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アサガオは夜を識らない 感想

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作品概要・評価点(ネタバレ無)

[作品概要]
ブランドMELLOWの2作品目
発売前から雰囲気の良さげなパケ絵&設定、タイトルのオシャレさ、体験版部分ラストの引き等 売れるだろうなと思わせる部分がチラチラ見受けられ実際それなりに話題になっている本作(飛び入りでゆずが来なければもっと話題になった筈ですが…)
少年犯罪をモチーフにしたクローズドサークルモノでありがちと言えばありがちですが、若干の描写不足はあれど全体的に纏まった出来であると感じました。
実際発売後もそこそこの評価を得ており個人的にも次回作に割と期待してます。


[評価点]
シナリオ:A-
キャラ:B+
ビジュアル:S
世界観:A
演出:B
音楽:B
オススメ度:A

総合点 73点



感想
まず一番印象に残ったのはエッチシーンの多さですかね〜 総プレイ時間10時間程度とロープラ相応のボリュームですが、3キャラ×5シーン 合計15シーンと抜きゲーとまでは言いませんが、シナリオゲー扱いするには些か多すぎるかなと感じましたね。
と言っても、シナリオ部分も決しておざなりにしてる訳でも無く普通に楽しめたのは良かったですね。そこまで描写が濃かったとも思えないので構成やらストーリー展開が上手かったんだと思います。
重要なテーマである犯罪や精神障害に関しても死性愛、麻薬中毒、教唆犯、偏執病、尊属殺人とバリエーションに富んでいたのも良かったですね、特に少年犯罪としては最もインパクトの強い殺人を行ったのが主人公とメインヒロインのアサガオ、序盤から暗躍していた夜葉の3人と安売りし過ぎていないのも良いです。

あと印象深かったのはやはりラストのENDですね。明らかに主人公死亡ENDを正史 トゥルー扱いしていましたし、そう言った意味ではよくぞ日和らずに踏み切ってくれたなと思わせてくれました。



考察

テーマについて
本作のテーマは、少年犯罪と精神障害
特にアサガオの障碍である死性愛についてピックアップして描かれていました。

しかしながらアサガオ以外はやはり描写不足が目立ち、小鳥なんかは薬物に手を出した理由や生い立ち その後の立ち直りなどが比較的わかりやすく明記されていましたが、みこに関しては掘り下げが全然足りていないまま終了してしまっています。教唆犯とは言いますが、具体的にどのような事件を起こしたにか不明で偏執病の根本も結局父親が原因だったのか判明せず、名前を呼んだだけで本当に治っているのかも怪しいですね。
その他 主人公や奏楽、村崎、夜葉、院長等の精神障害に関してももっと詳しく書いてほしかったですかね。












少年犯罪について
あからさまにケーキを切れない少年たちを意識しているように思えました。実際に作中でもアサガオがケーキを人数分切れないシーンがありましたし、院長の考えである善悪の区別をする思考能力すら無いから締め付け統一するしかないという考えなどからも伺えます。

実際にラスト1〜3寮が一斉に暴動を起こした際も院長失脚が目的なのにそれを理解できず緑華を襲う場面などもある事からライター的にもある程度院長の考えに賛同する面があったのだと思います。

しかしながら最終的には院長は没落、締め付けの無くなった事でヒロイン達はそれぞれの夢を叶えている事からも、思考能力を放棄させるのではなく個々の成長を促すのが正しいとして物語を締めています。(ストーリー的にその方がスッキリするかもしれませんが…院長失脚の描写が極端に少なかったのは思考能力の欠如を否定し切れなかったから?)












精神障害について
精神障害については一貫して治せるものとして描かれていました。実際小鳥の麻薬障害も、みこの偏執病も、主人公の尊属殺人による記憶障害も作中で全て解決しています。

ただしアサガオは別です。上記3名は後天的な障害(院長が認めていなかったので偏執病が後天的なものとは言い切れませんが、まぁ十中八九そうでしょう。)なのに対し死性愛は先天的なものであり同性愛、異性愛などと同じ性的嗜好なので治る治らない以前の問題なんですよね。 トゥルーでも治ったのではなく欲求が満たされただけですし。緑華も直るようなものでは無いとハッキリ明言しています。ここからも分かりますけど、主人公卒業ENDでも遅かれ早かれアサガオは殺人をするでしょうね…









タイトルについて
終盤アサガオが死性愛者 好意を持つものが死近づけば近づくほど幸福を感じる障害だと判明してからは怒涛の展開でラストの主人公死亡ENDまで持っていきますが、タイトル回収もこの部分で行われています。
アサガオは夜(愛)を識らない、死性愛者であるアサガオは好きな人を殺さない限りは愛を知らず、ラストで思い人である主人公を殺すことで初めて夜(愛)を知ることとなります。最後の花束に入っている赤いガーベラの花言葉が「燃える神秘の愛」であり主人公とアサガオの愛の深さを表しているのも良いですね!
墓参りに洋花のガーベラ 特に赤い色を選ぶのはあまり一般的とは言い難いので深読みとかではない筈…です。

シンプルかつテーマに沿った良いストーリー展開ですが一つ思った事があります。それが夜=愛とした理由です。率直に考えるなら朝顔が夜になると花の蕾を閉じる事と殺人を起こすまでは愛を知ることが無いアサガオを掛けているのだとは思いますが、それだけでは、何だか弱い気がしますよね…
例えばアサガオが暗所恐怖症も発症していて夜に出歩けないとかの設定が有れば納得するんですけど、そんな事もないですしね…(独房行きになって1ヶ月暗闇の中にいた過去があるんですから、簡単にシナリオに組み込めると思うんですけどね…)











総評
[総評]
設定や世界観 テーマ性は特徴がありストーリーもそこそこ良くエッチシーンも充実 値段も安くてキャラデザのクオリティも高いと良い部分は沢山あり比較的オススメしやすい本作品

ただどうしても身構えてしまうパッケージと公式サイトなので期待しすぎると肩透かしとまではいかないにしてもモヤモヤするかもしれないです。体験版部分終了からのOPが文字通り神がかっているのも要因の一つですかね…
肩肘張らずラフな気持ちでプレイすると良いんじゃないかなと思います。総合的には良作寄りの佳作ってとこですね〜

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