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黄昏のエロゲ感想

エロゲ感想ブログ たまにオススメ書いたりする。

ナルキッソス ゼロ 感想(簡易版)

作品概要・評価点(ネタバレ無)

[作品概要]
ナルキッソスシリーズ5作目
3作目のナルキ3は番外編のため実質SIDEセカンドの続編となっています。
ナルキッソスという物語が始まるキッカケのエピソードが書かれており、どこか後ろ向きだった前作までとは違い 明るい雰囲気で進んでいきます。
1、2をプレイした方に是非やってほしいと思えるような作品でした。


[評価点]
シナリオ:A+
キャラ:A
ビジュアル:B-
世界観:B+
演出:B+
音楽:S+
オススメ度:B

総合点 85点



感想(ネタバレ有)

●本作のテーマ
本作のメインとなる軸は「始まり」であると私は感じました。
これはストーリー的にも7Fや伝わるルールなどの誕生を描いた内容でしたし、ヒロインと主人公の出会い(始まり)から別れまでを前作以上にしっかりと描写していたところからも伝わってきました。
そもそもタイトルがもう始まっている1では無く始まる前の0となっている事からして、「始まり」がテーマなのは、ほぼ間違いないと思います。


●死とは終わりなのか?
本作のメインヒロインである陽子も歴代ヒロイン達と同じように最終的には去る者としての宿命を全うして物語は終わります。主人公とヒロインの出会いが始まりならば死に別れは終わりなのか?

作中での、この考えはヒロインの行動によって否定されています。陽子は残したモノが継続されている間は自分は生きている終わっていないといった意思を持ったまま陽子は息を引き取りました。
そして陽子の残した7Fのルールはエピローグにてナルキ初代主人公によって消えることなく伝えられています。
つまり、残したルールが続いている以上陽子の意思は死んでおらず死=終わりでは無いというメッセージ性の込められたシナリオであるとと同時に
(陽子→姫子→セツミ→初代主人公→千尋とルールは伝え繋がっていく)
この部分から本作は「始まり」がテーマでは、ありますが それと同時にナルキ1+2と同様に「受け継ぎ」がテーマであると言えます。


●去る者と残されるもの
SIDEセカンドで綴られていた、このテーマは本作でもストーリーに食い込んでいました。

病気が発覚して主人公の前から姿を消した陽子 これは、妹を遠ざけていた姫子と同様の思いからくる行動であると言えます。ヒロシは当初思いを汲み取り、別れを容認していました。しかし最終的に主人公は陽子を探し物めてしまいます。この事から、もしもコレが失踪ではなく死に別れで陽子に拒絶されたまま一生の別れになっていた場合 主人公は死んだ陽子の影を追い求めてしまうことになると予想できます。


去る者が残されるものを思って関係性を断つのは、あまり良い行動とは言えない

「残されるものを本当に思っての事なら最後まで一緒にいるべき」
上記の事からSIDEセカンドで書かれたこの思いがナルキゼロでも表現されている事が分かります。
これも一種の継続 受け継ぎと言えるかもしれません。


●陽子最期の言葉
陽子が死ぬ直前に伝えたルールは一体何だったのか?
明確な答えは無いのでヒロシがセツミに言った、「君はもう知っているはず」といった発言から考えるしかありません。

私は、「死ぬ時には笑う」これなのかな?と思いました。
時代を経た変化していくうちに無くなってしまった初代の「死ぬときは笑う」というルール コレを初代ナルキのヒロインが復活させたと考えると綺麗にまとまります。
ヒロシの君はもう知っている発言も、水着を着てグラビアアイドルのように笑いたいというセツミの願いを感じとっての発言だと考えられます。


●まとめ
ヒロインとの出会い 発展 別れ
この定番の流れを崩さずに前作までの共通テーマと本作のメインテーマを表現したシナリオは非常に出来の良いストーリーであると思います。
文字通り始まりであり総括でもある物語なので、ナルキシリーズをプレイするつもりのある方には絶対にやってほしい作品です。

ナルキッソス 1+2感想

作品概要・評価点(ネタバレ無)

[作品概要]
ステージナナの出したフリゲー
非常に有名&人気で続編製作やコンシューマ化もされています。
ジャンルとしては泣きゲーに属していて余命宣告 病人系のシンプルな設定とライターである片岡ともさんの死生観が魅力の作品です。

[評価点]
シナリオ:A
キャラ:B+
ビジュアル:B+
世界観:A
演出:B+
音楽:S+
オススメ度:S

総合点 83点



評価点詳細(ネタバレ有)













[評価点詳細]

・シナリオ:A
地の文が多く心理描写にメインを置いたテキストでした。
今回はナルキッソスとその続編にあたるナルキッソス2をプレイしましたが、2作ともテーマにしている部分が違っているので飽きることなくプレイすることができました。


・キャラ:B+
登場人物が多い割にインパクトが弱いキャラが多い気がしました。
作風的にあまり目立ったキャラにしない方がいいのは理解できますが、1の男主人公はもう少しキャラ付けしても良かったのでは…?とか思ったり。



・ビジュアル:B+
基本的に立ち絵なしの背景のみで進みますが、重要な場面でのCGはかなり出来がよかったです。
とはいえ数が少ないので、もう少し多くても良かったかもしれません。


・世界観:A
遣る瀬無さと優しが入り混じったような世界観
1は遣る瀬無さ成分が多いのに対し、2は優しさ成分が多かったように感じました…
片岡ともさんがライターですが、あまりねこねこっぽさは無く、新鮮な気持ちで進めることができました。




・演出:B+
凝ってはいませんが、味のある演出
黒一色のテキストボックスや立ち絵が無く背景だけで進む部分など余分なものをこそげ落として物語に感情移入しやすくなっていました。
個人的にお気に入りの演出は最初のCGが出てくるシーンです。「彼女が初めてまっすぐこちらを向いた」のテキストと同時に主人公と同じくプレイヤー目線でも初めてセツミのCGを見ることになるので序盤で感情移入するための掴みとしては最適の演出であったと思います。


・音楽:S+
本作で一番目立っていた部分です。
OP ED 挿入歌で合計4曲あり、BGMもかなり力の入っていました。
ボイスありver なしver選べるのもBGMのみで世界観を楽しむ事を意識した上での設定なのでしょう。


・オススメ度:S
フリーゲームで短く
設定的には重いですが、描写・展開的には比較的爽やかな気持ちでプレイすることができるので、ノベルゲー初心者の方にも、かなりオススメできる作品です。


感想

[感想]

ナルキッソス1

ナルキッソス1は2に比べて死生観成分が弱めにされていたように思います。
というよりもプレイしていて私的に死を死では無く1つの意思表明として表現されていたと感じました。
なぜ意思表明なのか?それはセツミの死が無意識に起こる死 避けようのない死ではなく、「自殺」という文字通り自ら選び取った死であるためです。
余命宣告を受け世界から拒絶され、拒絶された事を認めたくないがため期待する事をやめたセツミ。この考えは願いや夢があったとしても期待しない事挑戦しない事で、もしもあの時ああしていれば叶っていたかもしれないといった言い訳を自分自身にするためのものです。
100%叶う事のない夢だとしても、実際に試さなければ叶わないと確定することは無い、もしかしたら病気が治って水着姿でモデル雑誌のような笑顔でいる自分もいたかもしれない それぐらいしかセツミにできる幸せを感じる方法は無かったのでしょう。

しかし最終的にセツミはこの考えを捨ててしまいました。理想とはかけ離れていても笑顔で水着をきて撮影会をし、最後には自分の意思で自殺をしました。
期待しない行動しない挑戦しない
IFの自分を想像して準備をし続けるだけだったセツミが行った最初で最後の抗い
これこそ自意識であり最初に書いた「死=決意表明だと考えた理由です。
この作品のテーマは死生観ではなく自意識 以上がナルキッソス1を通してライターが伝えたかった事だと思いました。



ナルキッソス2

ナルキッソス2は1に比べて明らかに死生観について大きく触れておりハッキリとした泣きゲーとして作られていました。
それ故に前作に比べると演出過多というか、どこかクドい印象を受けてしまう方もいるかもしれません。
しかし個人的にメッセージ性といった意味合いではこちらの方が描写が多く
より顕著に感じる事ができました。

本作のテーマは死生観
特に「去る者と残されるもの」に重点を置いたシナリオとなっています。

2の主人公である姫子は、元ヘルパーの7F余命宣告者という設定です。
ヘルパー時代に友達となった女の子との死に別れた経験から去る者は残されたものを悲しませてはいけないといった考えを持つようになりました。この考えから妹を遠ざけたり、ルールに友達を作るなを追加したりしていました。
そんな彼女が前作主人公と仲良くする事を選んだのは、同じく病気持ちであり去る側にも残される側にもなり得る中途半端な存在 例外的な存在といった考えからだと私は考えました。
作中では明記されていませんでしたが、おそらく姫子にとってセツミはパトラッシュに近いポジションだったと思います。


・神様への文句を辞めた理由

終盤にて姫子は最後の願いである女の子を殺した神様への文句を結局辞めています。この理由はシンプルです。
もしも神を否定するならば、女の子が最後に神に願った残される人に笑ってほしいといった思いをも否定する事になるからです。
ブロッコリー嫌いやパイナップルの木など姫子は女の子が死んだ影響を色濃く受け継いでいます。そんな彼女が女の子の子を否定する事など出来るはずもなく最終的に友達を作るなのルールも撤廃しています。
この際ロザリオをセツミに渡していないため自殺=神への謀反=女の子の思いを踏みにじる事になるため恐らく自殺もしてないと思われます。



●まとめ
ナルキッソス 1+2 全体としての軸は思いの「受け継ぎ」だと言えます。
ナルキ2で姫子は女の子の思いを「受け継ぎ」そんな姫子の思いをナルキ1でのセツミが「受け継いで」笑って死んでいきました。
エピローグではナルキ1の主人公が、そんな彼女の死に際に感嘆し、7Fのルールに笑って死ぬ事を付け足しています。
そして姫子の妹である千尋がそのルールを主人公から「受け継ぎ」次へと伝える決意をして物語は締めくくられています。セツミは思いを手に入れた事で「受け継ぎ」を可能にしましたし、姫子は友達を作る事で「受け継ぎ」を可能にしました。

この2人は最後には幸せを感じて死んでいます。よって去る人は、なにかを残される側に渡すべきであり 残された側はその渡されたものに意味を見出すべき。
この行動こそ両者ともにしあわ幸せになるための方法だ…
本作が最終的に言いたかったのは、このような事であると私は感じました。










総評
[総評]
安定したシナリオに抜群の雰囲気
人気が出たのも納得です。
プレイ時間が短く 空いた時間にサラッとプレイでき、感動できる。
そのようなゲームを求めている人に是非プレイしてもらいたい作品です。

AQUAS 感想

作品概要・評価点(ネタバレ無)

[作品概要]
人類が滅びた後の世界
地球を支配していたのは水中で呼吸を可能にした人魚たちだった!
この一風変わった特徴的な設定の本作品
ネットでの評判はパッとせず知名度も無いので知っている人は少ないかもしれませんが、独特の設定はハマる人にとっては、とことんハマるストーリーとなっています。

[評価点]
シナリオ:A
キャラ:B+
ビジュアル:A-
世界観:S-
演出:C-
音楽:B-
オススメ度:A

総合点 79点



評価点詳細(ネタバレ有)













[評価点詳細]

・シナリオ:A
SF 哲学 ファンタジーを混ぜ合わせたようなシナリオ
終盤 一部の展開について説明不足な点はありましたが、とにかく退屈せずにプレイする事が出来ました。純粋にプレイしてて面白いタイプのストーリーです。


・キャラ:B+
全体的にキツイ性格のキャラが多いように感じました。
ツンデレ系統のヒロインは自分的に割とアリなのですが、この部分が難点になる人もいるかもしれません…


・ビジュアル:A-
流石に今見ると古臭い絵ですが、意外にも完成度が高いです。
2000年初期に多い判子絵では無いですし、コメディシーンのCGではキャラの表情が多彩なので見ていて楽しいです。


・世界観:S-
本作一番の魅力ポイント
一見のどかに見えてどことなく退廃したような田舎町 人魚 神 幽霊と…
近年のありふれた学園ものには無い良さがフンダンに使われています。


・演出:C-
イマイチな部分…
終盤に強制オート機能になる演出があるのですが、この終盤部分で割と重要な描写を入れてあるため読み込んで理解しようとしても直ぐに次のテキストに行ってしまいます。
正直 無駄な演出だと思いました。


・音楽:B-
いかんせん数が少なく 何度も同じBGMを聞く羽目になってしまいます。
せっかくBGM自体は良い出来なので、種類を増やして欲しかった感が否めません…


・オススメ度:A
変わった設定ではありますが、ある程度までは理解しやすいですし、絵柄も時代を考慮すれば十分綺麗と言えます。
環境面が難点ですが、win10 ならば有志パッチを適用すれば問題はありません。
ネット評判に左右されずにプレイする事をオススメします。

感想・考察・気になった点

[感想]
個人的に物凄くツボに刺さった作品でした。
作品全体を通してはSFと若干のファンタジー 個別ルートは雪花が鬱、九月がバトルファンジー、小鮎& 美由菜は感動路線とそれぞれテーマがバラけていて読み手を飽きさせることが無い構成になっていました。特に面白かったのは、トゥルーと小鮎ルートです。
それぞれのエンドでバラまいてきた伏線を回収して一気にどんでん返しを決めたトゥルールート
強気なキャラが実は過去に…的な設定で安易なお涙頂戴に持って行かず鬱々としたされど最後はスッキリとできる感動路線の小鮎ルート
どちらも王道とはズレていましたし、トゥルーの方は描写不足な部分もありますが、十分良作と言っても良いシナリオであったと思います。
しかしこれらのサブキャラシナリオのパンチが効きすぎておりトゥルーへと繋がる 序盤のメインルートとされる雪花ルートのパワー不足が目立ちます。
ラスト間際 ロリ化した雪花と主人公をすれ違わせたのは良かったのですが、その後の流れが安直すぎたので、この部分をもう少し捻ったら良かった感はありました…


[考察]
本作は一部描写が足りないポイントもあるので考察は難しいのですが、自分なりの解釈を書いていきたいと思います。


●人類滅亡の理由

本作開始時より大昔 ヒトがまだ生きていた時代に人類はネオ物理学と言った学問を発見します。これについては特に詳しい説明はありませんでしたが、この学問を利用しているっぽい描写のあった美由菜が魔女扱いされているので実際魔法のようになんでもできるようになる技術なのだと推測されます。
ヒトはこれを利用し水中で呼吸できる人魚を作り上げたのですが、ある一定の歳まで成長すると若返りを起こす副作用が発見されました。雪花のような赤羽の民はこの副作用が色濃く出るような遺伝子を持った一族なのでしょう
その後ネオ物理学を研究する施設で事故が発生し地上が汚染され人類は滅びてしまいました。この際に海に逃げた人魚たちが反映し栄えた世界が作中の時間軸です。


●美由菜について

人類滅亡時の生き残り
彼女のルート終盤にて半分人魚半分人類だと口を滑らせていたので、赤羽の民の若返り副作用と人間の老化が互いに作用しあい老化しないのだと推測されます。
人類復活のために主人公のクローン(厳密にはクローンでは無いが)を何度も作ってきていますが、この人類復活とは遺伝子情報としてのヒトでは無く生き方考え方を含めたうえでのヒトなのでしょう。作中の「エイジ」が今まで誕生したどのエイジよりも特別扱いされていたのは「エイジ」が、より人間らしいエゴを持っていたからだと考えられます。


●OZについて

主人公と冬花を時の止まった世界に閉じ込めたり、アヤメを別世界から連れてきたり、小鮎の過去を言い当てたりと…個別ルートにて起こる事件の原因を作る謎の男
おそらくは美由菜と同じく滅亡時代の生き残りだと思われます。
上記のように異世界に行ったり過去に行ったりする力を持っていますが、コレはネオ物理学の力を使っているのでしょう。正体を明かした際 美由菜が「男運が無い」とボヤいているため、深い関係の間柄だったのかな?とか思ったり…

このカミングアウトの際OZは美由菜に対し「彼と私の関係性に気づかなかったのか?」と発言しています。彼=主人公だとするなら、エイジはOZと親子関係 美由菜とOZは恋人関係でエイジは2人の子供 これならば、美由菜が人類復活=エイジ復活としている理由も理解できます。実際に美由菜は自分自身をエイジの親代わりと自称しているわけですし十分ありえる展開ではあると思われます。まぁコレに関しては完全に妄想の域を出ませんが...

仮にこの考えがあっているとするならば、トゥルーでのOZと主人公の哲学じみた問答は、自らの息子が人類たり得るかを問うテストだったのでは無いかと考えられます。以下がOZの問いと主人公の答えです。



Q:「本当の自分は大切か?」

A:「本当の自分に嘘をつくのは良く無いことであり、仮に嘘をついた方が幸せだとしても それを壊すべき。」


Q:「力とは何か?」

A:「力とは人と戦わないために必要な力
所謂 抑止力他者を守るために必要なものであり、勝負に勝つこととは別にある。たとえ進化する道を捨てることになっても力は捨てるべき。」


Q:「何故雪花を選ぶのか?」

A「小鮎や九月と違い雪花は俺と関係を持ち過ぎてお互いがいないと生きていけない。例え2週間しか一緒にいなかったとしても幸せにしてやりたいと思った。」


この3つの回答は自分の考えを通すために「幸せを・進化を・小鮎と九月を」を犠牲にする事を許容しています。
このエゴこそヒトはヒトたり得るか条件
人魚には存在しないモノなのだというのがライターの考えなのでしょう。
実際にOZは作中で口には出していないもののエゴの存在を確認して主人公を(息子を)ヒトと認めたのだと思います。


●主人公が他ENDの知識を有していた訳

これに関しては異世界に渡る力(主人公が他ヒロインを選んだ世界)を持つOZの力が作用したのでは無いかと言えます。

この件に関しては主人公が過去のエイジ達の記憶があるのは説明されましたが、IFの世界 自分が選ばなかったルートの知識を持っている説明はされなかったので、完全に推測するしか無いですね。この部分が終盤のわかりにくい説明不足ポイントの1つです。
まぁOZが他の未来を見てみる発言をしていたので、この考えであってるとは思いますが…


●アレクについて

正体は不明です。
異世界渡航を可能にする半ば神のような存在であるOZがアレクに対してビビり散らしていたので、本物の神かも…?程度の情報しかありません。

物語を傍観者の立場として見ており、偶に主人公にアドバイスをして助け 作中世界にてほぼ絶対的な力を持っているOZですら手出しできない存在
メタ的な考えならば、主人公に対するアドバイスを選択肢を選ぶプレイヤー(画面の前の自分)の代理者と解釈出来ないことも無いです。



[気になった点]
やはり一番気になったのは、アレクとOZの正体 そして冬花ルートで主人公が小鮎&九月ルートでの出来事を知り得た理由ですかね。一応の説明や解釈は考察でしましたが、なにぶん情報不足で妄想の域を出ないのが殆どなので、他の方の考えも見てみたいです。
もっとも結構マイナー作なのでネットでの感想も中々なく合ってみ簡単なものばかりなので上手くはいきませんが…



総評
[総評]
とにかく退屈知らずの作品なので、飽きっぽい方やのんびり系の作品が合わないかたにもピッタリです。
難点である終盤の描写不足もある意味では考察が捗ると言えるかもしれません()
個人的には最近プレイした中でもかなり面白くオススメできる作品でした。
まぁまぁなマイナー作なのでプレイする方は少ないかもですが、ぜひやって見てほしいです。

雪影 感想

作品概要・評価点(ネタバレ無)

[作品概要]
姉+伝奇ゲー
基本的に攻略ヒロインはメインである深雪だけで5つあるENDのうち4つが彼女のルートとなっています。
そのため本作を楽しむためには深雪に魅力を感じるかどうかが重要になってくるので姉キャラが根本的に苦手な人はやめた方がいいかもしれません。
とはいえ民俗学部分の作り込みはかなりしっかりとされているので伝奇パート目的に絞ってプレイするのも一興ではあると思います。


[評価点]
シナリオ:A+
キャラ:A
ビジュアル:B-
世界観:B-
演出:B
音楽:B+
オススメ度:B+

総合点 79点



評価点詳細(ネタバレ有)












[評価点詳細]

・シナリオ:A+
ファンタジーに見せかけた前半とそれを覆す後半 現実路線の民俗学部分
主人公が謎を解明する気が皆無なのでワクワク感は抑えめですが、じわじわと面白さが伝わってくるストーリーでした。


・キャラ:A
姉ゲーですが、自分はサブキャラの紫子が非常に刺さりました。好きになったというだけで、ここまで主人公に尽くすヒロインも珍しい気がします。
逆に深雪さんは、テンプレ姉感がしてどうにもといった感じ…


・ビジュアル:B-
塗りは綺麗ですが、どうにも安定感がなく同一人物に見えないCGもチラホラと見られました。
立ち絵の種類が多いのは高評価ポイント


・世界観:B-
閉ざされた田舎故の閉鎖空間的な怖さが描かれたシナリオながら、どうにも伝わってきづらい世界観でした。 良く言えば安定感のある 悪く言えばイマイチ パッとしない舞台です。
霜神伝説が掟などとして根付いている時代錯誤な村などの設定にした方が個人的には良いと感じました。


・演出:C
特にこれといった演出は無かったです。


・音楽:B+
雪国らしく静かなBGMが多いため印象には残りづらいですが、良い曲が多かったです。
EDで流れる和楽器風の曲は作品の雰囲気ともあっていてお気に入りの1つ


・オススメ度:B+
少々思い描写はありますが、十分許容範囲内だと思われますし、システム周りキャラデザなども一定レベルの基準はみたしてます。
シナリオが良いのでオススメはしやすい作品です。


感想・考察・気になった点

[感想]
1番の評価ポイントはキモである伝奇パートでファンタジーに逃げなかった事です。
田舎の雪国に伝わる雪女の伝説 冬だけ現れる姉と名乗る謎の女 戸籍が無く風呂が苦手 ここまで揃えば深雪=霜神=人間では無いとして霜神の伝承をなぞらえて最後に深雪が消滅する感動ストーリーに持って行きたくなるのが普通です。
しかし本作は、あくまで伝承には本来の理由があり 霜神も蓋を開けば飢饉時に食料となった山人の事だと描写しています。
伝奇モノは元祖である痕がファンタジー要素沢山出会ったため以降の作品も多かれ少なかれ現実離れした設定を組み込む事多いと言えます。そんな中しっかりと伝承に理由をつけて現実路線で正面から書きあげたライターさんは流石であると言わざる得ません。
このような作品がもっと増えて欲しいと願うばかりです。


[考察]
本作は「霜神伝説」「山人」「禁忌」
この3つのキーワードを元に話が展開されていきます。

◯霜神伝説
もっとも話の中核を担っている設定
簡単に説明すると霜神と呼ばれる神が飢饉時に現れ自らの体を砕き、里に富を与えるといった伝承となっています。

中盤までは、この霜神が人ならざるモノとして実際に存在するかのように描かれていますが、深雪END3にて霜神とは村人に対し飢饉時に献上された山人の事だと判明します。
自らの体を砕き里に富を与えるとは文字通り 自らの体を切り取られ食料として里に振る舞われたことの比喩です。
食人という禁忌を犯した罪を誤魔化すため自分たちが食べたのは人では無く神だからセーフという意味を込めて霜神伝説が誕生しました。

◯山人
山人とは山で暮らす人々の事であり、本作独自の設定では無く実際に柳田国男と呼ばれる民俗学者により提唱された民族の総称です。もっとも自分は、本来の山人をイマイチ把握しきれていないため、ここでは雪影の設定のみで書いていきたいと思います。
雪影における山人とは、上山村周辺の山に古くから住んでいる民族のことである。この人々は殆どを山で過ごし冬になると里に降りて生活するといった風習があるといった設定です。
この際に上山村にメリットが無ければ山人を里に住まわせる理由が無いのだが、ここで関係してくるのが上で説明した霜神伝説です。つまり生贄を貰う代わりに冬の間のみ山人を匿っていました。
そのためこの食人によって繋がっていた関係が理由で、作中の上山村では山人の話題が禁忌になっています。


◯禁忌
ここでの禁忌とは2つの意味がある。
1つが三大禁忌と呼ばれる、「殺人」「食人」「近親相姦」のことであり時代地域問わず基本的にこの3つが禁忌の中でもレベルが高いとされているそうです。
2つめの意味が約束事としての禁忌です。作中で鶴女房や雪女などのお伽話になぞらえて説明されていて、鶴女房ならドアを開けるな 雪女なら秘密を話すなといった約束事のことです。
基本的にこれらのお伽話では主に男側によって破られ悲恋となって終わっています。その流れを汲んでか本作では主人公約束を破り姉が消えるといったENDが多いです。もっとも雪影の主人公と姉は鶴女房や雪女などのようにはっきりとした約束を交わしたわけではありませんが…


◯本作が伝えたかったこと
本作が伝えたかったこととは、その場に留まって燻り死ぬくらいなら前へ進めといったテーマを感じました。
作中で三大禁忌を破るほどの変化を見せたのは、深雪 主人公 主人公の父のみですが、一般的なレベルでの変化で前へ進んだキャラは多いです。
紫子は主人公に対する恋心で女らしく変わり 香里も紫子と同じく恋心で引っ込み思案な性格を直しています。
友文、道成も自らの進路を決め前に進んでいますし、姉である深雪に至っては人を食べてでも生き残り主人公父との約束を果たそうとしました。

では主人公はどうか?END1〜3では姉の正体から目をつぶって停滞し続けていた主人公は最後には姉を失い心を壊しています。
一方で紫子、トゥルーENDでの主人公は前へ進むことを選び幸せを掴んでいます。
紫子ENDでは止まっていた時計を新しくし家を立て直す決意をし 姉のいない世界でも紫子と新しい時を刻んでいく強さを手にしました。
トゥルーENDでは現実から目をそらし続けていた自分を自分自身で否定するように吹雪の中、挫けそうになる心を叱咤し一歩一歩倒れるまで進み最終的に姉とずっと一緒にいる約束を達成しています。

「禁忌を犯す覚悟を持ってでも前へ進め」
これが本作が伝えたかったメッセージだと私は感じました。

[気になった点]
結局主人公と深雪は血縁関係があったのか無かったのかの部分が気になりました。
主人公の写真がある一定の年齢になるまで無い 蝉丸が主人公父に子供がいるのを知らなかった。 主人公は山人の血を継いでいる。
この辺の描写で実の姉弟なんだろうなぁとは思いますが、どうもネットの感想を見ると血が繋がって無いと解釈している人もいるみたいなんで少し疑問です。


総評
[総評]
安定して面白いシナリオに姉ゲーとして特化した部分があり十分良作と言える作品です。
古い絵柄でも問題ない人には是非やってみて欲しい一作です。

ぼくのゆめみるみらい感想(簡易版)

作品概要・評価点(ネタバレ無)

[作品概要]
死生観がテーマの同人作品
プレイ時間は非常に短く1〜2時間で終わりますが、短いからこそ得られる感動がある内容であったと思います。
注意点としては、メーカーの特色なのかヒロインの見た目がかなりロリンロリンしてるので苦手な方は気をつけた方が良いかもしれません。


[評価点]
シナリオ:B+
キャラ:A
ビジュアル:B
世界観:B+
演出:C
音楽:B
オススメ度:B-

総合点 74点



評価点詳細(ネタバレ有)

事故によって妻を亡くした主人公
医師の力を借りクローン技術と記憶移植を駆使して妻を蘇らせることに成功する。 しかし未熟なクローン技術では結局1〜2年の命しか持たず、ヒロインは主人公に子供を託し天国へ旅立つ…
主人公はいつか子供を立派に育て上げ 自分も彼女の元へ向かう事 それが僕の夢見る未来と決意する。

以上が大まかなストーリーとなっています。
本作にとってメインテーマである「死」とは何か?ヒロインである椎子は、最後のビデオレターでおやすみと言った事から、それは離別ではなく先行であると私は感じました。
さよならでは無く「おやすみ」おやすみはまた目覚める事を意識して言うものですが、2度目の死を目前にした椎子はもちろん永遠に目覚める事はありません。では何故おやすみなのか?椎子にとっての目覚めとは、本来の意味ではなくあの世での主人公と再会する事であると思います。つまり最後のおやすみとは私は先に逝って待ってるよ…と主人公に伝える意味を込めて言ったのだと考えました。

椎子が培養液での永遠の眠りを拒んだのも、この想いから来ているのでしょう。
培養液の中でなら死ぬ事はありません、しかし主人公と歩む事も先に行って待っている事も出来ず停滞している状態です。天国での邂逅を信じていたであろう椎子にとっては、最悪の結末と言えます。


死を覆す事はしてはならない先に行った人の足を引っ張る事をしてはならない、今回の一時の再開は託す事の出来なかった命を託すための神様くれた奇跡、作中の由利絵の心理描写からこのような事をよ読み取る事ができます。
この事と椎子の死に対する考えを統合して考えると最終的に主人公が導き出した、「僕の夢見る未来」へとなるのがわかります。
託された命を育て上げ、オモイビトノの元へ逝く、この事は中盤から終盤にかけて登場した朝顔の描写を利用してうまく比喩されています。
椎子が買った1つの苗木が、エピローグではプランターを埋め尽くすまで成長していました。朝顔が綺麗に花を咲かせ、枯れる時に沢山の種を落とす。枯れた花(死んだ人)が蘇る事は無いが自らの意思を託した種(子供)がまた成長してさらに多くの意思を紡いでいく。
以上が本作の伝えたかったであろう人間の歩むべき道であり死に対する考えであると私は思いました。

ゆきうた 感想

作品概要・評価点(ネタバレ無)

[作品概要]
フロントウィング うたシリーズの第1作目 ジャンルとしては鬱+若干の伝奇要素といった感じです。
シナリオはグリザイアで有名なフジリュー氏が手がけており共通ルートは明るいギャグ調で進んでいくので、鬱ゲー初心者の方にはやりやすい作品かもしれません。

[評価点]
シナリオ:A-
キャラ:B+
ビジュアル:A+
世界観:B-
演出:B-
音楽:B
オススメ度:B+

総合点 79点



評価点詳細(ネタバレ有)












[評価点詳細]

・シナリオ:A-
短くまとまったストーリーと心に残るエンド コメディ調の共通と良くできたシナリオになっていました。
鬱要素が結構強い人を選ぶストーリーなのがネックかもしれません。


・キャラ:B+
性格面に難ありのキャラが少し多めに感じました。最近の可愛いだけのキャラとはいい意味でみ悪い意味でも違ったキャラ設定です。


・ビジュアル:A+
時代を考えるとかなり綺麗です。
フミオ氏の原画はこの時期が一番魅力的だな〜とか思ったり思わなかったり…


・世界観:B-
よくある学園モノ モミの木設定はありますが特に目立った部分は無いように思います。


・演出:C
イマイチな部分 せめて挿入歌とEDはあるべきだと思いました。


・音楽:B
そこまで印象には残りませんでしたが冬ゲーらしい静かなBGMが多かったです。


・オススメ度:B+
全体的な完成度は高いです。しかし鬱態勢必須なので敷居は高いかも…?


考察・気になった点

[考察]
「奇跡は起こるが幸せにはならない」
本作を一言で表すならば、このような言葉になると思います。

この作品で一番の要が願いを叶えるモミの木という設定です。これは雪の日に本気で願いを祈ると代償と引き換えに望みを叶えると行ったものです。
一見すると御都合主義作成の設定に思えますが、ほぼ全てのルートにおいて願いは叶っても幸せとは言い難いENDでした。

ヒロイン毎にENDが2つ用意されおり、フジリュー氏担当ルートの方はわかりやすいBAD ENDとGOOD END
ヤマグチノボル氏担当のルートは、人によってどちらがGOOD ENDか解釈の変わるストーリーとなっていました。
フジリュー氏担当のルートはBAD ENDが非常に刺さり、特に雪那の介護ENDはTOPクラスの鬱々しさを感じられます。
しかしながら、GOOD ENDが非常に安っぽいという欠点が挙げられます。最後の最後で無理矢理幸せにした感が伝わって来てマイナスです。個人的に鬱ゲーはどれだけ御都合主義感を撤去できるかが作品の質を上げるポイントであると考えているので、BADの出来が良かっただけに残念と言わざる得ません。

そういった意味ではヤマグチノボル氏のシナリオは鬱ゲーの魅力を十二分に発揮したシナリオであったと思います。
特に評判の良い由紀シナリオはモミの木の代償が必要な設定をうまく使っていたと言えます。盲目が治ったが主人公の顔を知らないヒロインとヒロインの顔を知っているが代償に視力を失った主人公がお互いを認知出来ずにすれ違うシーンなどは心に来るものがありました…

今複数ライターの場合シナリオに差が出るのは仕方がないことかもしれませんが今回はどちらも一長一短バランスのとれた出来栄えであったと考えます。キャラの性格などもそこまで差が出ていなかったのでライター感でのやり取りがうまくできていたと思いますし、それだけ力の入った作品なのだと思いました。



[気になった点]
本作で気になったのは、共通のブツ切れシナリオと演出面です。
共通は全体マップからヒロインのアイコンを選択するタイプですが その選択量が謎に多くエピソード間の繋がりが薄いため、出来の悪いSSを見ている気分になります。
このような形式にするのでは無く単純に
序盤で個別分岐にした方が良かったと思いました。

演出面に関しては、淡白な印象を感じたので もう少し頑張って欲しかったです。本作のような地味目の設定の場合 重要な場面で挿入歌を入れたりBADENDで余韻を残すために特殊なイベントを組み込んだりするべきだったのではないかなぁ…?と思ったりしました。


総評
[総評]
いくつかの欠点はあれど 心に残る良い作品でした。 フジリュー氏がシナリオ担当でフロントウィングから出ている事を考えるともう少し知名度があっても良いと思いますが、この何処と無く寂れた地味さが作品としてピッタリな雰囲気なのかな〜とか思ったりします。
鬱ゲー好きな方は是非オススメの作品ですのでやってみてください。

ラムネ2 感想

作品概要・評価点(ネタバレ無)

[作品概要]
ねこねこソフトの健ちゃんシリーズ6作品目でラムネ、そらいろの続編作品です。
佐藤ひろ美さんの引退に合わせて作られたようで、ファンディスク的な意味合いが強く どちらかと言えば新規には優しくない内容となっていました。

[評価点]
シナリオ:B
キャラ:A
ビジュアル:A
世界観:A
演出:B+
音楽:A
オススメ度:C-

総合点 78点



評価点詳細(ネタバレ有)












[評価点詳細]

・シナリオ:B
ボリュームは少ないですが、ねこねこっぽさが良く出ていました。
しかしながら、メインである七海ルート(雨)の終盤が少し心理描写が足りなかったのここを頑張って欲しかったです…


・キャラ:A
ぽんこつ 素直妹 やかましいの3人のそらいろ構成
ヒロイン全員キャラもたっていて可愛らしいです。単純なキャラの可愛さならラムネ そらいろよりも一歩先を行っていると思います。


・ビジュアル:A
幼少期の立ち絵が個人的にはかなり刺さりましたね…
前作が古い作品なので、現代風の塗りだと違和感を感じるかと思いましたが、そこはしっかりとラムネっぽさの出ている塗りとデザインであったかな〜といった感じです。


・世界観:A
人口の少ない海沿いの田舎町
もちろんラムネ そらいろと舞台が同じなので思わぬ繋がりのある過去作キャラなども出てきます。
現代だけの設定だけでは無く過去と現代 両方を使った世界観の組み立てになっているのが好印象でした。


・演出:B+
基本はいつもの真っ黒テキストボックスを使用する、ねこねこ演出
これは視覚情報を単純にするんで物語に入り込みやすくてシンプルながら好きな演出


・音楽:A
佐藤ひろ美さんのラムネ2017を筆頭に良い曲 良いBGMが多いです。
惜しむべきは回想シーンで全てのBGMが聴けないところ…
ラムネ2017のinst.verなどはなぜ収録されていないのか…


・オススメ度:C-
評価点は高いですが基本的にファンディスク要素が多く
ヒロインのシナリオも前作をやっていること前提みたいなところがあります。またバグの件も踏まえると単純に本作だけでは、あまりオススメできないです…

考察・気になった点

[考察]
最初に言ってしまうと本作品はバグゲーです。 修正パッチを当ててもバグが酷い部分がチラホラ見受けられます。
しかしながら、ラムネ そらいろの流れを汲みつつ新しい展開を加え、さらにファンディスク要素も完備されているので全体としてはそれなりに纏まった物だと言えます。

やはり本作のシナリオで一番特筆すべき所はポンコツ枠ナナミの成長についてです。 前2作のポンコツ枠のストーリーでは健ちゃんと一蓮托生であったのに不測の事態から離れ離れになってしまい、初めて一人で立って歩く的な内容になっています。
ラムネの七海は健ちゃんが事故で意識不明になる事で離れ離れ そらいろのつばめは娘の治療のため一人都会へと引越し、つまりは健ちゃんから自主的に離れてはいないことになります。

一方でラムネ2のナナミルートでは幼少期ナナミが今後成長していく上で自分が健ちゃんの足を引っ張る未来を危惧して引っ越してしまいます。つまり不測の事態では無く自らの意思での健ちゃんと離れ離れになる為の行動と言えます。
無論シナリオの流れとして再び主人公と出会い 結ばれるわけですが、この際に彼女は自分の力で健ちゃんに追いつき離さぬよう同じ歩幅で歩く事を選んだわけです。
前作2人との大きな違いは、この自主性にあると考えました。ナナミは別れるのも再度繋がるのも自分の意思で選んだのです。
ラムネの七海は結局は眠っている健ちゃんに依存していたため大きく成長したとは言えません。 そらいろのつばめは、都会での生活で成長はしたかもしれませんが、都会でのボッチ生活で人に頼る事を諦め大人になった的なストーリーのため 前では無く、その場に留まって上へと進んだような印象を受けました。
これを踏まえて考えるとラムネ2のナナミは頼ること無く大きく前進出来たのだと感じました。
これは同メーカー作品すみれでのすみれブチギレシーンを彷彿とさせるものであり、もしかしてポンコツ枠は健ちゃん不在の方が人間として成長できるのでは…?と思ったりもします。まぁゆきいろのマルの例もあるので絶対ではありませんが…


[気になった点]
この部分は、やはりバグの多さとボリュームの少なさですかね…
佐藤ひろ美さんの引退に合わせて急ピッチで作られたそうなので、制作時間が足りなかったのかもしれませんが、もう少し頑張って欲しかったです…

総評
[総評]
良い作品ではあると思いますが、過去作前提の作りであり思い出で下駄を履かせてもらっているような出来です。
ねこねこが好き 又はラムネそらいろが好きといった方以外はあまりプレイを推奨できないかもです…
しかし上の条件を見たいしてる人にとっては、十分楽しむ事ができるクオリティではあったと思います。

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