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アオナツライン 感想

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作品概要・評価点(ネタバレ無)

[作品概要]
発売したから、メキメキと評価点が上がっていき、それと同時に値段も上がっていった、戯画の当たり作品。王道中の王道を行く舞台設定とシナリオで小手先では無い真っ向勝負で高評価を得たのは素直に好感を持てます。
2021年現在でも若干プレミアゲーに片足突っ込んでる点からも一過性のものではないのがわかります。


[評価点]
シナリオ:A-
キャラ:A
ビジュアル:S
世界観:A
演出:B+
音楽:A
オススメ度:S

総合点 83点



感想
例えるならTHEど安定って感じの作品でした。 これやったらウケるんだろー?を実際にやって実際にウケた的な

内容もパッケージからの想像通りで、青春 もとい青夏の学生恋愛で思春期らしい悩みから来るちょっとしたシリアスとイチャラブ 前編通しての爽やかな雰囲気で進んでいきます。 でっかい大穴狙いじゃなくてちょこちょこ点数を稼いでいくタイプですので万人ウケもしやすいのが良いですね〜

自分も基本的には加点部分しか無いんですけど、一点気になった点が…
考察でも書くつもりなんですがテーマ性を重視するあまりの結末の弱さだけが残念でしたね。 後味悪し…とまでは言いませんがモヤモヤしたものは残るラストです。(特に唯&ことねルート 結局どうなったんって思ってしまいました。)


まぁ本当にこの点ぐらいしか大きく気になったのは無いですかね??(千尋の家族関係や主人公&海希の小学生時代の描写不足ぐらいかな?)
人気あるのも頷けるなって感じの内容でした!!!












考察

テーマについて
本作のテーマは「変化と前進」ですね。明言されてたのは海希ルートですけど他2人のシナリオでも、このテーマを軸に書かれていたかと思います。



先ずは「変化」について
海希は仲良し3人の解散、唯は転校、ことねは、アイドルを目指す…
ストーリー内で変化についての描写が多く見られました。(この他にも中学生時代の幼馴染と関係性や学園デビュー、決められたレールに自ら戻る等々 複数あります。)

次に「前進」
これが本作の難しいところ テーマが変化だけだったら楽だったんですけどね…
何が難しいかというと、アオナツラインのライターさんは、この前進という部分に大分こだわりがあるのか結末を描くとそれが到着になってしまい、進みが止まってしまうと考えているみたいなんですよね…

これが感想でも述べた気になった部分に繋がってくるんですけど、作中で述べられた問いに答えを出していないんですよ。上でも書きましたが答えを出したら歩みが止まる事になって進行が止まると。
ですから、ことねは結局あれだけ努力したアイドルデビューが出来たのか不明ですし 主人公は唯の隣で歩み続けられたのかも不明 千尋がバスケで全国大会に出場出来たのか? 幼馴染3人が2人と1人になっても問題は無かったのか?その結果は? 全部全部 分からないんですよ。 だってそれを描写したらそこで物語が完結 終わってしまう。アオナツ
『ライン』 が途切れてしまうんです。


結果、唯 ことねルートでは雰囲気としては爽やかスッキリなのにストーリー的に消化不良気味になってしまっているわけです。勿論ありがちなおまけストーリーや後日談などもゼロです。
諸刃のつるぎですね〜
テーマを取るか 後味を取るか ライターさんは前者を優先させたようですが…












海希ルート ラストについて
[テーマについて]で述べた ラストのモヤモヤ感を巧く解消したのが、海希ルート。
ここでは、最後に物語が始まる前 夏では無く春 4月時点でのキャラの視点にて締めくくります。 出会う前 最初の更に前 ラストにスタートを持ってきたという事です。

いやー本当に上手いことやったなって思いました。テーマ的にゴールはダメでもスタートは大歓迎なんですよ。結局何も解決して無いですけど、他2人と比較すると格段に読了感が増します。
読み手側は起こる事を全て知っていますから、キャラ視点での思いと未来を照らし合わせて今後の変化と進行に再度浸れます。良い締め方!













気に入った点について
細かい加点が多いと称した本作ですが、その中でも個人的に特大花火を打ち上げた部分があります。

それが中学時代の海希の心理描写 特に主人公との仲を友達にからかわれてキレたシーンです。 ここでの表現は本当に上手く、内心 好意的でありながらも思春期入りたてであるが故の異性への距離感が掴めていない所や恋愛への恐怖がこれでもかと詰め込まれています。海希が主人公&友達にキレた理由 たまたま幼馴染になっただけ 結局コレも正しいんですよね。 その大切さに気づいていないだけで…
海希も主人公がもしもクラスで目立つ立場だったら対応が変わっていたかもしれない点を良い。 好きなんだけど、クラスで目立たない所謂インキャよりの主人公とくっつくのが恥ずかしい 高校時海希ではあり得ない感情がテーマである変化を彷彿とさせます。

だからこその小学校時代の描写も必要だと思うんですよ。 高校時のギャップで読み手側を殴っていく 疎遠になった部分で殴ってくるのもアリっちゃアリなんですけど、やっぱ 仲良し小学校時代→疎遠中学時代→からの拒絶と
この流れが最高にあのシーンの良さを引き出せると考えますね。というか全体的に過去編がボリューム不足 今ですら個人的評価を爆上げさせてる一因ですから、もしココがもーっとしっかり書いてくれていたら本当に神作レベルだったかも… 惜しい











最終的に伝えたい事
最終的にライターにとっての「変化と前進」とはなんなのかについて考えていきます。

まず変化は良いことなのか悪いことなのか?作中でも変化で仲良くなっている一方疎遠にもなっています。 つまるところ変化とはした方が良い しない方が良いと言った現象では無く「「しざる終えない事」」なんだと思います。
嫌だ嫌だと思っても結局きてしまう事実 それが変化です。ならどうするか、そこで重要なのが受け入れ前へと進むことというわけです。 変化を恐れず自分の望む未来を手に入れるため今を精一杯全力で生きる。次のステップへと進む!これがライターの伝えたかったことなのかと思いました。











総評
[総評]
自分は、どちらかといえば終わりよければ全て良し派なので、アオナツラインのような最後が尻すぼみ系は評価が低くなりがちですが、そこを過去編でカバー
最終的に良作で落ち着いた的な感じですね〜
内容的にも初心者向けですし、近年パッとしない戯画としては、かなり頑張ってくれたかなって… 結構満足しましたw

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