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黄昏のエロゲ感想

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天ノ少女 感想

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作品概要・評価点(ネタバレ無)

[作品概要]
Innocent Grey発売のハードボイルドエロゲで、殻、虚と続く三部作最終章です。
12年かけてのプロジェクトの最後を飾る作品だけあってメーカの力の入れ具合が伝わってくるものがありました。
全体の雰囲気や、シナリオのクオリティなど何処をとっても一級品と呼べるシリーズです。


[評価点]
シナリオ:A+
キャラ:A
ビジュアル:S
世界観:A
演出:B
音楽:S+
オススメ度:B

総合点 92点



考察

全体の感想
プレイし終わって直後の感想としては、いやー流石の一言です…
基本的にこの手の長期スパンでのプロジェクトってユーザーの期待が高まり過ぎたり、逆にいつまで経っても発売する気配が無く離れ気味になったりする事が多いのですが、天ノ少女はやってくれましたね〜
格を落とさない程度の発売スパンと上がったハードルを絡め手抜きの王道展開 読み手側が望むであろうシナリオをしっかりと書ききってくれて大満足です。 自分は虚 発売ぐらいから追いかけてるんですけど、殻 なんならカルタグラからの人たちは凄い感動したと思いますね〜

あとストーリー キャラデザ 設定 世界観からBGM関係と基本的には本当に文句のつけようが無いんですけど、従来のようなHシーンを完全排除して、めっちゃオシャレな演出で描写したのは少し文句出るかもなぁ…って思いましたね〜
特に天は殻 虚と比較しても特に恋愛というかキャラ愛を前面に推してたように感じたので気にする人は凄い気にしそうだなって…

まぁ自分は特に気にならないどころか、雰囲気マシマシで多いに結構って感じでしたがw










本作のテーマについて
3部作を通して「「偏執」」をテーマに描ききっていました。
物語に大きく絡む登場人文は大抵大なり小なりこの偏執を抱いておりそれによって作中事件が引き起こされるスタイルをとっています。

本作では、この偏執をどのように扱っているのか? この問いは一貫して解き放たれるべき呪縛として表現されています。 からノ少女にとって偏執とは文字通り、破るための殻であり 去った後には何も無い虚 次のステップである天へと続くものです。
しかしながら作中で、偏執を抱えて尚且つそれを破って次へ進んだ者は数多くいる登場人物に中でも少ししかいません。
それが主人公である、玲人 第二の主人公である真崎 そして尚織ぐらいでしょうか。 後のキャラはまだ抜け出す途中であったり偏執そのものと添い遂げる事を覚悟しているように感じられました。

もっとも真崎に関しては、時間が解決してくれて自分で破った感はあまり伝わってきませんでしたし、尚織もなにぶん抱えているものの描写が少なく偏執自体も大した事では無いように感じるので、本当の意味で瑠璃の鳥として殻を破って天へと登ったのは、やはり玲人だけなように感じます。
(真崎&尚織もそれぞれの天国というEND名から、殻を破って天へと進んだのは確かなのでしょうが…)
しかしながらラスト 成長した瑠璃、色羽が主人公へ依頼するシーン 長いストーリーの起源となる母である冬子と同じ依頼をした部分から考えるに世界線によっては、また玲人が「「パラノイア」」を抱えてしまう可能性が高く思えちゃうのは少しあれですね… 尤もそれが、からノ少女という作品なのでしょうが。










推理パートについて
続いて、殻から受け継がれてきた偏執と双璧をなす主題 というかメインの部分であるミステリーについてです。
これは特に穿った展開も無く王道も王道といったものでした。

事件の犯人もストーリーを進めていれば誰でも察する事が出来るようになっていました。捜査パートでもまだ調べていない部分があると終了できないようになっていたりと、殻時代と比較すると圧倒的に難易度が下がっていたので ある程度の自力攻略も可能だと思います。
ただまぁ一部 証拠の提示場面やグランド、トゥルー等に入るためのフラグ管理などは攻略サイト見ないとシンドイかもですが…










Hシーン撤廃について
ここは思い切った事はしたなと思いましたね〜 1週目の時点でそれっぽいシーンが一度も入らないので妙だとは思いましたが、まさかのHシーン撤廃でしたからねー

とはいえ一応は18禁な訳ですし、それっぽい演出はありますが短く数も少ないです。(ステラ 百合カップル 紫ぐらいだったかな?)
殻 虚は割とHシーンにも力入れてましたしラストって事で今までお預けだった紫シーンとかも期待してた人多そうだしで多少批判はありそうかな〜って…
個人的にも1、2シーンぐらいは従来のHシーンがあった方が緩急ついていいかなとも思いますしね〜









悪かった点
悪かった…とまでは言いませんが多少気になったのはキャラデザですかね…
成長後紫とかもなんかウーンって感じでしたし、一番思ったのがグランドルート終盤 結婚式の描写に入ってからです。ここでは一気にハッピーEND風になったので絵のタッチも少し変化して柔らかな印象を受けました。そのため 今までのどこか暗い塗りと比べて少し違和を感じてしまいました。
玲人が拳銃構える場面やトゥルーラストの冬子と色羽が重なるCGなんかの方がからノ少女シリーズらしいかなと…

あとは百合がやたらプッシュされていた点もですね。 シナリオ的に重要な訳では無いのにも関わらず殻 虚に比べ、如何にもな描写が多いなぁってなりましたね〜
これについては理由はちょっと分からなかったかな… 偏執の一部として見ても 他と比べて力の入れ具合がやや重めというかなんというか…










総評
[総評]
十分名作といっても過言じゃ無いクオリティ! ハードルを高く設定してそれをしっかり乗り越えるって簡単そうに見えてなかなか出来る事じゃ無いです…

願わくばこれでシリーズ終了してほしくない気もしますが無理だろうなぁー
トゥルーラストで繰り返す 輪廻が仄めかされてたんで、もしかしたら同一舞台色羽ヒロインの新作ならありえるかも?
なんにせよ次回作への期待が高まりますね。



あと余談ですが、殻 虚 天の全てに登場していて尚且つ悲惨な目にあっていないのって、自分が把握している限りだと 歩 山ノ内先生 夏目さんの3人(夏目さんはカルタグラからのゲストキャラ扱いかな?なので次回作にこの3人のうち誰かは絶対出そうな気がしますね〜

というか本当に色羽ヒロインの続編来たら間違いなくラスボス枠は愛美でしょうね〜 最終盤に明らかな匂わせ枠としての登場でしたしね〜
後はもともとマトモな人間が偏執によって狂ってしまう殻シリーズの対局として、もともと狂っている(サイコパス愛美)が努力よってマトモになったシリーズってのも面白そうですね〜 その場合は愛美主人公かな?

どちらにせよ次回作への期待が高まります!

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