仄暗き時の果てより 感想
作品概要・評価点(ネタバレ無)
[作品概要]
ここ数年で復活したムーンストーンのシリアスもの ライターはお馴染みの呉氏です。
所謂 勝負してるシナリオでラストのトゥルーENDまで進めてもおおっぴらにハッピーENDとは言えない終わり方でした。 基本的にシリアスと言えど、最後の最後には綺麗に締めるシナリオが多い呉氏としては珍しいかもですね。明日出逢った少女ですら、それなりにスッキリした終わりかただったのに対して本作はかなり後味悪いというか消化不良感凄かったです…
[評価点]
シナリオ:B-
キャラ:A
ビジュアル:A+
世界観:A
演出:B
音楽:B+
オススメ度:B+
総合点 73点
考察
●元ネタについて
本作は、ラヴクラフト著の小説「クトゥルーの呼び声」及びそこから派生した2次創作「クトゥルフ神話」をオマージュした作品となっています。
自分自身はクトゥルフ神話に関する知識はほぼゼロに等しいですが、それでも要所要所で元ネタがクトゥルフなんだろうなと思える描写を感じ取る事が出来ました。
基本的に元ネタありきでシナリオが作られているので、注意が必要かもしれません、今回はできる限り考察を書いていきますが、なにぶんほんとうに知識皆無なのでご了承を…
●構成について
本作は大きく分けて4つのパートで進んでいきます。
まず始めが「ゾンビ編」
序盤のいきなりゾンビに襲われ、主人公が最初のループをするまでの部分です。変にこんがらがって無い分 シンプルなパニックホラー的な面白さがありました。
次が「ゾンビ事件解決編」
ループを繰り返して、事件が起きたきっかけや根本的解決策を主人公が探していく部分、このパートは古きものや、ショゴス等 クトゥルフモチーフの設定が多く出てきていました。
続いて「ヒロイン個別ルート編」
ヒロインである、恵里と駒子の個別ルート部分 基本的にはイチャラブ Hシーンメインでヒロイン毎のシナリオ変化は殆どありません。 終わり方もほぼ一緒でした。
最後が一番難解だった「由乃視点編」
ぶっちゃけ説明不足の上 世界線もめちゃくちゃなので下手な考察になってしまう事が分かりきってますが、 今回はこのパートをメインに書いて行きたいと思います。
●世界線の整理
本編で、由乃はいくつもの世界線移動をしており、無数に可能性があることを示唆されていますが、ここではその中でも重要な世界線を確認していきます。
② 由乃死亡世界線
由乃がキノコ採りの際 事故で死んでしまった世界線
①とは逆で京子を殺す事で主人公が生き延びている。
③ 本編世界線
メインとなる世界線でゾンビ編、ゾンビ解決編、個別ルートの舞台となる時間軸です。
終盤で分かるがいくつもの時間が絡まっており、可能性が収束するまでは、京子が死んでいるし失踪している、由乃も死んでいるし生きている等 不可解な認識となる。
④ オリジナル由乃世界線
③の世界を作るきっかけとなった、由乃が誕生した世界線
この世界の由乃は京子と見た目が似ており、康という生まれてこなかった兄の存在を認知している。京子はこの時間軸でも康一と付き合っている描写がある為、康≠康一となる。
・整理
③の世界は、①と②が混ざりあっていると推測できる。(描写的にもっと多くの世界が混じり合っているとは思うが、恐らく主となっているのは、この2つ)
①では主人公が②では、京子と由乃が死んでいる、その為京子の生死、由乃の生死、主人公の生死がルートによってあやふやになっていると言える。
本編世界線を作るまでの流れ
世界線移動の能力を持った由乃(京子と似ている)誕生 兄である康は誕生せず
↓
生まれてくる筈の兄を心の底で気にかけながら、転校してきた京子と仲良くなる
↓
京子 康一を殺し失踪(康一≠康)
↓
親友を失ってしまい心の隙間を埋めるために世界線移動開始
↓
様々な可能性を見るが、どんな世界でも自分が兄と共に存在する世界線は無いとしる。(ただし由乃の見た目が京子と似ていない場合は存在可能)
↓
どんどんと共存できない兄に対しての思いが強くなる
↓
①である京子失踪世界線へと飛び 失踪する前の京子を食べて恋心を手に入れる。
↓
①の世界を元に本編世界線である③を作成
↓
以後本編
・整理
まず条件として、康と由乃(京子似)は同時に存在できない・康一と康は全く別の人間というものがあります。
これは本編世界線でも絶対的であると考えると、由乃は自分の兄とは全く関係の無い主人公(康一)と思い合っていることになり、これでは生まれてこなかった兄に対する思いが大きくなっていった事と矛盾してしまいます。
そこでいくつかの説を考えてみました。
説①
主人公≠康、主人公=康一とする。
オリジナルの由乃が生まれた世界線の時点で、既に兄とは全く関係の無い康一に惹かれていたというもの。
本編世界線で由乃は主人公と兄妹では無い発言していたので、可能性は十分ある説。
説②
主人公=康とする。
宿った肉体が由乃(京子似では無い)説
正直本作のテキストのみだと由乃キャラデザ(銀髪ver)が京子似として扱われているのか、扱われていないのか分かりません。 もしも銀髪由乃が京子似では無い方の由乃だとするならば、精神は兎も角肉体は由乃なので、康との共存も可能となる。
しかしこれでは、本編主人公がオリジナル由乃世界線の記憶を持っている説明にならない。
説③
主人公=康=康一とする。
由乃(京子似では無い)に由乃(京子似)の精神が宿り、なおかつ主人公は、康と康一の混じり合った存在とする説
これならば肉体は、由乃(京子似では無い)なので康と共存でき、主人公がオリジナル世界線の記憶、そして康として成長して由乃(京子似では無い)の事故を防げなかった記憶を持つことが可能
しかし、由乃の主人公とは兄妹では無い発言と矛盾が生じる。
・まとめ
やはり一番可能性あるのが説①ですかね〜
要約するなら他人の彼氏に対して勝手に亡き兄の面影を重ねて、運命の人認定するメンヘラって事になっちゃいますねw
京子を食ったのも、本当の意味で康一に恋をしたかったからだと説明つきますし。
●由乃の正体について
最後に散々本編で暴れていた由乃の正体についてです。
クトゥルフ神話の古きものの中の誰かなんでしょうけど、先にも書いた通りなにぶん知識が少ないですが、自分なりに軽く調べた結果、時間跳躍というのは、古きものの中でも行使できものが少ないらしいです。
そしてその中でも、特に力が強いのは(描写的に同じ古きもの同士だと思われる京子より格上と予想)ニャルラトホテプと呼ばれる神だとか…
こちらはニャル子様というアニメのヒロイン枠でもあり知名度も抜群なのでモチーフにするのはピッタリです。可能性としては結構高いと思われ……
総評
[総評]
本当 終盤に行くほど難しくなっていってオチもスッキリしたものでは無いんですが、どこか惹きつけるものがある作品でした。全体のダークな雰囲気とキャッチーなゾンビものスタートが良かったのかな?
決して大手を振って勧められるストーリーでは無いですけど、個人的には飽きずに進められて考察も面白かったんで大満足です。
天ノ少女 感想
作品概要・評価点(ネタバレ無)
[作品概要]
Innocent Grey発売のハードボイルドエロゲで、殻、虚と続く三部作最終章です。
12年かけてのプロジェクトの最後を飾る作品だけあってメーカの力の入れ具合が伝わってくるものがありました。
全体の雰囲気や、シナリオのクオリティなど何処をとっても一級品と呼べるシリーズです。
[評価点]
シナリオ:A+
キャラ:A
ビジュアル:S
世界観:A
演出:B
音楽:S+
オススメ度:B
総合点 92点
考察
●全体の感想
プレイし終わって直後の感想としては、いやー流石の一言です…
基本的にこの手の長期スパンでのプロジェクトってユーザーの期待が高まり過ぎたり、逆にいつまで経っても発売する気配が無く離れ気味になったりする事が多いのですが、天ノ少女はやってくれましたね〜
格を落とさない程度の発売スパンと上がったハードルを絡め手抜きの王道展開 読み手側が望むであろうシナリオをしっかりと書ききってくれて大満足です。 自分は虚 発売ぐらいから追いかけてるんですけど、殻 なんならカルタグラからの人たちは凄い感動したと思いますね〜
あとストーリー キャラデザ 設定 世界観からBGM関係と基本的には本当に文句のつけようが無いんですけど、従来のようなHシーンを完全排除して、めっちゃオシャレな演出で描写したのは少し文句出るかもなぁ…って思いましたね〜
特に天は殻 虚と比較しても特に恋愛というかキャラ愛を前面に推してたように感じたので気にする人は凄い気にしそうだなって…
まぁ自分は特に気にならないどころか、雰囲気マシマシで多いに結構って感じでしたがw
●本作のテーマについて
3部作を通して「「偏執」」をテーマに描ききっていました。
物語に大きく絡む登場人文は大抵大なり小なりこの偏執を抱いておりそれによって作中事件が引き起こされるスタイルをとっています。
本作では、この偏執をどのように扱っているのか? この問いは一貫して解き放たれるべき呪縛として表現されています。 からノ少女にとって偏執とは文字通り、破るための殻であり 去った後には何も無い虚 次のステップである天へと続くものです。
しかしながら作中で、偏執を抱えて尚且つそれを破って次へ進んだ者は数多くいる登場人物に中でも少ししかいません。
それが主人公である、玲人 第二の主人公である真崎 そして尚織ぐらいでしょうか。 後のキャラはまだ抜け出す途中であったり偏執そのものと添い遂げる事を覚悟しているように感じられました。
もっとも真崎に関しては、時間が解決してくれて自分で破った感はあまり伝わってきませんでしたし、尚織もなにぶん抱えているものの描写が少なく偏執自体も大した事では無いように感じるので、本当の意味で瑠璃の鳥として殻を破って天へと登ったのは、やはり玲人だけなように感じます。
(真崎&尚織もそれぞれの天国というEND名から、殻を破って天へと進んだのは確かなのでしょうが…)
しかしながらラスト 成長した瑠璃、色羽が主人公へ依頼するシーン 長いストーリーの起源となる母である冬子と同じ依頼をした部分から考えるに世界線によっては、また玲人が「「パラノイア」」を抱えてしまう可能性が高く思えちゃうのは少しあれですね… 尤もそれが、からノ少女という作品なのでしょうが。
●推理パートについて
続いて、殻から受け継がれてきた偏執と双璧をなす主題 というかメインの部分であるミステリーについてです。
これは特に穿った展開も無く王道も王道といったものでした。
事件の犯人もストーリーを進めていれば誰でも察する事が出来るようになっていました。捜査パートでもまだ調べていない部分があると終了できないようになっていたりと、殻時代と比較すると圧倒的に難易度が下がっていたので ある程度の自力攻略も可能だと思います。
ただまぁ一部 証拠の提示場面やグランド、トゥルー等に入るためのフラグ管理などは攻略サイト見ないとシンドイかもですが…
●Hシーン撤廃について
ここは思い切った事はしたなと思いましたね〜 1週目の時点でそれっぽいシーンが一度も入らないので妙だとは思いましたが、まさかのHシーン撤廃でしたからねー
とはいえ一応は18禁な訳ですし、それっぽい演出はありますが短く数も少ないです。(ステラ 百合カップル 紫ぐらいだったかな?)
殻 虚は割とHシーンにも力入れてましたしラストって事で今までお預けだった紫シーンとかも期待してた人多そうだしで多少批判はありそうかな〜って…
個人的にも1、2シーンぐらいは従来のHシーンがあった方が緩急ついていいかなとも思いますしね〜
●悪かった点
悪かった…とまでは言いませんが多少気になったのはキャラデザですかね…
成長後紫とかもなんかウーンって感じでしたし、一番思ったのがグランドルート終盤 結婚式の描写に入ってからです。ここでは一気にハッピーEND風になったので絵のタッチも少し変化して柔らかな印象を受けました。そのため 今までのどこか暗い塗りと比べて少し違和を感じてしまいました。
玲人が拳銃構える場面やトゥルーラストの冬子と色羽が重なるCGなんかの方がからノ少女シリーズらしいかなと…
あとは百合がやたらプッシュされていた点もですね。 シナリオ的に重要な訳では無いのにも関わらず殻 虚に比べ、如何にもな描写が多いなぁってなりましたね〜
これについては理由はちょっと分からなかったかな… 偏執の一部として見ても 他と比べて力の入れ具合がやや重めというかなんというか…
総評
[総評]
十分名作といっても過言じゃ無いクオリティ! ハードルを高く設定してそれをしっかり乗り越えるって簡単そうに見えてなかなか出来る事じゃ無いです…
願わくばこれでシリーズ終了してほしくない気もしますが無理だろうなぁー
トゥルーラストで繰り返す 輪廻が仄めかされてたんで、もしかしたら同一舞台色羽ヒロインの新作ならありえるかも?
なんにせよ次回作への期待が高まりますね。
あと余談ですが、殻 虚 天の全てに登場していて尚且つ悲惨な目にあっていないのって、自分が把握している限りだと 歩 山ノ内先生 夏目さんの3人(夏目さんはカルタグラからのゲストキャラ扱いかな?なので次回作にこの3人のうち誰かは絶対出そうな気がしますね〜
というか本当に色羽ヒロインの続編来たら間違いなくラスボス枠は愛美でしょうね〜 最終盤に明らかな匂わせ枠としての登場でしたしね〜
後はもともとマトモな人間が偏執によって狂ってしまう殻シリーズの対局として、もともと狂っている(サイコパス愛美)が努力よってマトモになったシリーズってのも面白そうですね〜 その場合は愛美主人公かな?
どちらにせよ次回作への期待が高まります!
サクラノモリドリーマーズ2 感想
作品概要・評価点(ネタバレ無)
[作品概要]
ムーンストーンから出たサクラノモリドリーマーズの続編です。
2と銘打ってはいますが、実質的な内容は続編というよりファンディスクに近いように感じました。
ただ、サクラノモリドリーマーズ初代にて実装できなかった、まどかとのイチャラブ+Hシーンを導入しつつ、それらが単なるおまけにならないように上手いことストーリーが練られていたのが印象的でした。
[評価点]
シナリオ:A
キャラ:A
ビジュアル:A
世界観:A
演出:S
音楽:B+
オススメ度:A
総合点 84点
考察
●構成について
サクラノモリドリーマーズ2では前作共通ルート終了時点での続きとまどかが生きている世界線を交互に描写していくといった構成になっていました。
どちらがどちらの世界線のシーンなのかわからな無くなる事はない(基本的にまどかが登場するので分かりやすい)一方でどうしても盛り上がった部分でのぶった切り世界移動が起こるので、中だるみを強制的に起こされているように感じてしまいます。
ただまぁ この同時進行形式も最終盤で真価を発揮してくれますし結果的には良かったかなとは思います。
個人的には同ライター作品の明日出逢った少女を思い出せたので好印象です。(場面の理解しやすさは圧倒的に本作ですが…)
●本作のテーマについて
2でも1と同様にわかりやすいテーマが提示されていました。そのテーマとはズバリ「7つの大罪」です。
1のテーマが「異常性癖」であり忌諱すべきといった点では共通点かもしれませんね。
まず以下にどのような部分が7つの大罪と合致しているのか章ごとまとめてみました。
・1章 暴食
指扇母が赤い夢で怪物化した時の異常な食欲はわかりやすく描写されていました。
・2章 憤怒
生徒会長である根津は、憤怒かなと思われます。 他の敵キャラも大体は怒りをあらわにしてましたが、文字通り顔を真っ赤にしている立ち絵は根津だけですしね…
・3章 色欲
指扇雪絵&指扇父
こちらも暴食に続きわかりやすく表現がされた大罪で完結に言えば義父から性的虐待です。
・4章 傲慢
コレは赤い夢内で何もかも自分の思い通りになると思っていた矢内原の行動そのものですね。 何気に一番嫌いなキャラかも…
・5章 怠慢&嫉妬
1人の人物に2つの大罪がテーマとして描かれていました。
勇人人格では怠惰(作中にて見てるだけでは無いと雪絵からフォローはされてましたが基本的には傍観者ですし、怠惰枠であると感じました。)
嫉妬は勇人に取り憑いた子供の霊
見てることしか出来ず、実際に行動できるものに対しての嫉妬が作中で描写されていました。
・その他 強欲
強欲が一番悩みましたね…
これといったキャラがいないので候補としては主人公か兵藤どちらかかな?といった具合
主人公なら、まどかを求めるあまり別時空への穴を開けてしまうほどの欲望
兵藤なら両目をくりぬいてまで途切れぬ殺人への欲望といったあたりでしょうか?どちらかといえば主人公かな?
●7つの大罪について
肝心のメッセージ性ですが、前作の異常性癖に比べると本作のテーマは完全に舞台装置 ストーリーを作るに当たってのモデル的な意味合いが強いように感じました。
何か特別なものというよりはエンタメ性が重要視されてて単純な面白さでは説教臭さが抜けている分 本作のが1より上かな…
●兵藤について
兵藤光興はサクモリで言うところの秀さん枠(要はラスボス)ですが、強キャラ感というか魅力で言うと圧倒的に兵藤のが良かったですw
まず立ち絵からしてジェイソン風で格がありますし、作中で一度も言葉を発しないのも機械のような不気味さがあります。それでいて子供を殺すという目的意識だしっかり伝わってくるので怖さ倍増ですかね〜
そんな兵藤ですが少し気になったところが一点ありました。
それが所長と見た目が酷似している点です。単純に所長=兵藤のミスリードということにしてしまえばそれまででしょうが、描写的にも見た目以外兵藤と所長が同一人物だとする部分は無く一貫して所長≠兵藤として描かれています。
たまたま見た目が似ただけなんですか
ね…
●悪かった点
悪かったというか扱いが難しいのがラストのハーレムエンドに関してです。
それ自体が悪いわけではありませんが、問題なのが序盤中盤終盤とズーーっとシリアス調で進んでいたのにも関わらずラスト締めの時に主人公+ヒロインズのCG(ハート散りばめ)に「「「ダーリン❤️」」」発言で終わり
人によっては台無しにされたと思ってもしょうがないですね… 因みに自分は普通に吹き出して笑っちゃったので全然許せますw
もしこの面白さが意図的なものでシリアスとギャグの高低差を狙ったのだとしたらライターの思惑に引っかかってしまったことになりますね。(多分ギャグシーンのつもりじゃないでしょうが…)
総評
[総評]
基本的には前作越えの面白さ+ホラー要素の強化で文句無しの出来栄えです。
ややボリューム不足なのも続編では無くファンディスクだと考えれば全然許容範囲内です。
サクラノモリドリーマーズは三部作という情報をネットの噂で読んだのでもし本当だったら買おうかなとは思うぐらいには良かったですね〜 もし本当にサクモリ3が出るなら、まどか生存世界での話の続きとかかな? ボダッハは消えてないのでいくらでもストーリーは作れそう…
ムーンストーンにはこれからも期待ですね!
アインシュタインより愛を込めて 感想
作品概要・評価点(ネタバレ無)
[作品概要]
[評価点]
シナリオ:B-
キャラ:A
ビジュアル:S+
世界観:A
演出:B+
音楽:B+
オススメ度:A
総合点 80点
考察
●ストーリー構成について
メインヒロイン枠である有村ロミ以外の3人を攻略後、ロミルートのロックが解除 そして最後にグランドルートとオーソドックスな構成でした。
個別ルートは序盤中盤ボーイミーツガールで仲良くなって行く過程とイチャラブを踏まえつつ各ヒロインの悩みを解決
終盤で伏線ばら撒きの流れが一貫しています。
分かりやすく終盤の展開も謎を残しつつも個別ストーリーとしての結論は理解しやすいものになっているので置いてけぼりを食らうこともありません。全体的にコンパクトにまとまっている事もあり、そう言った意味では凄くやりやすい作品かもです。
●個別ルート毎の感想
基本的には終盤のSF関係の感想と考察を書いていきます。
・佳純ルート
主人公が手術を受けることを選択しで記憶障害により幼児退行してしまうルート
ぶっちゃけクジラの鍵を手術で取り除く事が出来たのか不明だが、組織が警戒度を最低レベルへ下げる描写があるので鍵自体は主人公の中に残ってる説が有力ですかね。
鍵を使う知能を無くして危険度を下げよう的な計画 ロミの心情から手術はもっと上手くできたらしいので、クジラの内部調査もついでに行って幼児退行したらOK的な... 主人公が一番可哀想なルート
・忍ルート
クジラへのハッキング集団と戦うことを選んだルート
最終的に忍の元へ主人公が帰ることになったのは、シグマの言う20年の期限が過ぎ戦う理由が無くなったからだと推測出来ます。
特に捻りは無いけど割とハッピー寄りな
エンドです。
・唯々菜ルート
唯々菜自身が彗星病を患っていることもあり割と序盤からSFバリバリで他では濁されていたクジラの鍵関係に踏み込んでいました。
主人公の選択は忍ルートと同じでハッキング集団と戦うエンド(恐らく選んだというより強制的にっぽいが…)でしたがそれをヒロインが助けだす部分で物語終了
感のいい人ならこの次点でメシアの正体に察せそうですね〜 語尾関係とか
ちなみに自分は全く分かんなかったですw
・ロミ&グランドルート
今までの答え合わせルートですが何分描写がボカされすぎてイマイチ&最終盤の巫女登場からの展開が駆け足すぎな印象
伏線というか、あの時の事はこうだったよみたいな答え合わせ自体はかなりしっかりして投げっぱなしなものは少ないが全体的にふわふわしてる印象
考察しようにも設定がちゃんとして無いからどうしようもないです。
例をあげるなら巫女の正体は?→天才的なAI ハイ!終了!ですからね… 何かAIに対する他の伏線があるなら兎も角 ぽっと出の何かとしか言えない…
最後の親父のシーンなんかその最たる例で、目の見えない幼少期主人公を救った謎の人物が実は親父だった! そして再度主人公のピンチに登場!
この流れ自体はテンション上がりますが、そもそもの幼少期救ったエピソードの登場が最後の最後ですからね…序盤からちょいちょい出してくれればいいのに感です。
雰囲気の良い近未来的なファンタジー話と思って読んだ方がよっぽど楽しめたと思います。 結構OPとかあらすじでガチガチのSFと思ってたので反動がでかかったw
●良かった点
ここまで割と酷評してしまったのでここからは良かった点を書いて行きたいと思います。
・キャラクター
文句無しに可愛いです。
キャラデザだけでは無く性格的にも嫌味なキャラやイラつくキャラがいなくてストレスフリーでプレイできます。(ヒロイン限定)
主人公がギャグもシリアスもこなせる万能舞台メーカーなのも良い。
・作品全体の雰囲気
特にOPまでの一見クール嫌味系だと思ってた主人公がどんどんギャグ要員になっていき仲間を集め出す場面なんて最高に一風変わった青春って感じで最高です。
綺麗と可愛いの中間のキャラデザも一役買っており無理にSFに持って行くよりも彗星病の正体を絡めつつのコメディあり王道学園もののが読んでみたかったかも…
・ラストのオチ
オチまでの道中は兎も角としてアインシュタインin親父が登場するシーンは本当に高評価できます。
最大のピンチに死さえ超越した親父が出てきて、AIでも理解できない死を操り、天才AI<天才人類を見せつけてからのラストのタイトル回収
欲を言えば、もう少し演出面を強化してくれたらここだけで100点つけても良いくらいw
総評
[総評]
ボリュームや説明が足りない部分はいかんせん不評だがそれ以外はかなり出来が良い作品だと思います。
ただまぁ絶対的に合わない!って人が出てくるのも、まぁ分からなくはないかなって感じ。 主人公&ヒロインに魅力を感じなかったらほんと苦痛かもしれない…
個人的には親父登場と全体の雰囲気だけでお釣りがくるので大満足のいく結果でした。
Favorite福袋2020 開封記事
●はじめに
今回は2020年9月17日に発売開始されたFavorite新作グッズの中にあった福袋の開封&紹介記事です。
反響次第では次の可能性もあるらしいので参考までに読んでみてください!
では早速紹介していきます。
1つ目!
商品名
FAVORITE 15thANNIVERSARY SPECIAL LIVE ペンライトポーチ
通販価格
3000円(税込)
ペンライトポーチですね〜 基本的にこういうのって販売された記念のライブ会場で使うからこそ意味があるって気もしますね…
ライブとか全く行かないインドアエロゲーマーの自分的には結構ハズレ枠かな
デザイン的にも飾っておくのに向いてない感じですしね。
2つ目!
商品名
SDキャラ サーモボトル
通販価格
4000円(税込)
サーモボトルなんて商品名ですが、要は水筒???
割と実用性はありそうな感じ デザインもまぁコレなら持ち歩いてもギリセーフかな。
結構嬉しいですね〜
まぁ最初開けた時銀色だったんでタンブラーと勘違いしてぬか喜びしましたが…
w
3つ目!
商品名
EGG2018記念 真紅SD Tシャツ
イベント価格
4000円(税込)
SD真紅ちゃんがでっかく描かれたTシャツ 調べた感じ通販では売らなかったらしいのでレアと言えばレアなのかな?
正直こういう服系は外には着ていけないので部屋着にしようかな。
4つ目!
商品名
さくら、もゆ。 スマートフォンケースB
通販価格
4500円(税込)
スマホケースは結構あり
あんまりドカンとキャラが描いてあると使うのためらうけど、コレぐらいならアリなのかなぁ… 迷いどころですw
外使い用なら圧倒的にこのAタイプのデザインのがいいけど、可愛さは圧倒的にBだから 個人的にはBのが嬉しかったです。
5つ目!
商品名
さくら、もゆ。 はるいろランチプレート
通販価格
2800円(税込)
ランチプレートなのでプラスチック製
実用性の高い 家で使うグッズは良いですねー かなり可愛いくてデザインも良いので飾るのも良さそう…
因みに今回の中では地味に一番値段が安い商品 2800円が一番最安値グッズって結構ヤバイですねw
ラスト!
商品名
アストラエアの白き永遠』抱き枕カバー 螢 りんね
通販価格
12500円(税込)
今回の福袋の目玉である抱き枕カバーはりんねちゃんでした!
1枚は持ってて2枚目予備で欲しかったからありといえばアリ 一応狙ってたのは、真紅ウェディングvetか蓮、通常メアのライクトロン版あたり
りんねちゃんは次点で欲しい枠だったので十分当たりですね!
ファボの抱き枕カバーって星メモとそれ以外で結構価格落差があるけど今回の福袋に星メモキャラのカバーって入ってるんですかね???
入っているならそれがハズレ枠かも…
流石にいろセカ アス永 もゆのカバーだけなのかな…??
●まとめ
単純に通販サイトでの売値で判断しても
3000+4000+4000+4500+2800+12500=30800円
なので1万円で3万円分のグッズが当たるなら悪くないんじゃないでしょうか。
特に今回の自分みたく抱き枕カバー+αが目的ならかなりオススメです。
オークション価格で判断しても、りんねちゃんのカバーは大体8000〜10000ぐらいが相場なので普通にカバーだけ買うより全然おトクです。
勿論なんのキャラか選べないという欠点もあるのでファボキャラのカバーをあまり持ってない人のが良いかもしれません。
今回の自分はピンポイントで持ってたカバーだったのでびっくりでしたw(通常真紅、通常メア、スク水メア、クロぐらいしか手元にないです。)
評判次第では第2弾もやるかも…的な事を放送で言ってましたし、5分で完売していたので次がある可能性は高いのかな?
よかったら買ってみてください。 開封は楽しいですよ!
さくらの雲*スカァレットの恋 感想
一部アメグレのネタバレがあります。
作品概要・評価点(ネタバレ無)
[作品概要]
[評価点]
シナリオ:S
キャラ:A
ビジュアル:S
世界観:A
演出:B
音楽:B+
オススメ度:A
総合点 82点
考察
●叙述トリックについて
さくらの雲スカァレットの恋(以下さくレット)では起承転結の転にあたる部分、所謂どんでん返しシーンがいくつかあるのですが、その中の1つに叙述トリックというものが使われています。
エロゲという媒体上、読み手側が情報を知り得るにはテキストからが大部分となります。その為 他作品でも叙述トリックは多用されていますが、さくレットではメタ的な視点から騙す手法がとられておりとても関心させられました。
「メタ的視点からの手法とは何か? 」
答えは単純でプレイヤーが2020年現在をリアルタイムで生きている事を前提としたトリックの事です。キャラが第三の壁を破って実際に現実に干渉してくるわけでは無いのであくまでメタ(的)要素でしかありませんがコレは騙されました。
ストーリーに則り説明するならば、主人公である司は100年の時を遡り1920年に来たわけですが、作品全体を通して未来の世界についての描写はあまりなく不透明な状態が続きます。
しかし読んでいてそれ対し違和を感じることなく進められます。それはなぜか?
読み手側が勝手に司のいた時代=自分が今実際に生きている時代と同じと解釈してしまうからです。その決めつけを利用し令和2年を戦争の真っ只中である桜雲2年にする事で叙述トリックとして利用したのです。
一応は未来が現実の令和2年とは異なる事や司が軍人である事の伏線(スカイツリー→スカイタワーやHシーンでも手袋をしている点など)もありますが、まぁ気付かず読み飛ばしていたり、変だと思っても重要視しなかったりするような細かい描写なので、引っかかる人はそこそこいると思います。
実際自分も司が未来について何か隠している事は察せましたが、それはあくまで司個人に対する事象であり世界観そのものに影響する事だとは思っていなかったので驚かされました。
ライターの思惑通り 完全に令和2年を司のいた未来だと思いこんでましたw
●重要な伏線について
本作における重要な伏線は
「主人公の義手及び正体」
殆どのCGで素手が写らないことや(Hシーン含め)ナリゴンに対する格闘技を仕掛けようとする描写など分かりやすく示されていたと思います。
また加藤との初対面時での肝の据わりようなどは自分も不可解なものを感じて以下のようにツイートしています。
刀突きつけられて冷静に判断するとか主人公肝座りすぎでしょ
— セダン@愛知のエロゲーマー (@erg0327) 2020年10月5日
勿論ツイートした当時は主人公がごく普通の学生だと思っていたわけですが、軍人設定であればある程度冷静な判断が出来るのも納得です。
「2020年の世界」
本作のトリック部分の要ですが、義手関係の伏線ありきというか…
主人公軍人設定→2020年は戦争時代と繋がってくるので、シンプルに2020年に関しての伏線は少なかったように思えます。
まぁコレに関しては第三次世界大戦としてひとまとまりにした感じですかね〜
「メリッサの異能」
こちらは、加藤=異能力者のミスリードを狙った設定なので中盤まで分かりやすい伏線は少なめでした。
とはいえ、メリッサルートに入って透視能力者の逸話が登場し、おまけにその正体が分からないとくれば物語序盤にアララギの「帝都には少なくとも一人本物の能力者がいる」発言から メリッサ=本物の能力者を推測出来る方も多そうです。
因みに自分は件のアララギの発言を完全に忘れていたので全く察することができませんでしたw
「加藤と万斉の関係性」
他の設定に比べてぽっと出というか、トムさんの特徴である後々思い起こすと分かりやすいと伏線といった描写が少なかったように感じます。
敢えて挙げるとすればリーメイに対し万斉が言った「ハセクラじゃなくて志倉だよ」発言ぐらいですかね…
アメグレでも某キャラ2人の関係性に関しては伏線が少なかったので、元々その手の人間関係の描写を仕込むのが苦手なんですかね…
「その他大筋に関係性が低い伏線」
上記の大きな伏線以外にも細かいものがいくつもあり、それらも割と回収されていました。
一例を挙げるなら遠子の目に見える物だけが真実とは限らない発言に所長が反応していたところなんかですね。
コレは所長ルートにて一年前に遠子が依頼した探偵=所長の師匠だと判明する伏線です。 しかしながらハッキリ言って大筋とは関係ないので描写する必要もあまり無いですが、このような細々とした部分にも気配りがされているのは良いですね。
●伏線周りを総合的に見て
叙述トリックの意表の付き具合はアメグレを超えていると言えます。単純にアメグレ後の作品でみんなが見破ってやろうとプレイする上でのこの仕組みは凄いです…
ですが総合的に見ると、どうしてもアメグレより一歩劣ると感じてしまいます。
これはさくレットという作品に大筋となる目的が読み手側に示されていない事が原因であると思いました。
アメグレのようなアポカリプスを止めるという目的が本作には無いのです。
一応地震を止める、未来へ帰るなどはありますが、ループするたびに主人公は記憶を失うのでその意思も感じづらいです。(未来へ帰る事は根幹となる部分に関わってくるので描写が少ないのはしょうがないが…)
その為最期の大どんでん返しシーンも盛り上がりづらい訳です。
アメグレのように段々と謎が解けていき主人公たちの目的達成間際になった最高潮のシーンでの叙述トリックの答え合わせこれは燃えます。
しかしさくレットは何を主軸にして作品を読めば良いのか一本筋の通ったものが無いので肝心の解決編も驚き度多くとも盛り上がり度は少ない訳です。
肝心の伏線回収やトリックは最高クオリティなので一定以上の面白さが確立されているだけに残念です。
個人的には、この主人公一派の目的意識さえしっかりすればアメグレを超えるシナリオになった可能性もありえたと思います。
総評
[総評]
●伏線周りを総合的に見てでは割と酷評しましたが、全てを含めて評価するなら十分名作と言えます。2020年の中でもトップクラスに面白い作品ですし、気になった人は絶対にやるべきだと思います。
もっともこの記事読む人はプレイ済みばかりなので意味ないと思いますが…w
ハミダシクリエイティブ 感想
作品概要・評価点(ネタバレ無)
[作品概要]
[評価点]
シナリオ:B
キャラ:A
ビジュアル:S
世界観:B
演出:B
音楽:A
オススメ度:A
総合点 77点
作品概要・評価点詳細(ネタバレ有)
[作品概要]
まどそふと5作目(ファンディスク等覗く)でメーカーの中でも評判の良かったワガハイの原画さんとライターさんがコンビを組んだ作品です。
そのためヒロインがハイスペック、生徒会がメイン、主人公がオタ気質など設定等も似通っています。
個人的にはここまで同じような設定だと、どうしても比較されてしまうのであまり好まないのですが、ネットでの評判的には上々のようです。
[評価点詳細]
・キャラ:A
可愛いキャラが多い反面一部人によっては不快感を示しても仕方がないキャラがいるのも事実です。
もう少し性格をマイルドにしても良かった感…
・ビジュアル:S
ワガハイ時代に比べて彩度が低くなっており個人的には劣化したかな〜って感想ですが、それでも尚 ハイクオリティな部分です。キャラゲーの命ともいえる原画ですのでここが良いだけで既に作品としての評価が一段上がりますw
・音楽:B+
正直BGMに関してはほっとんど印象に残って無いので、主にOPとEDのみの評価です。EDがキャラごとに用意されてたのは良かったですが、ひよりEDのみキャラソンだったので他のヒロインも中の人が歌ってくれたらもっと嬉しかったかな
感想
[感想]
今回はキャラゲーなので、シナリオについての小難しい考察は抜きにしてが全体的な感想を書いていきます。
まず思ったのが単発作品として見た場合は問題無いですが、ワガハイと比べた場合に出てくるいくつかの粗が気になりした。その際たる例が主人公のネガティヴさや詩桜さんのツンデレレベルなどです。この部分はハッキリ言って不快に思う人も一定数いると思いますし、なによりワガハイの主人公やアーシェと比べてしまうと、より一層浮き彫りになってきます。
他作品と比較するな!といった意見もあると思いますが、明らかにワガハイを意識して作られてる以上それは無理な相談でしょう… 他にも細かい点ですと、歴史ネタがやたら頻出したりFD出すぞ感が透けて見えたりと気になる点がチラホラ見受けらました。
しょっぱな批判でしたが、勿論良い点もあります。一番本作で優れているのは、やはりキャラのかわいさです。この点にかけては前作に引けをとらないばかりか瞬間最大風速に関しては超えているまであります。キャラゲーとして一番メインになると言ってもいいキャラが可愛いのは素晴らしいです。
あと地味にシナリオも面白かったです。(特に常磐ルート) 少しシリアスが多いかな〜って思う点も無いことも無いですが、まぁ個人的には許容範囲内の良いスパイスになっていたので気になはならなかったです。
まとめるとワガハイには、及ばないけど他メーカーの作品と比べたら十分良作っって感じですかねー ちょっと期待し過ぎでした…
総評
[総評]
満足度でいえばかなり高かったです。立ち絵鑑賞にしっかりと裸立ち絵があったのもポイント高い(ここが出来ていないメーカーも結構あるので…)
可愛いと思えるキャラがいるなら間違いなくやって損の無い作品です。