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黄昏のエロゲ感想

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スワローテイル 感想

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作品概要・評価点(ネタバレ無)

[作品概要]
NIKOの2作目として発売された本作
過去と未来を交互に描写していく技法をとっており、前中半までは過去のトラウマ脱却 終盤よりSF展開という珍しいといえば珍しいストーリーに仕上がっています。
圧倒的なボリューム不足や、ルート格差などが見受けられますが光る部分のある良作です。

[評価点]
シナリオ:B+
キャラ:A
ビジュアル:A+
世界観:B+
演出:S+
音楽:S+
オススメ度:B

総合点 76点



感想
プレイして直ぐの率直な感想としては、ひっじょーに惜しいなってもうちょっと頑張ればなーって感じです。
まず1番の問題が上でも書いたボリューム不足な点 全5ルート(実質4ルート?)ですが、1ルートあたり2〜3時間でクリアできてしまいます。共通は5時間ぐらいだったので合計で13〜15時間程度でしょうか…

別に短いことは悪くないですけど、無駄も多いんですよね、本作品…
まず優奈失踪という過去のトラウマからの脱却が表現したいなら、正直紗江子ルートは無駄ですし、将来の夢 未来ノ自分を描きたいなら、えりなか有華どちらかのルートがあればいいしで、全体的とっちらかってるんですよね… 格ルートしっかり尺とってテーマ毎に書き切る事ができるんなら別ですけど、現状ミドルプライス何の文章量でやる構成じゃないですね…


とはいえ良い部分も勿論あります。それは演出関係  特に引きの演出(起承転結の起承にあたる部分)ですね。

そもそもが過去と未来を交互に描いていて、主人公及び周りの問題要因は基本的に過去に起きてる訳ですよ。つまりは読み手側である此方は知らないのに登場人物達は知ってるという状況からスタートするんで意味深な会話が多くて単純に先が気になるんですよね。
そして名曲であるナツノヒを流すタイミングも完璧と言ってもいいでしょう。序盤にやたら自空間移動の豆知識を出しておいての優奈からのメール、これにより最初は現実的な設定かと思いきや、一気にSF?と思わせておいての実は犯人は理恵だったオチ
そっからは当初のイメージ通りSF要素ゼロ で進んでいきますが、架純ルートできな臭さを醸し出してからの理恵&優奈ルートで一気に終わっと思わせていたSF展開を巻き返す!これはうまいと思うましたね〜 本当のラストのオチをもう少し王道に持っていけてたら尚よかったかも。あれはアレで好きですけどねw


以上の事から悪い部分と良い部分の差が激しい作品ですかね〜 決して頭ごなしに褒めたり貶したるは難しいですし、中々人に勧めづらい感じです。




考察

テーマについて
本作では、大きくわけて2つあります。

1つ目が「過去との訣別」2つ目が「未来への意志」となっています。現代を軸に過去と未来へのテーマを描いていく感じですね。


基本的に過去との訣別に関しては優奈の失踪事件に対するトラウマがメインですかね。紗江子ルートだけは、させこ事件に対する引け目なんかもありますけども…
未来への意思はルート毎にバラバラですけど、分かりやすいのは有華の女優になりたい願望や紗江子と再び会う約束なんかですね。

大トリの理恵&優奈ルートでは、大元の失踪事件そのものを消す事でトラウマからの物理的な脱却をしつつ、優奈(架純)と再び巡り会えた後でも理恵を選ぶ事で精神的脱却も表現しているのは良いと思いました。












ラストについて
中々に人を選びそうだなと感じましたね… 優奈失踪世界線の優奈(架純)は幸せになっていないどころか、普通に不幸よりですからね。架純目線で見てももう1人の自分が幸せになっていくのを延々と死ぬまで見るだけですし闇落ちしてもふしぎじゃないかも。
そもそもが理恵を選んだ理由ってのが作中の描写だけでは、薄くて幼馴染だから程度しか分からないんですよね、子供時代のエピソードとかも無いですし。

別に理恵とくっつくのが悪いって訳じゃ無いですけど、だったら架純さんの幸せになるエンドも欲しかったなって考えちゃいますね。なんなら全部終わった後、架純ルートのぶつ切りENDと同じ世界線でOP前にあったメールのやり取りがもう一回起こって、神社で髪の毛を白く染めた架純さんが正体を白状する直前でENDからのナツノヒEDとかめっちゃ燃えそう。











紗江子について
多分ライター的にはあまり重要ではない?サブルート扱いなんでしょうけど、自分はこの娘のルートが一番楽しめましたね。

別れた理由っていう謎が最後の最後まで付き纏うんで飽きずに進められますし、過去と現在の2人がどんどん惹かれあって、また離れていく部分のリンクも文章構成に凄くあっているように思います。
ラストのオチが数年後で未来への意志もしっかりと描かれていますし。
短いながら序盤 中盤 終盤と隙が無いシナリオだったなと思います。他もこれぐらい仕上げてくれればボリューム不足も感じなかったかも。
初っ端が紗江子ルートだったんでちょい期待しすぎてたかもですねw













総評
[総評]
キャラ設定は良く、絵や音楽も世界観にピッタリなので雰囲気ゲーとしては結構な出来栄え。SFや青春モノとしてはやや描写不足 練り込み不足といったところでしょうか。
なんだかんだ、それなり楽しめたので途中でリタイアしてしまった同メーカー作のゴールデンアワーも何処かで再チャレンジできたらなと思います。
ナツノヒは神!

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