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黄昏のエロゲ感想

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ゆきうた 感想

作品概要・評価点(ネタバレ無)

[作品概要]
フロントウィング うたシリーズの第1作目 ジャンルとしては鬱+若干の伝奇要素といった感じです。
シナリオはグリザイアで有名なフジリュー氏が手がけており共通ルートは明るいギャグ調で進んでいくので、鬱ゲー初心者の方にはやりやすい作品かもしれません。

[評価点]
シナリオ:A-
キャラ:B+
ビジュアル:A+
世界観:B-
演出:B-
音楽:B
オススメ度:B+

総合点 79点



評価点詳細(ネタバレ有)












[評価点詳細]

・シナリオ:A-
短くまとまったストーリーと心に残るエンド コメディ調の共通と良くできたシナリオになっていました。
鬱要素が結構強い人を選ぶストーリーなのがネックかもしれません。


・キャラ:B+
性格面に難ありのキャラが少し多めに感じました。最近の可愛いだけのキャラとはいい意味でみ悪い意味でも違ったキャラ設定です。


・ビジュアル:A+
時代を考えるとかなり綺麗です。
フミオ氏の原画はこの時期が一番魅力的だな〜とか思ったり思わなかったり…


・世界観:B-
よくある学園モノ モミの木設定はありますが特に目立った部分は無いように思います。


・演出:C
イマイチな部分 せめて挿入歌とEDはあるべきだと思いました。


・音楽:B
そこまで印象には残りませんでしたが冬ゲーらしい静かなBGMが多かったです。


・オススメ度:B+
全体的な完成度は高いです。しかし鬱態勢必須なので敷居は高いかも…?


考察・気になった点

[考察]
「奇跡は起こるが幸せにはならない」
本作を一言で表すならば、このような言葉になると思います。

この作品で一番の要が願いを叶えるモミの木という設定です。これは雪の日に本気で願いを祈ると代償と引き換えに望みを叶えると行ったものです。
一見すると御都合主義作成の設定に思えますが、ほぼ全てのルートにおいて願いは叶っても幸せとは言い難いENDでした。

ヒロイン毎にENDが2つ用意されおり、フジリュー氏担当ルートの方はわかりやすいBAD ENDとGOOD END
ヤマグチノボル氏担当のルートは、人によってどちらがGOOD ENDか解釈の変わるストーリーとなっていました。
フジリュー氏担当のルートはBAD ENDが非常に刺さり、特に雪那の介護ENDはTOPクラスの鬱々しさを感じられます。
しかしながら、GOOD ENDが非常に安っぽいという欠点が挙げられます。最後の最後で無理矢理幸せにした感が伝わって来てマイナスです。個人的に鬱ゲーはどれだけ御都合主義感を撤去できるかが作品の質を上げるポイントであると考えているので、BADの出来が良かっただけに残念と言わざる得ません。

そういった意味ではヤマグチノボル氏のシナリオは鬱ゲーの魅力を十二分に発揮したシナリオであったと思います。
特に評判の良い由紀シナリオはモミの木の代償が必要な設定をうまく使っていたと言えます。盲目が治ったが主人公の顔を知らないヒロインとヒロインの顔を知っているが代償に視力を失った主人公がお互いを認知出来ずにすれ違うシーンなどは心に来るものがありました…

今複数ライターの場合シナリオに差が出るのは仕方がないことかもしれませんが今回はどちらも一長一短バランスのとれた出来栄えであったと考えます。キャラの性格などもそこまで差が出ていなかったのでライター感でのやり取りがうまくできていたと思いますし、それだけ力の入った作品なのだと思いました。



[気になった点]
本作で気になったのは、共通のブツ切れシナリオと演出面です。
共通は全体マップからヒロインのアイコンを選択するタイプですが その選択量が謎に多くエピソード間の繋がりが薄いため、出来の悪いSSを見ている気分になります。
このような形式にするのでは無く単純に
序盤で個別分岐にした方が良かったと思いました。

演出面に関しては、淡白な印象を感じたので もう少し頑張って欲しかったです。本作のような地味目の設定の場合 重要な場面で挿入歌を入れたりBADENDで余韻を残すために特殊なイベントを組み込んだりするべきだったのではないかなぁ…?と思ったりしました。


総評
[総評]
いくつかの欠点はあれど 心に残る良い作品でした。 フジリュー氏がシナリオ担当でフロントウィングから出ている事を考えるともう少し知名度があっても良いと思いますが、この何処と無く寂れた地味さが作品としてピッタリな雰囲気なのかな〜とか思ったりします。
鬱ゲー好きな方は是非オススメの作品ですのでやってみてください。

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