波間の国のファウスト 感想
作品概要・評価点(ネタバレ無)
[作品概要]
エロゲとしては珍しい経済学がテーマで比較的評判は良いと言えます。
しかしキャラデザや販促がイマイチパッとしなかった点もあり微妙な知名度となってしまった作品でもあります。
[評価点]
シナリオ:B+
キャラ:A
ビジュアル:B
世界観:A
演出:C+
音楽:B+
オススメ度:B
総合点 75点
作品概要・評価点詳細(ネタバレ有)
[作品概要]
本作は上でも書いた通り経済学がテーマなのでインテリチックなシナリオとなっています。専門用語が大量に使用されるため全てを理解するには事前知識必須です。
サブテーマである「友情」に関しては分かりやすいので、知識のない方は経済学部分を流し読みしてサブテーマのみ楽しむ方法が良いかもしれません。
[評価点詳細]
・シナリオ:B+
一本道シナリオで個別は無し
中盤の盛り上がりが良く、やや失速気味の後半を加味しても十分楽しめる内容でした。
・キャラ:A
良いキャラが多く、立ち絵が無いチョイ役にも魅力を感じました。
それ故に個別ルートが無いのが残念と言えば残念
・ビジュアル:B
無難な絵柄 時代を考えたら少し塗りのクオリティが低いかなといった感じです。
・世界観:A
隔離された経済特区が舞台
閉鎖環境故、住民のどこかズレた思考が物語の良いアクセントになっていました。
・演出:C+
特に目立った演出はありませんでした。
・音楽:B+
作品のイメージ的にもゆったりとした曲調が多く、世界観の作り込みに一役買っていました。
見せ場ではもう少し燃えるBGMがあると良かったかもしれません。
・オススメ度:B
適度に短く 変わったテーマなのでテンプレも感じさせません。少し難解+恋愛要素が薄いため小心者向けでは無いかも…
感想・気になった点
[感想]
ぶっちゃけ経済学部分は理解できる部分が殆ど無かったので、サブテーマの友情部分に触れていきたいと思います。
要約すると昔は仲良しだったが喧嘩して離れ離れになった主人公+4人の幼馴染グループをもう一度再結成しよう的なエピソード
エピローグ+1〜4章の構成 各章ごとに
話のメインとなる幼馴染がいて話が進むごとに仲間が増えていきます。
ひとりひとり主人公に対する思い入れが違うのですが、ボリュームが少ないため心理描写が足りず仲が良かった幼少期のエピソードが殆どなかったのが残念な部分です。
個別があれば、そこで詳しく説明もできますが一本道なので無理と…
しかし起承転結[起:主人公がグループ再結成を決意 承:再結成するために奔走 転:姉の死の原因判明 結:グループ再結成して外の世界へ]がハッキリしたシナリオは分かりやすく、足りない描写も良く言えばクドく無いとも言えます。
また、友情部分は、あくまでサブテーマであり本筋は経済学なので、そういった意味でも必要な描写削除だったのかなとも思いました。
自分的にサブテーマで伝えたかったは「金で物は買えるが人(友情)は買えない」だと考え、これはキャッチコピーの「いくら稼げば、とりもどせますか?」のアンサーとなっています。
いくら稼いでも取り戻せない、金は大切だがもっと必要なものがある よくある考え方ですが、金に取り憑かれた主人公が出したものとしては良い結論では無いかと思いました。
[気になった点]
経済用語に対しての説明が少ない事
いちいち説明を入れるとグダるのは予想ができるので、凝ったSF系にありがちなオリジナル用語の説明ゾーンを作った方が良かったと思いました。
正直何も調べない事を前提とするならプレイした人の1割が理解できてたら十分なんじゃ無いかレベルです。
総評
[総評]
短いながらも良い作品と言えます。
現状文系テーマの作品は伝奇ものの独壇場なのでこういったテーマは増えて欲しいと感じました。
新しいジャンルを開拓したい方は是非プレイしてみてはいかがでしょう。