黄昏のエロゲ感想/a>

黄昏のエロゲ感想

エロゲ感想ブログ たまにオススメ書いたりする。

あくまでこれは〜の物語 感想

作品概要・評価点(ネタバレ無)

[作品概要]
シンソウノイズで話題になったメーカー Azuriteの2作品目 前作と同じくDMMGAMESでの認証が必須で中古での購入が難しいため他メーカーに比べ、やや敷居が高いものとなっており、チャレンジ精神溢れる変わり種系のジャンルでプレイヤーの予想を裏切る奇抜なストーリーです。
絵柄的に可愛らしくキャラゲーのような印象を受ける人も多いかもしれませんが、一皮剥けば萌え重視とは程遠くライターの尖った思想が伝わってくる作品となっています。


[評価点]
シナリオ:B
キャラ:A
ビジュアル:A
世界観:B
演出:B
音楽:S
オススメ度:B

総合点 76点





考察(ネタバレ有)











本作はネタバレを見てしまうと、作品の良さが激減してしまいます。
プレイ済み、もしくはネタバレOKという方のみ以降の記事を読むようにしてください。
















●ギミックについて
前半部分のAパートと伏線回収のBパートの関係性についてが、本作品における一番の目玉にして最大のギミックと言えます。

そのギミックとは何なのか?
完結に説明するならば、プレイヤーが読み進めるAパートは、主人公城一の息子である肇の書いた小説の中の出来事だったというものです。

これは、伏線を無理やり回収する力技のようなもので二度は出来ない方法です。
Aパートはブツ切りENDが多く、伏線もまるで回収できていない キャラの言動や目的も理解出来しづらいなど一つの読み物としてかなりお粗末です。 その理由は小説家としては未成熟な肇が書いた物語だったから…という訳です。

これならば、どれだけグチャグチャなストーリーでもそれ自体全てが伏線となるので、ある意味では最強の回収方法と言えます。





●ギミックに関しての感想
上で説明した小説の中だったオチですが個人的には、思ったほどの衝撃はありませんでした。この理由は構成ミスにあると私は考えました。
Aパート終了後、直ぐに肇視点で物語が始まるため最初はいきなり視点が変わったことに戸惑います。しかしある程度読み進めれば、肇=城一の息子と予測する事が容易に出来てしまいます。

これはBパート開始から肇が主人公の体験した夏を小説として書き始めるまでが長い事が原因あると言えます。「Aパートは実は肇の書いた小説の中だった!」と突然告げられるというよりも「これこれこういった流れだから、Aパートは小説の世界なんだよ〜」と丁寧に説明されている気分になってしまう訳です。

丁寧な描写が悪いとは言いませんが前半10時間以上引っ張ってきたネタバラシを行う際には蛇足であると言わざる得ません。特に今回のような一発ネタの場合、多少強引だったとしても読み手が感づく前に答えを出してしまうべきであると思いました。





●Hシーンについて
ギミックだけでは非処女ヒロインや陵辱シーンもどきの存在などからもライターの挑戦的な意図が伝わってきました。

本作の絵柄は、事前知識無しに見たら、殆どがキャラゲーだと感じるほど可愛らしい絵柄です。だからこそヒロインが非処女であったり、陵辱が行われることでギャップが生まれます。しかしコレもギミックと同じく中途半端な印象を受けました。非処女とはいえ彼氏とは別れていたり、挿入無しの陵辱であったりとどっちつかずです。少しでも陵辱要素が出た時点で、イチャラブ好きからの評価は得られなくなってしまうのは分かりきった事である訳です。ならば、いっそのこと振り切ったレイプシーンなどを入れるなどして尖りきった作品に仕上げるべきだと個人的には考えてしまいました…





●テーマについて
他の作品と比較しても本作はかなりメッセージ性の強い作品です。それらは、以下の項目についてのライターの否定的な意見が多く描写されていました。


・ソシャゲの課金
・ネット依存症
・ネットでの暴言
・LINEの危険性
SNSライブチャットで未成年淫行等々…


まとめてしまえばネット社会への批判と警笛です。このテーマについて、とやかくいう気は有りませんがネットに触れる機会が多くツイッターや他のSNSをやっている人が多いエロゲーマーという人種に対してエロゲというパソコン(ネット)を利用した媒体で書く内容では無いんじゃ無いかな〜と思ってしまいます。
情報化社会の時代に取り残されたライターの理不尽な怒りが伝わってくるようで、微妙な気分になってしまいます。

ただメッセージ性という意味では過去 類に見ないほど強い思いを感じたのである意味ではライターの思惑通りになってしまったのかなー?とか考えたり考えなかったり…







気になった点

●タイトルについて
某批評サイトにてタイトルの意味について触れられてる書き込みがいくつか見受けられました。それらを要約するとタイトルの意味が深いといったものになります。
しかし私的にはイマイチ「あくまでこれは〜の物語」というタイトルを上手く考える事が出来ず、開始時に出てきた「あくまでこれははじめの物語」という文章から、本作は全て主人公(城一)では無く、その息子(肇)の物語だよ程度の解釈しかできませんでした…… 批評空間では 深い意味について詳しく書かれていなかったので、理解出来た方がいたら教えて欲しかったりしますw





まとめ

要所要所で光る部分はあるが、全体で見たらパワー不足感が否めない本作
ギミックの奇抜さで勝負するならば、ネット批判などの無駄なメッセージ性など入れずにシナリオの面白さ一本で堂々と書いて欲しかったです。

総合的にはやや期待はずれ
少しズレれば好みドンピシャの作品になっていた可能性があるだけに凄く残念です。評価点はギミックと原画、OPの貢献度がかなり大きいかな…

Display mode : PCSP
コードをみる