキリした終わりかただったのに対して本作はかなり後味悪いというか消化不良感凄かったです…


[評価点]
シナリオ:B-
キャラ:A
ビジュアル:A+
世界観:A
演出:B
音楽:B+
オススメ度:B+

総合点 73点



考察

元ネタについて
本作は、ラヴクラフト著の小説「クトゥルーの呼び声」及びそこから派生した2次創作「クトゥルフ神話」をオマージュした作品となっています。
自分自身はクトゥルフ神話に関する知識はほぼゼロに等しいですが、それでも要所要所で元ネタがクトゥルフなんだろうなと思える描写を感じ取る事が出来ました。

基本的に元ネタありきでシナリオが作られているので、注意が必要かもしれません、今回はできる限り考察を書いていきますが、なにぶんほんとうに知識皆無なのでご了承を…










構成について
本作は大きく分けて4つのパートで進んでいきます。

まず始めが「ゾンビ編」
序盤のいきなりゾンビに襲われ、主人公が最初のループをするまでの部分です。変にこんがらがって無い分 シンプルなパニックホラー的な面白さがありました。


次が「ゾンビ事件解決編」
ループを繰り返して、事件が起きたきっかけや根本的解決策を主人公が探していく部分、このパートは古きものや、ショゴスクトゥルフモチーフの設定が多く出てきていました。


続いて「ヒロイン個別ルート編」
ヒロインである、恵里と駒子の個別ルート部分 基本的にはイチャラブ Hシーンメインでヒロイン毎のシナリオ変化は殆どありません。 終わり方もほぼ一緒でした。


最後が一番難解だった「由乃視点編」
ぶっちゃけ説明不足の上 世界線もめちゃくちゃなので下手な考察になってしまう事が分かりきってますが、 今回はこのパートをメインに書いて行きたいと思います。









世界線の整理
本編で、由乃はいくつもの世界線移動をしており、無数に可能性があることを示唆されていますが、ここではその中でも重要な世界線を確認していきます。


① 京子失踪世界線
京子が主人公を殺して失踪する世界線



由乃死亡世界線
由乃がキノコ採りの際 事故で死んでしまった世界線
①とは逆で京子を殺す事で主人公が生き延びている。


③ 本編世界線
メインとなる世界線でゾンビ編、ゾンビ解決編、個別ルートの舞台となる時間軸です。
終盤で分かるがいくつもの時間が絡まっており、可能性が収束するまでは、京子が死んでいるし失踪している、由乃も死んでいるし生きている等 不可解な認識となる。


④ オリジナル由乃世界線
③の世界を作るきっかけとなった、由乃が誕生した世界線
この世界の由乃は京子と見た目が似ており、康という生まれてこなかった兄の存在を認知している。京子はこの時間軸でも康一と付き合っている描写がある為、康≠康一となる。



・整理
③の世界は、①と②が混ざりあっていると推測できる。(描写的にもっと多くの世界が混じり合っているとは思うが、恐らく主となっているのは、この2つ)
①では主人公が②では、京子と由乃が死んでいる、その為京子の生死、由乃の生死、主人公の生死がルートによってあやふやになっていると言える。










本編世界線を作るまでの流れ
世界線移動の能力を持った由乃(京子と似ている)誕生 兄である康は誕生せず

生まれてくる筈の兄を心の底で気にかけながら、転校してきた京子と仲良くなる

京子 康一を殺し失踪(康一≠康)

親友を失ってしまい心の隙間を埋めるために世界線移動開始

様々な可能性を見るが、どんな世界でも自分が兄と共に存在する世界線は無いとしる。(ただし由乃の見た目が京子と似ていない場合は存在可能)

どんどんと共存できない兄に対しての思いが強くなる

①である京子失踪世界線へと飛び 失踪する前の京子を食べて恋心を手に入れる。

①の世界を元に本編世界線である③を作成

以後本編



・整理
まず条件として、康と由乃(京子似)は同時に存在できない・康一と康は全く別の人間というものがあります。

これは本編世界線でも絶対的であると考えると、由乃は自分の兄とは全く関係の無い主人公(康一)と思い合っていることになり、これでは生まれてこなかった兄に対する思いが大きくなっていった事と矛盾してしまいます。
そこでいくつかの説を考えてみました。



説①
主人公≠康、主人公=康一とする。
オリジナルの由乃が生まれた世界線の時点で、既に兄とは全く関係の無い康一に惹かれていたというもの。
本編世界線由乃は主人公と兄妹では無い発言していたので、可能性は十分ある説。


説②
主人公=康とする。
宿った肉体が由乃(京子似では無い)説
正直本作のテキストのみだと由乃キャラデザ(銀髪ver)が京子似として扱われているのか、扱われていないのか分かりません。 もしも銀髪由乃が京子似では無い方の由乃だとするならば、精神は兎も角肉体は由乃なので、康との共存も可能となる。
しかしこれでは、本編主人公がオリジナル由乃世界線の記憶を持っている説明にならない。


説③
主人公=康=康一とする。
由乃(京子似では無い)に由乃(京子似)の精神が宿り、なおかつ主人公は、康と康一の混じり合った存在とする説

これならば肉体は、由乃(京子似では無い)なので康と共存でき、主人公がオリジナル世界線の記憶、そして康として成長して由乃(京子似では無い)の事故を防げなかった記憶を持つことが可能
しかし、由乃の主人公とは兄妹では無い発言と矛盾が生じる。



・まとめ
やはり一番可能性あるのが説①ですかね〜
要約するなら他人の彼氏に対して勝手に亡き兄の面影を重ねて、運命の人認定するメンヘラって事になっちゃいますねw
京子を食ったのも、本当の意味で康一に恋をしたかったからだと説明つきますし。












由乃の正体について
最後に散々本編で暴れていた由乃の正体についてです。

クトゥルフ神話の古きものの中の誰かなんでしょうけど、先にも書いた通りなにぶん知識が少ないですが、自分なりに軽く調べた結果、時間跳躍というのは、古きものの中でも行使できものが少ないらしいです。
そしてその中でも、特に力が強いのは(描写的に同じ古きもの同士だと思われる京子より格上と予想)ニャルラトホテプと呼ばれる神だとか…
こちらはニャル子様というアニメのヒロイン枠でもあり知名度も抜群なのでモチーフにするのはピッタリです。可能性としては結構高いと思われ……










総評
[総評]
本当 終盤に行くほど難しくなっていってオチもスッキリしたものでは無いんですが、どこか惹きつけるものがある作品でした。全体のダークな雰囲気とキャッチーなゾンビものスタートが良かったのかな?

決して大手を振って勧められるストーリーでは無いですけど、個人的には飽きずに進められて考察も面白かったんで大満足です。

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