破瓜病〜クワビヤウ〜 感想
(評価点)
[評価点]
シナリオ:A
キャラ:B+
ビジュアル:B+
世界観:A
演出:B
音楽:C
オススメ度:B-
総合点 78点
(感想)
停止したエレベーター内といったごく小さい範囲でのクローズドサークルモノであり、舞台設定で適度な緊張感を与えつつ本筋の男女の性差 大人と子供の差といったものが表現されていて凄く感心しました。正直やる前は凌辱メインだと思ってなので驚かされましたね〜
とは言っても、同人短編という事もあり過度な期待はしない方がいいですが…
ただオチだけは、別格なのでそこだけは期待してもいいかもです。
(考察)
⚫︎テーマについて
わかりやすく男女の性差がテーマとして描かれてましたね〜 生理 男の欲望 第二次性徴期 姉の彼氏等々…etc
これらの変化に、まだ大人と子供の中間である、みおが思い悩む様子が過去回想という形をとって表現されていきます。
しっかりとヒロインである、みおの心情を描写し問題を提示 主人公とのやり取りの結果吹っ切るという形での解決と分かりやすい流れでしたので、サクサク読めてよかったですかね。
欲を言えば、主人公側が何故自殺するに至ったかを、男女の性差に絡めてシナリオに組み込んでくれたら、尚よかったかもです。
⚫︎恋愛部分について
メインテーマのほかに、大きくシナリオに関わってくるのが2人の恋愛に関してです。
選択肢を間違えずにトゥルーENDを迎えると主人公とみおは晴れて恋人同士になる訳ですが、第一印象最悪で体を要求してきた主人公に「普通」なら心を許したりはしないんですよね。
つまり、普通でない状況
封鎖されたエレベーター 片手一本でみおを救った主人公という状況による吊り橋効果
自らを傷つけた犯人 加害者と長時間一緒にいることで生じるストックホルム症候群
過去 凌辱未遂から救ってくれたことによる深層心理での期待
これらが交わった結果お互いが好き合うに至った訳ですね。下手にデートだなんだとされるよりも説得力のある理由で個人的に凄い好きな展開ですね〜
もっともアフターストーリーにてこれらもひっくり返るわけですが…
⚫︎アフターストーリーについて
エレベーターからの生還後
新たに誕生した年の差カップルのイチャラブを描いた後日談…などでは決して無いのが、本作 破瓜病が普通とは違う1番のポイントです。 正直このアフターストーリーが無ければ、もう少し評価は低くなっていたと思います。それぐらい破壊力にあるENDでした。
エレベーターから生還した直後、あの一瞬だけ非常に短い間だけど確かな恋心、恋を知らず子供から女へとなるのを恐れた少女の初めて知った恋心。けれど結局は異常な状況下での気の迷いだと判断して主人公とはもう2度と合わないという選択を取ったみおちゃん そしてそれに同意する主人公 2人だけにしか分からない微妙な関係性がすごく良かったですね。
欲を言うなら、数年後に街ですれ違うけど、お互い無視したり。みおちゃんをまた暴漢から救うけど、名乗らずに去っていくとかの展開を最後に入れてくれたら、最高ですよね…
ほんとこのラストにしてくれたライターさんに感謝です。
(総評)
[総評]
あまり知名度が高くないし、埋もれる理由も分かる本作ですけど、同人ゲーとしてなら十分戦っていけると思うので、もう少しプレイする人が増えてくれたらいいなぁと思いますね。
面白いとか感動するとかじゃ無く、とにかく良いと思わせてくれた、そんな作品でした!