黄昏のエロゲ感想/a>

黄昏のエロゲ感想

エロゲ感想ブログ たまにオススメ書いたりする。

ぼくのゆめみるみらい感想(簡易版)

作品概要・評価点(ネタバレ無)

[作品概要]
死生観がテーマの同人作品
プレイ時間は非常に短く1〜2時間で終わりますが、短いからこそ得られる感動がある内容であったと思います。
注意点としては、メーカーの特色なのかヒロインの見た目がかなりロリンロリンしてるので苦手な方は気をつけた方が良いかもしれません。


[評価点]
シナリオ:B+
キャラ:A
ビジュアル:B
世界観:B+
演出:C
音楽:B
オススメ度:B-

総合点 74点



評価点詳細(ネタバレ有)

事故によって妻を亡くした主人公
医師の力を借りクローン技術と記憶移植を駆使して妻を蘇らせることに成功する。 しかし未熟なクローン技術では結局1〜2年の命しか持たず、ヒロインは主人公に子供を託し天国へ旅立つ…
主人公はいつか子供を立派に育て上げ 自分も彼女の元へ向かう事 それが僕の夢見る未来と決意する。

以上が大まかなストーリーとなっています。
本作にとってメインテーマである「死」とは何か?ヒロインである椎子は、最後のビデオレターでおやすみと言った事から、それは離別ではなく先行であると私は感じました。
さよならでは無く「おやすみ」おやすみはまた目覚める事を意識して言うものですが、2度目の死を目前にした椎子はもちろん永遠に目覚める事はありません。では何故おやすみなのか?椎子にとっての目覚めとは、本来の意味ではなくあの世での主人公と再会する事であると思います。つまり最後のおやすみとは私は先に逝って待ってるよ…と主人公に伝える意味を込めて言ったのだと考えました。

椎子が培養液での永遠の眠りを拒んだのも、この想いから来ているのでしょう。
培養液の中でなら死ぬ事はありません、しかし主人公と歩む事も先に行って待っている事も出来ず停滞している状態です。天国での邂逅を信じていたであろう椎子にとっては、最悪の結末と言えます。


死を覆す事はしてはならない先に行った人の足を引っ張る事をしてはならない、今回の一時の再開は託す事の出来なかった命を託すための神様くれた奇跡、作中の由利絵の心理描写からこのような事をよ読み取る事ができます。
この事と椎子の死に対する考えを統合して考えると最終的に主人公が導き出した、「僕の夢見る未来」へとなるのがわかります。
託された命を育て上げ、オモイビトノの元へ逝く、この事は中盤から終盤にかけて登場した朝顔の描写を利用してうまく比喩されています。
椎子が買った1つの苗木が、エピローグではプランターを埋め尽くすまで成長していました。朝顔が綺麗に花を咲かせ、枯れる時に沢山の種を落とす。枯れた花(死んだ人)が蘇る事は無いが自らの意思を託した種(子供)がまた成長してさらに多くの意思を紡いでいく。
以上が本作の伝えたかったであろう人間の歩むべき道であり死に対する考えであると私は思いました。

ゆきうた 感想

作品概要・評価点(ネタバレ無)

[作品概要]
フロントウィング うたシリーズの第1作目 ジャンルとしては鬱+若干の伝奇要素といった感じです。
シナリオはグリザイアで有名なフジリュー氏が手がけており共通ルートは明るいギャグ調で進んでいくので、鬱ゲー初心者の方にはやりやすい作品かもしれません。

[評価点]
シナリオ:A-
キャラ:B+
ビジュアル:A+
世界観:B-
演出:B-
音楽:B
オススメ度:B+

総合点 79点



評価点詳細(ネタバレ有)












[評価点詳細]

・シナリオ:A-
短くまとまったストーリーと心に残るエンド コメディ調の共通と良くできたシナリオになっていました。
鬱要素が結構強い人を選ぶストーリーなのがネックかもしれません。


・キャラ:B+
性格面に難ありのキャラが少し多めに感じました。最近の可愛いだけのキャラとはいい意味でみ悪い意味でも違ったキャラ設定です。


・ビジュアル:A+
時代を考えるとかなり綺麗です。
フミオ氏の原画はこの時期が一番魅力的だな〜とか思ったり思わなかったり…


・世界観:B-
よくある学園モノ モミの木設定はありますが特に目立った部分は無いように思います。


・演出:C
イマイチな部分 せめて挿入歌とEDはあるべきだと思いました。


・音楽:B
そこまで印象には残りませんでしたが冬ゲーらしい静かなBGMが多かったです。


・オススメ度:B+
全体的な完成度は高いです。しかし鬱態勢必須なので敷居は高いかも…?


考察・気になった点

[考察]
「奇跡は起こるが幸せにはならない」
本作を一言で表すならば、このような言葉になると思います。

この作品で一番の要が願いを叶えるモミの木という設定です。これは雪の日に本気で願いを祈ると代償と引き換えに望みを叶えると行ったものです。
一見すると御都合主義作成の設定に思えますが、ほぼ全てのルートにおいて願いは叶っても幸せとは言い難いENDでした。

ヒロイン毎にENDが2つ用意されおり、フジリュー氏担当ルートの方はわかりやすいBAD ENDとGOOD END
ヤマグチノボル氏担当のルートは、人によってどちらがGOOD ENDか解釈の変わるストーリーとなっていました。
フジリュー氏担当のルートはBAD ENDが非常に刺さり、特に雪那の介護ENDはTOPクラスの鬱々しさを感じられます。
しかしながら、GOOD ENDが非常に安っぽいという欠点が挙げられます。最後の最後で無理矢理幸せにした感が伝わって来てマイナスです。個人的に鬱ゲーはどれだけ御都合主義感を撤去できるかが作品の質を上げるポイントであると考えているので、BADの出来が良かっただけに残念と言わざる得ません。

そういった意味ではヤマグチノボル氏のシナリオは鬱ゲーの魅力を十二分に発揮したシナリオであったと思います。
特に評判の良い由紀シナリオはモミの木の代償が必要な設定をうまく使っていたと言えます。盲目が治ったが主人公の顔を知らないヒロインとヒロインの顔を知っているが代償に視力を失った主人公がお互いを認知出来ずにすれ違うシーンなどは心に来るものがありました…

今複数ライターの場合シナリオに差が出るのは仕方がないことかもしれませんが今回はどちらも一長一短バランスのとれた出来栄えであったと考えます。キャラの性格などもそこまで差が出ていなかったのでライター感でのやり取りがうまくできていたと思いますし、それだけ力の入った作品なのだと思いました。



[気になった点]
本作で気になったのは、共通のブツ切れシナリオと演出面です。
共通は全体マップからヒロインのアイコンを選択するタイプですが その選択量が謎に多くエピソード間の繋がりが薄いため、出来の悪いSSを見ている気分になります。
このような形式にするのでは無く単純に
序盤で個別分岐にした方が良かったと思いました。

演出面に関しては、淡白な印象を感じたので もう少し頑張って欲しかったです。本作のような地味目の設定の場合 重要な場面で挿入歌を入れたりBADENDで余韻を残すために特殊なイベントを組み込んだりするべきだったのではないかなぁ…?と思ったりしました。


総評
[総評]
いくつかの欠点はあれど 心に残る良い作品でした。 フジリュー氏がシナリオ担当でフロントウィングから出ている事を考えるともう少し知名度があっても良いと思いますが、この何処と無く寂れた地味さが作品としてピッタリな雰囲気なのかな〜とか思ったりします。
鬱ゲー好きな方は是非オススメの作品ですのでやってみてください。

ラムネ2 感想

作品概要・評価点(ネタバレ無)

[作品概要]
ねこねこソフトの健ちゃんシリーズ6作品目でラムネ、そらいろの続編作品です。
佐藤ひろ美さんの引退に合わせて作られたようで、ファンディスク的な意味合いが強く どちらかと言えば新規には優しくない内容となっていました。

[評価点]
シナリオ:B
キャラ:A
ビジュアル:A
世界観:A
演出:B+
音楽:A
オススメ度:C-

総合点 78点



評価点詳細(ネタバレ有)












[評価点詳細]

・シナリオ:B
ボリュームは少ないですが、ねこねこっぽさが良く出ていました。
しかしながら、メインである七海ルート(雨)の終盤が少し心理描写が足りなかったのここを頑張って欲しかったです…


・キャラ:A
ぽんこつ 素直妹 やかましいの3人のそらいろ構成
ヒロイン全員キャラもたっていて可愛らしいです。単純なキャラの可愛さならラムネ そらいろよりも一歩先を行っていると思います。


・ビジュアル:A
幼少期の立ち絵が個人的にはかなり刺さりましたね…
前作が古い作品なので、現代風の塗りだと違和感を感じるかと思いましたが、そこはしっかりとラムネっぽさの出ている塗りとデザインであったかな〜といった感じです。


・世界観:A
人口の少ない海沿いの田舎町
もちろんラムネ そらいろと舞台が同じなので思わぬ繋がりのある過去作キャラなども出てきます。
現代だけの設定だけでは無く過去と現代 両方を使った世界観の組み立てになっているのが好印象でした。


・演出:B+
基本はいつもの真っ黒テキストボックスを使用する、ねこねこ演出
これは視覚情報を単純にするんで物語に入り込みやすくてシンプルながら好きな演出


・音楽:A
佐藤ひろ美さんのラムネ2017を筆頭に良い曲 良いBGMが多いです。
惜しむべきは回想シーンで全てのBGMが聴けないところ…
ラムネ2017のinst.verなどはなぜ収録されていないのか…


・オススメ度:C-
評価点は高いですが基本的にファンディスク要素が多く
ヒロインのシナリオも前作をやっていること前提みたいなところがあります。またバグの件も踏まえると単純に本作だけでは、あまりオススメできないです…

考察・気になった点

[考察]
最初に言ってしまうと本作品はバグゲーです。 修正パッチを当ててもバグが酷い部分がチラホラ見受けられます。
しかしながら、ラムネ そらいろの流れを汲みつつ新しい展開を加え、さらにファンディスク要素も完備されているので全体としてはそれなりに纏まった物だと言えます。

やはり本作のシナリオで一番特筆すべき所はポンコツ枠ナナミの成長についてです。 前2作のポンコツ枠のストーリーでは健ちゃんと一蓮托生であったのに不測の事態から離れ離れになってしまい、初めて一人で立って歩く的な内容になっています。
ラムネの七海は健ちゃんが事故で意識不明になる事で離れ離れ そらいろのつばめは娘の治療のため一人都会へと引越し、つまりは健ちゃんから自主的に離れてはいないことになります。

一方でラムネ2のナナミルートでは幼少期ナナミが今後成長していく上で自分が健ちゃんの足を引っ張る未来を危惧して引っ越してしまいます。つまり不測の事態では無く自らの意思での健ちゃんと離れ離れになる為の行動と言えます。
無論シナリオの流れとして再び主人公と出会い 結ばれるわけですが、この際に彼女は自分の力で健ちゃんに追いつき離さぬよう同じ歩幅で歩く事を選んだわけです。
前作2人との大きな違いは、この自主性にあると考えました。ナナミは別れるのも再度繋がるのも自分の意思で選んだのです。
ラムネの七海は結局は眠っている健ちゃんに依存していたため大きく成長したとは言えません。 そらいろのつばめは、都会での生活で成長はしたかもしれませんが、都会でのボッチ生活で人に頼る事を諦め大人になった的なストーリーのため 前では無く、その場に留まって上へと進んだような印象を受けました。
これを踏まえて考えるとラムネ2のナナミは頼ること無く大きく前進出来たのだと感じました。
これは同メーカー作品すみれでのすみれブチギレシーンを彷彿とさせるものであり、もしかしてポンコツ枠は健ちゃん不在の方が人間として成長できるのでは…?と思ったりもします。まぁゆきいろのマルの例もあるので絶対ではありませんが…


[気になった点]
この部分は、やはりバグの多さとボリュームの少なさですかね…
佐藤ひろ美さんの引退に合わせて急ピッチで作られたそうなので、制作時間が足りなかったのかもしれませんが、もう少し頑張って欲しかったです…

総評
[総評]
良い作品ではあると思いますが、過去作前提の作りであり思い出で下駄を履かせてもらっているような出来です。
ねこねこが好き 又はラムネそらいろが好きといった方以外はあまりプレイを推奨できないかもです…
しかし上の条件を見たいしてる人にとっては、十分楽しむ事ができるクオリティではあったと思います。

倉野くんちのふたご事情 感想(簡易版)

作品概要・評価点(ネタバレ無)

[作品概要]
タイトルのとおり ふたごがテーマでキャラゲーと抜きゲの中間っぽい作品です。
ヒロインはふたご
したがって全てのルートが近親相姦というキャラゲーとして見たら割と狂った設定となっていました。


[評価点]
シナリオ:B-
キャラ:A
ビジュアル:A
世界観:B-
演出:B
音楽:B
オススメ度:B

総合点 73点



評価点詳細(ネタバレ有)

カフェ+ふたごの設定で作られた本作品
ストーリーや絵 雰囲気はキャラゲーっぽいのに、やたえHシーンは多いのでプレイしてる最中どっちの気分で進めれば良いのか少し困りましたw

ストーリーはシリアスっぽい部分もありますが、最終的には円満に終わるので後味も良く 珍しいハーレムルートが採用されてる点でも評価できます。

ビジュアルのクオリティも高くキャラも可愛らしいので、重い作品の合間にやるのが個人的にはオススメです。良かったらプレイしてみてください。


灰瞳に機す 感想

作品概要・評価点(ネタバレ無)

[作品概要]
サークルお茶みどりが出した同人ギャルゲー 同人ゲーということもあり知名度が、高いとは言えない本作品
しかし魂のこもったシナリオはユーザーからの評価が高くいわゆる隠れた名作です。

[評価点]
シナリオ:S
キャラ:S+
ビジュアル:C
世界観:B
演出:A
音楽:B
オススメ度:C

総合点 85点



作品概要・評価点詳細(ネタバレ有)












[作品概要]
物語は、常に二者択一を求める。
一度の選択肢で展開が大きく変わる
このキャッチコピー通り一度の選択によって黒(ハッピーエンド)か白(バッドエンド)かが決まる作品です。
同人作品ゆえの尖ったシナリオが魅力で商業モノでは中々プレイする事が出来ない内容となっていて非常に楽しめます。

[評価点詳細]

・シナリオ:S
事件の真犯人をおうミステリーサスペンス部分や、オフ会メンバーとの友情
ヒロとの純愛などバランスが取れていている素晴らしいシナリオでした。
序盤がマジでつまらない事を除けば最高レベル

・キャラ:S+
重要キャラの過去編をしっかりやってキャラの心が分かりやすいので、魅力的なキャラが多く、行動理由に疑問が浮かぶ場面も少なかったです。
特にヒロインのヒロと最重要キャラの紫時の過去回想や心理描写には心が痛くなりました…


・ビジュアル:C
同人作品なので、綺麗とは言い難いです。 とはいえ癖は強くないので、慣れれば可愛く見えてきます。


・世界観:B
田舎が舞台ですが、田舎らしいイベントはありませんでした。
普通と言えば普通


・演出:A
過剰演出に感じる人もいるかもしれませんが、かなり力が入っていました。
正直 下手な商業作品よりも上かもしれません。


・音楽:B
フリー音源を使っていてBGMの種類はかなり多いので、飽きはこないですが、その分 印象に残りずらかったです。


・オススメ度:C+
絵柄が古くボイス無し鬱要素が多いシナリオはあまりウケが良くないと思います。 個人的には勧めづらい作品

考察・気になった点

[考察]
本作のメインテーマである、「選択」はストーリー上やキャラにとって非常に重要な役割を担っています。
またユーザーに対しても一度しか無い選択肢でハッピーかバッドか決まる構成を取る事で感情移入しやすくなっている。
選択肢画面でセーブロードできないのも、一度選んでしまったらやり直し不可の比喩表現であると考えます。
この「選択」に関してライターが伝えたかった事は、シンプルに自分の選んだ道を疑わずに信じろであると考えます。
この事は黒編白編クリア後のおまけシナリオ大きく語られています。
このおまけシナリオは黒編でヒロに殺された主人公目線で進むエピソードです。
ここでの主人公は幸せになった白編主人公と殺された黒編の自分と比べて白編の方が一般的には幸せかもしれないが、最愛の人に思われながら死ねた自分はもっと幸せだ、悔しかったら自分よりも幸せな死に方をしてみろと心の中で白編主人公に啖呵をきります。
結果なんて選ぶ前には分からない選んでしまったなら、その道で最大限幸せを見つける努力をするべきだ、コレが結論です。


[気になった点]
基本的に伏線回収はしていたので、目だったアラはありませんでした。
唯一気になったのは黒編で定期的に聞こえていた首を締める音がなにを表現していたかです。誰か教えてほしい…

死神の接吻は別離の味 感想(簡易版)

作品概要・評価点(ネタバレ無)

[作品概要]
Alcotシトラスの処女作であり後に統一されたので実質ハニカムの処女作でもある本作
ロープラらしくシンプル寄りの内容ですが、死生観をテーマとした 短いゆえの良さがよく出た作品となっています。

[評価点]
シナリオ:B+
キャラ:A
ビジュアル:A
世界観:B
演出:B
音楽:B
オススメ度:A

総合点 75点



感想(ネタバレ有)
一応は余命宣告モノですが、本作はこの手のシナリオによくある 生を意識した主人公が残り時間を悔いのないものにする…といったような内容ではありません。
そもそも主人公が昔死んだ幼馴染の元へ行きたいと言った思いから若干の自殺願望を持っているので死がまるでゴールではなくスタートのように描写されています。

では、本作における余命宣告の意味とは何か? 私は偽りでは無い本当の幸せを見つけるためのスターターピストルであると考えました。
3つのルート全てにおいて主人公は死神に対し命を差し出す代わりにヒロインを助けることを申し出ています。
これは物語開始前のような、利己的な自殺願望では無く 思い人を思っての行動です。 主人公が幼馴染(死人)を思い死ぬ事は主人公にとっては幸せかもしれませんが、周りは主人公の死を引きずり不幸となる偽りの幸せです。
しかし、主人公が思い人(生者)のために命を差し出すのも結局は死ぬため周りを不幸にしてしまいます。よって本作はほのかと雫 2つのルートでは主人公がヒロインのために命を差し出す覚悟まではしますが結果的にはどちらも死なずに助かる描写がとられています。
こ考えからメインとなる琥珀ルートを考察すると ラストの主人公ヒロイン共に死んで別の世界に転生したのではなく、同じ世界線の過去に飛んだ、つまりは2人の死は無くなったと考えることがしっくりくると思います。

「悲しむ人がいないように魂は元ある場所へ帰っていく」元ある場所=死では無く 元ある場所=最大限悲しみが生まれない場所
これこそが本作の言いたい事なのではないか?私はそう考えます。

波間の国のファウスト 感想

作品概要・評価点(ネタバレ無)

[作品概要]
エロゲとしては珍しい経済学がテーマで比較的評判は良いと言えます。
しかしキャラデザや販促がイマイチパッとしなかった点もあり微妙な知名度となってしまった作品でもあります。

[評価点]
シナリオ:B+
キャラ:A
ビジュアル:B
世界観:A
演出:C+
音楽:B+
オススメ度:B

総合点 75点



作品概要・評価点詳細(ネタバレ有)












[作品概要]
本作は上でも書いた通り経済学がテーマなのでインテリチックなシナリオとなっています。専門用語が大量に使用されるため全てを理解するには事前知識必須です。
サブテーマである「友情」に関しては分かりやすいので、知識のない方は経済学部分を流し読みしてサブテーマのみ楽しむ方法が良いかもしれません。

[評価点詳細]

・シナリオ:B+
一本道シナリオで個別は無し
中盤の盛り上がりが良く、やや失速気味の後半を加味しても十分楽しめる内容でした。


・キャラ:A
良いキャラが多く、立ち絵が無いチョイ役にも魅力を感じました。
それ故に個別ルートが無いのが残念と言えば残念


・ビジュアル:B
無難な絵柄 時代を考えたら少し塗りのクオリティが低いかなといった感じです。


・世界観:A
隔離された経済特区が舞台
閉鎖環境故、住民のどこかズレた思考が物語の良いアクセントになっていました。

・演出:C+
特に目立った演出はありませんでした。


・音楽:B+
作品のイメージ的にもゆったりとした曲調が多く、世界観の作り込みに一役買っていました。
見せ場ではもう少し燃えるBGMがあると良かったかもしれません。


・オススメ度:B
適度に短く 変わったテーマなのでテンプレも感じさせません。少し難解+恋愛要素が薄いため小心者向けでは無いかも…

感想・気になった点

[感想]
ぶっちゃけ経済学部分は理解できる部分が殆ど無かったので、サブテーマの友情部分に触れていきたいと思います。

要約すると昔は仲良しだったが喧嘩して離れ離れになった主人公+4人の幼馴染グループをもう一度再結成しよう的なエピソード
エピローグ+1〜4章の構成 各章ごとに
話のメインとなる幼馴染がいて話が進むごとに仲間が増えていきます。
ひとりひとり主人公に対する思い入れが違うのですが、ボリュームが少ないため心理描写が足りず仲が良かった幼少期のエピソードが殆どなかったのが残念な部分です。
個別があれば、そこで詳しく説明もできますが一本道なので無理と…
しかし起承転結[起:主人公がグループ再結成を決意 承:再結成するために奔走 転:姉の死の原因判明 結:グループ再結成して外の世界へ]がハッキリしたシナリオは分かりやすく、足りない描写も良く言えばクドく無いとも言えます。
また、友情部分は、あくまでサブテーマであり本筋は経済学なので、そういった意味でも必要な描写削除だったのかなとも思いました。
自分的にサブテーマで伝えたかったは「金で物は買えるが人(友情)は買えない」だと考え、これはキャッチコピーの「いくら稼げば、とりもどせますか?」のアンサーとなっています。
いくら稼いでも取り戻せない、金は大切だがもっと必要なものがある よくある考え方ですが、金に取り憑かれた主人公が出したものとしては良い結論では無いかと思いました。


[気になった点]
経済用語に対しての説明が少ない事
いちいち説明を入れるとグダるのは予想ができるので、凝ったSF系にありがちなオリジナル用語の説明ゾーンを作った方が良かったと思いました。
正直何も調べない事を前提とするならプレイした人の1割が理解できてたら十分なんじゃ無いかレベルです。


総評
[総評]
短いながらも良い作品と言えます。
現状文系テーマの作品は伝奇ものの独壇場なのでこういったテーマは増えて欲しいと感じました。
新しいジャンルを開拓したい方は是非プレイしてみてはいかがでしょう。

Display mode : PCSP
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