収穫の十二月 感想
(はじめに・評価点)
[はじめに]
今回自分は収穫の十二月という作品をプレイするにあたり、リアル月と同時並行で進めるという方法をとりました。収穫の十二月は12月に、次に境域の一月は1月にといった具合に2020年12月〜2021年12月の1年間をかけて本作をクリアしました。
よって感想などもそれも考慮して書いていきたいと思います。ご了承ください。
ーーー以下評価点ですーーー
[評価点]
シナリオ:B+
キャラ:A
ビジュアル:B
世界観:A
演出:B-
音楽:S
オススメ度:B+
総合点 76点
(感想)
ネット上では割と高評価を受けている本作ですが、プレイし終わった感想としては、ぼちぼちかなぁといった感じでした。これに関しては、1年間かけてしまったが故の弊害ですかね…
一気にやると勢いでグワーっと盛り上げてくれるんでプレイ直後は評価点高くなりがちですが、今回はそれが無いですからね…
でも逆を言えばBGMやキャラの心理描写の動きなどは冷静に見てもかなりクオリティが良いのがわかります。特にBGMは下手な商業作品よりも個人的には刺さりましたね〜 一番好きなのは冬編ラストに流れたあの曲
詳しくは、考察にて…
(考察)
⚫︎テーマについて
結構この手の作品って分かりやすい主題がドカンと提示されてるもんですけど、収穫の十二月にはそれが無いんですよね…少なくとも自分は思い浮かびませんでした。
そもそもが色んな登場人物がいて月毎にストーリーの雰囲気も違って神やら科学やらバトルやらごっちゃになってるんで、その上で主軸を作れっていっても難しい相談ですよね〜
そこで自分が思ったのが、このごった煮こそテーマなんじゃないかって部分です。メインの登場キャラである主人公 学生たちのリアルにテーマなんぞ無いし何が起きても不思議では無いってわけですね。
そして最後そのごった煮である救えない現実を主人公がぶっ壊す事でラストである収斂の十二月のみ、「完全なハッピーエンド」という現実的では無いリアリティの無いテーマを作り締めとしたのだと私は考えました。
⚫︎テキストについて
少し分かりにくい…というか独特のテキストでした。
重要な部分や心理描写をあまりこと細かに描かないきらいが本作のライターにはあります。例を挙げるなら蒼との過去やら主人公の思惑なんかですかね。特に主人公はマジで何考えて行動してんだか分かりませんしシーンによって底が見えなかったり、ただの学生だったり、ヘタレだったりして安定感にかけています。
この辺りをもう少しどうにかしてくれればなぁとは思いました。
⚫︎柾木と耕平について
主人公である柾木とある意味第二の主人公と読んでも差し支えない耕平、この二人は意図的に相反する存在として表現されていました。
物語の開始直後に雪&白と付き合った柾木
最後の最後でようやく早苗に告白した耕平
頭脳担当 柾木
体力担当 耕平
彼女に抑え込まれたい柾木
彼女を支えたい耕平
このようにパッと考えてもいくつかあります。
しかしながら自分は、これの意図がちょっとよく分からなかったんですよね…なんのために真逆にしたのか、ストーリーのアクセントにしてもあからさまですし…ちょっと自分では分からなかったですね。
⚫︎1年間かけてプレイした感想
最後にリアル月同時進行で進めた事によるメリット…というか感じた事をまとめてみます。
まず思ったのは、時間をかけると慌ただしくないなって事ですね。基本本作って1エピソード 1〜2時間ぐらいで終わって全体だと15〜20時間で比較的短めのなんですけどポンポンキャラ しかも再登場しないような子も出てくるんですよね… 一気にやるとそれが気になるかもですね〜
冬編終わったと思ったら蒼登場 まよい登場 早苗のライバルも登場と。。。
その点毎月1エピソードだと蒼が出た時もおぉテコ入れキャラかーみたいに余裕持って考えられましたね。ほかにも耕平が早苗から貰ってたチョコレートを結構後半(8月ぐらいだったかな?)までとっていて主人公がまだとってんのかよそんなんあったな的なツッコミするんですけど、この時 読み手の私も主人公と全く同じ、あぁあったなそんなエピソードみたいな感情を抱けるんですよね。この点は凄い良かったです。
あとはBGMなんかも印象変わるかもですね。冬編だと毎エピソードのラストに例のBGM流れるんですけど、3月ぐらいで若干くどいなーと思ってくるんですよ。んでそこからぱったり使用が無くなるんですけど大トリの収斂にて終盤で流れるんですよ例のBGMが3月から12月ですから9ヶ月ぶりか?それはテンションぶち上がりますよ!この時ばっかは本当に一年かけて良かったと思いましたw
(総評)
[総評]
爆発力があるわけでは無いですが、キャラのやり取りやら設定やらBGMやらで点数を伸ばしていって結果的に名作に名を連ねることになった本作
個人的には期待したほどでは無かったけど十分楽しめたし、リアル月と同時になんて芸当ができるのは後にも先にも本作ぐらいだと思うんでやって良かったなぁと思わずにはいられないそんな作品でした。