Monkeys!! 感想
(作品概要・評価点)
[作品概要]
HARUKAZE4作目
女装×ヤンキーモノ、原画担当の変更、ノラとと以降の完全新作と何かと発売前から話題に欠かなかった作品です。
ライターはメーカー恒例のはと氏なので一定の面白さは保証されていますし、評判も上々とチャレンジした割には安定している印象
ーーー以下評価点ですーーー
[評価点]
シナリオ:B
キャラ:S+
ビジュアル:A
世界観:A
演出:S
音楽:B
オススメ度:A+
総合点 73点
(感想)
プレイし終わって真っ先に思ったのが評価が凄く難しい作品だなでした。
まず大前提としてノラとと、ノラとと2と比べると明らかに手抜き&雑さが目立ちます。
シナリオのボリュームも少なく(大体15時間前後でフルコンプ可能) 展開もワンパターン、CG枚数も漫画風の演出で誤魔化してます。挿入歌も1曲だけで、原画の塗りもエロゲ塗りというよりはアニメ塗り寄りでざっくんバランに塗っとけ感が凄いです。
ただ、ただそれでも面白いんですよね。それもめちゃくちゃ、プロローグからのハイテンポな掴みで一気に世界観に惹き込まれますし、上で挙げた漫画風の演出もキャラの動きが分かりやすくて大成功だと思います。シナリオも主軸となるテーマやらストーリーは正直イマイチですが、それを補って有り余るキャラのかけ合いと…
要するに褒める部分も貶す部分も大量にあって、結果的にいい具合になってるって訳ですね。少なくとも個人的には買って大満足 後悔はなかったかなって思います。
(考察)
⚫︎テーマについて
一番のメインテーマが家族に関して、特に母親に関してですかね。
ただまぁこれがワンパターンというかカラス以外の3人は自己の確立でストーリーの流れが変わり映えしませんし、カラスルートも猿吉の母親が影でキャッチボールを練習してたとこは割とおぉ!って思いましたが、そっから訳わかんない展開になって家族テーマがブレブレになってきますし。
結局のところこのライターさんは変に決まったテーマに囚われずに自由に書いた方がいいんじゃね?って思います。実際成功してるノラとと
はヒロイン毎に決まったテーマはありませんしね。
⚫︎テキストについて
テキストに関しては流石の一言ですね…ハイテンポなかけ合いも良いですし、ほぼ全キャラボケとツッコミが両立できるのもかなりの評価ポイントです。エロゲのコメディ作品って男キャラやネタ枠のサブキャラに頼りがちな部分も多いですけどモンキーズはバンバンメインヒロインを抜擢していきますし、尚且つヒロインとしてのかわいさもかね揃えてるんでキャラ設定作るのも上手なんですかねー
ただそのテンポ感故の欠点もあります。
まるでいきなりシーンが飛んだかのような場面展開を多用する部分ですね。今のシーンはどの時間軸なのか、今どんな状況なのか、主人公とヒロインは付き合っているのかなどが分かりにくいんですよね。ライターも把握できてないのか硝子ルートでは主人公と硝子が付き合っているのを知ってる発言と知らない発言を数テキストの間にメバチが発します。意図的なギャグでないのでしたら、相当ヤバいです。
前々からこの傾向はありましたが、本作は特にひどいです。これも手抜きの弊害か??
⚫︎コンセプトについて
ヤンキーとお嬢様、女装と男装といった具合に相反するものが度々と登場してきたのは良いですね。元々この手のキャラゲーの女装主人公って穏やかな気質である事が多いんで、猿吉みたいなヤンチャ系ってのも新鮮味があって良いです。男にしか聞こえない声も筆談オンリーにする事で解決してますしね。(何故か南、起田には声聴かれても性別はバレませんが…)
あと一つ思ったのは、猿と鳥に関してですかね、男の女 分かり合えない2種が手を取り合うってのもテーマの一つな訳ですし、せっかく犬猿の仲なんてことわざもあるんですから鳥では無く犬の名前をモチーフにした方がスッと入ってきやすかったように考えましたね〜 狐に掛けてイナリとか良さそう。どちらにせよカラスだと同じくヒロインの硝子とひびきが思いっきり被ってますし…
⚫︎個人的に残念な部分
最後に一般的な批判点とは別に個人的に思ったことを書いていきます。
それは、ギャグ系以外の喧嘩シーンが殆ど無かった事です。正直ヤンキーと聞いて自分が期待してたのは主人公がヒロインのピンチをスデゴロで助ける展開ですよ!ノラととのあっすールート的なアレです。これは別に主人公に限った話じゃ無くて起田の剣豪設定とか南が本気出すところとか熱いシーン描こうと思えばいくらでもできる訳じゃないですか。ヒロイン側にもメバチっていう戦闘要因いますしね。特に本作はヤンキー高校っていう下地もあるんですから導入し易いと思います。
要するにヒロインのピンチを挿入歌有りで仲間と一緒に助けるカッコいい猿吉を見たかったなってただそれだけの愚痴ですw
(総評)
[総評]
雑だし手抜きだしツッコミどころもめっちゃあるけど、同じぐらい光る部分もあるし笑える珍しい作品でした。多分割と奇跡的なバランスで組み合ってるんで、丁寧にしたら逆につまらなくなる可能性も全然あり得るんで、これで良かったとも言えますかね。
売り上げもかなりあるっぽいんで、今回余ったパワーをノラとと3に回して、その分面白いものを作ってくれたら満足かな。 ウキとかのキャラデザやぐっぴーのHシーン導入(夢ですが。)沖田の上裸をキチンと描写したあたりなんかからモンキーズ2を作る気は一切無さそうですしね〜